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BON ODORIでインバウンド!新宿「盆踊り居酒屋」で、踊りながら考えた!

更新日:2024/3/7 リエコ
BON ODORIでインバウンド!新宿「盆踊り居酒屋」で、踊りながら考えた!

既に日本の観光・お祭り業界に大きな影響を与えているインバウンドの波。従来的な観光より、自ら感じられる体験を求める外国人旅行者にも、お祭りはピッタリ。しかし、せっかくのコンテンツがありながら、外国人への対応や、魅力の伝え方が分からず、資源を生かし切れていない。そんな悩みを抱えるお祭り主催者も多いと言われます。

そんな関係者に新たなヒントを与える!東京新宿に、一年中盆踊りが楽しめる場所「盆踊り居酒屋」が誕生しました。

 

1.盆踊り居酒屋って何?

盆踊り居酒屋があるのは、新宿歌舞伎町。日本一の繁華街といわれる街ですが、最近ではロボットレストラン、ゴジラヘッド、サムライミュージアムなど、日本のサブカルチャーを体験できる場所として外国人に人気のスポット。

盆踊り居酒屋

この盆踊り居酒屋は、新宿産直横丁という居酒屋さんで不定期に開催されるイベントです。

 

2.食べて、飲んで、踊って。盆踊り居酒屋でできること

お店に入ると、もうそこはお祭りの雰囲気。提灯の明かりがお祭り気分を盛り上げます。

簡単に着られる浴衣もあります。帯がマジックテープなので、聞なれない人も安心。薄手の洋服ならば、上に着ることもできます。これで準備万端。 

まずはカンパイ。メニューはコースで、飲み放題になっています。

しばらくすると、まずはステージショーとしての盆踊りが始まります。

盆踊りは通常「自分で踊るもの」ですが、盆踊りの動きを取り入れた見せるパフォーマンスとしての踊りがとても新鮮です。

 

3.踊り方レクチャーが、分かりやすい!

ステージが終わると、早速「踊ってみましょう」のコーナー。通常踊れるのは、東京音頭と炭坑節です。

「盆踊りは、基本的にすべて『チョチョンがチョン』と手拍子から始まります」

「下がって、下がって、丸、丸」

と基本的な動きを説明。

同じ説明を日本語と英語で行います。

「炭坑節は、炭坑の唄です。掘って、掘って、また掘って。それを担いで、担いで、」と、おなじみの説明。

「下がって、下がって、」はどう説明?と思うと、そこに「次は、汗を拭きます!」と。おおお!その解釈か!斬新だけど、外国人には非常に分かりやすく、笑顔がこぼれます。

「次は、カートを押して、押して」なるほど!分かりやすい!

「山を作って、出来上がり!」

ストーリーのある説明で、参加者皆、知らないうちに動きをマスター。振り付けを声に出すことで、一体感も生まれ、終わったときにはお互いの踊りに拍手を送り合うのでした。

 

4.ハイヤ節に阿波おどり!スペシャルイベントも!

通常の東京音頭、炭坑節に加えて、様々な踊りにフォーカスしたスペシャルナイトも。そこでは全国の盆踊りが体験できます。これまでにハイヤ節と阿波おどり体験が行われました。

牛深ハイヤ節は、熊本天草の踊り。軽快で分かりやすい踊りで、最初から引き込まれます。

遠く熊本の踊りが新宿で体験し、直接踊りを習うことができる。これはお得です。

阿波おどりは東京高円寺からの参加。

小さな空間で、一緒にぐるぐる踊る。お酒も入って、みんないい感じ。

会場が一つになりました。

 

5.BON ODORIはワールドワイド!参加者の感想

さあ、飲んで踊った、盆踊り居酒屋。参加者の皆さんの感想を見てみましょう。

日本人、外国人。思い思いに楽しんだ一晩。日本の祭りのインバウンド対応の在り方を考える機会でもありました。

 

6.盆踊りを世界に!主催者インタビュー

盆踊り居酒屋は一般社団法人日本盆踊り協会が企画。

振り付け及び監修は、同協会顧問であり、日本民踊家の鳳蝶美成(あげは びじょう)先生。日本各地の民舞・盆踊りを指導する一方、CM,TV出演など各方面で活躍。DJ KOOさんとのコラボなど、盆踊り界にイノベーションを巻き起こしているのです。日本文化を親しみやすいものに落とし込んでいく手法は、ハードルを下げ、踊りを楽しい経験とインプットさせてくれます。

そしてこのイベントのMCであり、英語でのレクチャーをしていたのは、トルコ人お祭り研究家のドーアン・メスットさん。日本のお祭りに惚れ込み会社まで興し、同協会の理事も務める、根っからのお祭り男です。

「盆踊り居酒屋は、受け身のエンターテインメントではなく、Real Cultural Experience Activity。今後は同じ形態で、ホテルや飲食店の昼間の時間を利用した展開も考えています。お店側は空いた時間にも集客ができ、旅行者には文化体験と健全な遊びができる場を提供。そういうWin-Winの関係を作っていきたい。」と熱く語ります。

2019年7月3日 日経MJで、盆踊り居酒屋及び日本盆踊り協会の活動が紹介されました。

同協会矢島代表によると、現在不定期開催の盆踊り居酒屋も、今秋(2019年)以降には本格始動の予定。「国内の老若男女はもとより、インバウンドにも一年中、日本文化・盆踊りを体験していただける場とし、約千年の歴史を持つ盆踊りを発信していきます」と語ります。

 

7.オマツリジャパンサポーターも考えました。

突然ですが、オマツリジャパンには「サポーター」という仲間がいます。この記事をお読みの方にも、サポーターの方も多くいらっしゃるかと思います。

サポーターは、月一で定例会を行っており、この盆踊り居酒屋についても、どうやったらより喜ばれる場所になるか、が話し合われました。

「全国の盆踊りが体験できたら、何回も行きたくなる」

「浴衣着て行ったら割引とかだったら、嬉しいよね」

「定番の踊りを必ずやるようにして、実際の盆踊りでも実践できれば外国人の方の満足度は上がるかも」

などなど。そのどれが採用されていくか・・・?

オマツリジャパンサポーターになるのも、日本のお祭りを盛り上げる一つの方法!お祭りに関するお悩み解決ができたり、あなたのアイデアも形になるかもいれません。

 

8.盆踊り居酒屋とインバウンド

盆踊り居酒屋に参加して、盆踊りとは、西洋における社交ダンスみたいなもの、もしくはお箸の持ち方みたいなものかもしれないと思い始めました。これを知っておけば、どこへ行っても恥ずかしくない、というような。自国の踊りができれば、踊りを通して国内外どこに行っても友達ができます。

外国人や盆踊りを知らない人には、完成されたものではなく、親しみやすいアプローチも有効。さらに歴史やストーリーでイメージを膨らませば、心にすっと入っていくようです。

炭坑節のような簡単な踊りを覚えて、国に帰り、Youtubeで音を流しながら踊ることだってできます。はやりの曲で踊ってもいい。それで、日本の文化や楽しかった経験が伝われば、何よりもうれしいのでは、と。

盆踊り居酒屋は盆踊りや祭りの魅力発信の一つのツール。その発展に大いに期待。地元のお祭りの良さを伝える場として、体験してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
阿波踊りが大好きです。
古いものが好きすぎて、日舞や歌舞伎を見て、味噌やら醤油やら作って、もう自分が何歳かわかりません。

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