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「小玉川熊祭り」マタギとジビエに出会う秘境祭|観光経済新聞

「小玉川熊祭り」マタギとジビエに出会う秘境祭|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2020年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

マタギとジビエに出会う秘境祭

今回は世にも貴重な奇祭の一つ、「小玉川熊祭り」を紹介する。舞台となるのは、山形県奥地にある小国町の小玉川地区。標高2105メートルの飯豊山を盟主とする飯豊連峰が連なり、東北アルプスの異名を持つ山岳地帯だ。中でも110人ほどの集落である小玉川地区は、古くから多くのマタギが暮らしてきたという特殊な土地柄。

同地では春の狩猟が終わると、熊の供養と山の神への感謝を捧げる神事「熊祭り」がマタギ衆のみの間で三百余年も続けられてきたが、約30年前から一般公開され、毎年5月4日に行われるようになったという。

会場に着くと、ゴールデンウイーク真っ盛りなのに遠方の山々には万年雪が残り、桜も満開だった。肝心の熊祭りのほうは、朝10時半から現役のマタギが熊狩りの様子を再現する「熊狩り模擬」を実演。漫画だと熊と猟師が一対一で対峙(たいじ)するシーンが定番だが、ここで再現されるのは獲物を四方から囲む「巻狩り」。つまりはチーム・プレイだ。

その後、熊祭りはマタギの勢子になりきって大声を出し合う「勢子大会」、山の恵みを神に感謝する「神事」、地元の特産品や宿泊券が当たる「抽選会」が行われた。

当地のご当地グルメとしては「熊汁」は外せない。実際、会場では朝から整理券が配られ、それでも長蛇の列ができる人気ぶりだった。ちなみに私は今回、マタギの主人と奥さんが経営する「民宿奥川入」に前泊。夕食で貴重な熊汁を味わった。熊肉は流通量が少なく、基本的に地元でのみ消費されるレア食材。究極のご当地ジビエだ。正直、獣肉だから「臭みが強い硬い肉だろう」と思っていたが、食してみると臭みはなく、トロトロで甘味とうま味が強かった。コラーゲンもたっぷり。何杯もおかわりしてしまったことは言うまでもない。

貴重なマタギ文化に触れられ、ご当地ジビエの熊汁も食せる小玉川の熊祭り。次の5月の大型連休で訪れてみては?

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この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
奇祭ハンター、美酒ナビゲーター。「毎月奇祭」を目標に奇祭旅を行い、お祭りやお酒の情報を挙げています。今までに50以上の奇祭を巡り、600種類以上の日本酒を飲酒。祭りがないときは大体、酒飲んでます。

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