犬子ひょうたん祭(祇園祭)
ある年のこと、疫病が流行し、山鹿の里人たちはあらゆる疫病退散の祈願をしても効果がないので困り果てていました。その時、祇園の神が枕元に立ち、「現在の祠(ほこら)は、低地で不浄である。小高い杉山の地へ宮居を移すように」と告げられました。そこで、中村の庄屋の屋敷にあった八坂神社を現在の社地に造営し、遷座(せんざ)する事になりました。その時、どこからとともなく子犬が現れ、神輿(みこし)に供奉(ぐぶ)して離れず、無事に遷座がすむと消えてしまいました。その後、疫病は消滅。里人たちは「あの子犬たちは、祇園さんの化身か使いものに違いない」といい、子犬の姿を、祇園さんの好きな酒を入れる「ひょうたん」とともに米の粉で作り、疫病除けのお守りとして一年間部屋の隅に飾るようになりました。
この日に小雨が降ると豊作間違いなしといわれています。
祇園祭の日は「初かたびら」といい、土地の人はこの日から浴衣を着始める習慣があります。