埼玉県の南西部に位置し、首都40キロ圏に位置する日高市。東部は武蔵野の面影が色濃く残る市街地、西部は秩父山地と高麗丘陵となっており、丘陵と台地の間には高麗川が流れています。高麗川が蛇行し、まるで”巾着”のような形をした「巾着田」と呼ばれる土地には巾着田曼珠沙華公園があり、秋になると500万本の曼珠沙華が咲き誇る他、四季を通して様々な花が彩り行楽客を楽しませます。かつて「高麗郡」が設置され旧高句麗からの渡来系移民が多く住まい、江戸時代には日光脇往還の宿場町が設けられ栄えてきました。現在ではJRと西武鉄道が乗り入れるなど交通網が整備され、地域の特性を生かした街として、発展をしています。
日高の市の花に指定されている曼珠沙華は、彼岸花(ヒガンバナ)とも呼ばれ、秋の彼岸頃(9月中旬)に赤くそり返った花びらが特徴的な花です。「曼珠沙華」の花の名は仏教の経典にも登場し、”天界から降り落ちる花”と伝えられています。中国大陸が原産である曼珠沙華は日高の地に舞い降り、群生する巾着田曼珠沙華公園は秋になると辺り一面が真紅に染まり、まるで赤い絨毯(じゅうたん)を敷き詰めたようになります。
日高の地に舞い降りたのは曼珠沙華だけではありません。1300年前、大陸の異国である高麗(高句麗)からの渡来人が訪れ、暮らすようになったのも、ここ日高の地。悠久の時を経て渡来人により護られた高麗文化と、武蔵国の文化が交わり栄えてきた日高の地を今、500万本の曼珠沙華があでやかに彩ります。
日高地域の歴史を遡ると、2万年前の旧石器時代には人々が暮らしていたことが市内の各遺跡の出土品からわかっています。また、縄文時代の遺跡「高麗石器時代住居跡」は、昭和4年に埼玉県内で初めて縄文時代の竪穴式住居跡を発掘調査した遺跡として知られています。その後、日高地域における歴史的な出来事が起こったのは奈良時代のこと。奈良時代の霊亀(れいき)2年(716年)に関東一円に散在していた高句麗人を移し、日高地域一帯に「高麗郡」が設置されたことが、歴史書「続日本紀(しょくにほんぎ)」に記されています。
高麗郡の初代郡長は高句麗から日本に渡来した高麗王若光(こまのこきしじゃっこう)は高麗明神として高麗神社に祀られ、宮司を若光の子孫が代々勤めています。
高麗王若光の墓のある聖天院(高麗山聖天院勝楽寺)や、各所で見られる魔除けの境界標「将軍標」など、日高市では高麗文化の香りを感じることができます。
大陸と日本を繋ぐ存在のひとつ曼珠沙華。
500万本の曼珠沙華が咲き誇る巾着田は秋の風物詩です。一面の赤い絨毯(じゅうたん)が広がる園内を散歩するもよし、河原で清流のせせらぎに耳を傾けながら、堤に咲き誇る曼珠沙華を眺める贅沢な時間を楽しむもよし、ひとりでも団体でも楽しめます。まつり期間中は市内の飲食店による屋台が形成され、花を楽しみながら日高の特産品に舌鼓を打つことができます。
会場 |
巾着田曼珠沙華公園(入場料500円) ※中学生以下及び身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳を所持している方は無料。 (開花状況により有料期間が前後する可能性があります。) |
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日時 | 令和4年9月17日(土)~10月2日(日)16日間 午前9時~午後4時30分 |
内容 |
飲食店・特産品販売店の出店 ・9月25日(日)に特産品フェスティバルを同時開催。 ・感染症拡大防止のため、ステージイベント・市内シャトルバスの運行はありません。 |
交通案内 | 電車(最寄駅西武池袋線「高麗駅」から徒歩15分 JR高麗川駅から飯能駅行バス10分) 車(圏央道狭山日高ICから秩父方面へ) |
駐車場 | あり(普通車1台500円)大変混雑します。公共交通機関の利用をお願いします。 |
トイレ | あり |
巾着田曼珠沙華公園は、蛇行する高麗川が作り出す地形が「巾着」状に見えることから名付けられ、古くから一帯は水田として利用されてきました。今は公園として整備され、秋の曼珠沙華を始め四季折々の花が園内を彩るほか、「巾着田春まつり」のイベントが開催されるなど、年間を通じ様々のみどころがあり、日高市を代表する行楽地となっています。
日高市内には、高麗の歴史や文化を感じられる史跡が残るだけでなく、巾着田曼珠沙華公園、高麗川、関東百名山のひとつ日和田山など、なだらかで武蔵野の面影が色濃く残る台地に、秩父山地と高麗丘陵の標高200~300メートルの丘陵・山岳地帯まで、様々な自然景観を楽しむことができます。そして丘陵と台地の間を高麗川が東に流れています。”遠足の聖地”日高を足で巡ってみるのはいかがでしょうか?
日高市街地や巾着田曼珠沙華公園周辺には、高麗郡の歴史を感じられるスポットが点在しています。高麗川駅、高麗駅など名称に残るものや、高麗郡郡長の高麗王若光が祀られる高麗神社、高麗神社の神職を代々務める旧家 高麗家住宅などを巡りながら、大陸と日本を繋ぐ手がかりを探してみてください。
巾着田曼珠沙華公園や、日高市のシンボルとして親しまれている日和田山(ひわださん)等、日高市の自然を感じることのできるスポットや、難易度に応じた多くのハイキングコースが整備されています。都心からのアクセスが良く、日和田山は登山マンガ『ヤマノススメ』に登場するなど、市内外からの注目を集めています。
日高市のみどころを紹介するうえで、「食」のスポットは欠かせません。日高市は埼玉県随一の栗の産地であるほか、人気の食のスポット ”豚のテーマパーク” サイボクや、醤油工場見学、醤油絞り体験ができる”醤遊王国”などの体験スポットを巡ることができます。
日高市産の栗「利平栗」と福島県の麹専門店の「米麹」のみを発酵させて仕上げた、まろやかで極上の甘みとコクの甘酒。オンラインショップでの販売の他、日高市内「ワンストップショップ十一屋」(住所:埼玉県日高市女影1839−3)でも販売。
旬の新鮮野菜や切り花が揃うJA直売所。秋には市特産の「栗」が並びます。店内で製造される焼き立てパンやジェラートも人気です。
営業時間:9時~17時
定休日 :水曜日(祝日は営業)
住所:埼玉県日高市猿田77-1
第10回埼玉B級グルメ王決定戦で優勝「餃子入りパイタン高麗鍋」を提供。豆乳とチキンベースのスープに餃子とネギ、チャーシューが入り食べ応え抜群。ご当地グルメ「高麗鍋」と餃子が融合した逸品です。
営業時間:11時~22時30分(ラストオーダー22時)
住所:埼玉県日高市高萩2306-9