オマツリジャパン

静岡県の中央部を流れる大井川に沿って走る大井川鐡道。金谷駅~千頭駅の大井川本線で10月30日(土)に大井川SL花火の旅が開催されました。全国的にも珍しく、花火屋さんである株式会社イケブンが主催者となった花火イベントの記事になります。

このイベントではオマツリジャパンも有識者と言う立場で少し参加させて貰った経緯があり、今後も何かしら花火に関わることで花火業界を盛り上げていきたいと思い、遠方から駆けつけてみました。

イベント概要

大井川鐡道は静岡県島田市の金谷駅から南アルプスに向かう千頭駅間の「大井川本線」、千頭駅から静岡市の井川駅を結ぶ「南アルプスあぷとライン」の二つの路線を運行しています。今回はSL機関車や昭和に活躍した電車が走っている大井川本線を使ってのイベントになります。

SL列車往復指定席券(2名28,000円)は、終点までの運行中には途中2カ所で花火が打ち上がります。SL車内ではお弁当も用意され、花火の玉皮で作られた記念土産付き、終点の千頭駅では駅構内での花火ショーが観覧できます。また、コロナ対策として向かい合って座る形式の4座席を2座席分しか使用しない様にしています。

それとは別に臨時列車往復指定席付券(1名8,000円)も販売されており、こちらは列車での運行になります。安価な分、途中での花火の打ち上げはありませんが、他はほぼ同じ条件で終点での千頭駅では花火鑑賞席も用意されています。両方ともすぐにチケット完売になり、本イベントの期待感が伺えました。

千頭駅(せんず)

イベント当日は、花火ショーが行われる千頭駅に向かいました。かなり山奥にある場所ですが今日の花火とは関係ない観光客もそれなりに集まっており、多くの人が日中もSLや昔の電車を目当てに来ている様です。

駅構内の一角には本日の来場者の為に花火資料が並んでおり、準備をしている株式会社イケブンの従業員の方がいたので、さっそく御挨拶させて貰いました。今日の花火や花火資料について伺っていると法被を着て記念撮影をさせて貰えるとの事だったので、調子に乗って花火師に変身して記念撮影。

また駅のホームに行くと、オマツリジャパンの山本さんがメンバーが他のスタッフと一緒になって観客用の椅子を並べたりと忙しそうにしていました。どうやら今回はずっと行政の方達と一緒になって行動する工程になっている様です。

SL列車指定席

臨時列車指定席

また、線路を見るとSLが出発の準備をしていました。蒸気がこれでもかと言うほど音を立てていて、令和の時代になっても本当にSLが動く事に感動でした!そして、機関車トーマスの仲間たちも線路に待機している事にびっくり。今回は見られませんでしたがイベント日には、これらの機関車も走るようです。

機関車動力室

機関車トーマスの仲間たち ヒロ(左)、ジェームス号(右)

一応、打ち上げ場所も確認しておこうと河原に向かうと花火の筒がずらりと並び打ち上げの準備を整えていました。道を歩いていても見える位置に筒場があるので、何も知らず普通に観光に来た人は何があるんだろうと興味深々でした。

絶好の花火日和です

SL乗車~ウェルカム花火

先行して17:31に臨時列車が金谷駅を出発し、終点の千頭駅に向かいます。続いてSLが17:54から新金谷駅を出発し、同じ終点を目指します。途中2ヵ所の花火とは、右座席と左座席のどちらに座っても1回は窓際から花火が見られる様にと組まれたものです。

車内での取材はNGが入ってしまいましたが、株式会社イケブンで制作された動画には車内の様子も映っているので、是非ご覧ください!

また、今回の情報を聞きつけて各地からSLマニアがかなり撮影ポイントで待機していた様です。なかなか花火とSLがコラボする機会はないので撮りたく気持ちは分かります。

自分も元々はその予定だったのですが、千頭駅までの曲がりくねった山道を夜中焦って行くのは危険だと判断して辞めてしまいました。でも、こんな写真が撮れるのならば、挑戦しても良かったなと若干の後悔w

花火ショー

千頭駅にSL到着後、観客のみなさんは改札を通って駅のホームに設置されている指定席で準備が整うまではしばらく待機。それまでの時間で花火資料の展示を見たり、ホームで用意されている売店で花火を見ながら食べる物を買ったりして過ごします。

準備が整い、19:50から約40分間の打ち上げ。最大5号玉(約150mの開花)の花火が打ち上がります。内容は全て音楽に合わせた超至近距離でのミュージックスターマイン。やはりと言うか銀河鉄道999の曲を使ってきたのは流石でした。折角ならメーテルのコスプレイヤーを雇ってお出迎えしても面白かったかも?最後は圧倒的な火力の前に何もできず、真っ白な写真の完成でした。

株式会社イケブン主催の花火イベント

株式会社イケブン主催である先日の静岡熱海花火フェスティバル #海と干物と音楽とに引き続き、今回の大井川SL花火の旅~SLかわね花火路号が無事に終わりました。観客側からすれば、誰が主催者でも変わりませんが花火屋さんは本来、花火を作ったり、花火の演出を考えたりする人です。

それがこのコロナ禍で一気に仕事がなくなり、自分でイベントを主催してまで仕事を作り出さなくてはいけない状況までになりました。花火制作も手作りで、演出も音楽を聴いて曲を選んだり、パソコンでシュミレーションしたりと、とてもオートメーションでは出来ない様な業務内容ばかりです。それに加えて、既存の花火大会だと行政や多くのボランティアがやってくれていた会場整備やチケット販売など、多岐に渡る運営側の仕事までとなるとかなり大変だった筈です。

先日の静岡熱海花火フェスティバル #海と干物と音楽との動画もようやく完成したとの報告を貰いましたので、どんな心構えで花火師さん達が開催しているのか良かったら見てください!

これからはこう言った花火大会が増えてくる気がします。近い将来、花火は無料で見るのが当たり前でなくなって来るのかもしれません。公的資金や企業の協賛金がなくなると花火大会が開催されなくなってしまい、花火屋さんは廃業するしかありません。

そんな状況を何とか打開しようと頑張っている株式会社イケブン。2021年12月18日(土)静岡県裾野市で「富士山花火2021」が開催されます。日本の花火文化継続の為にも是非、有意義な花火旅行を計画してみてください!