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高台寺「大般若経祈祷会」転読で幸多い一年に!

更新日:2020/12/9 佐々木 美佳
高台寺「大般若経祈祷会」転読で幸多い一年に!

※2020年12月9日時点で2021年の開催は未定です。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年12月9日 編集部更新)

◆高台寺「大般若経祈祷会」転読で厄除開運!

豊臣秀吉と北政所ねねの寺「高台寺」。
高台寺では毎年1月1日 11:00に大般若祈祷会が行われます。
大般若祈祷会は修正会ともいい、間違いや不正をただして、ゆがんだところを修正するための法要です。

法要では転読という長いお経を全部読んだのと同じという意味がある、経文をダイナミックにめくる姿を見られます。
今回は高台寺でお正月に行われる「大般若祈祷会」をレポートいたします!

法要では最初に太鼓の音が鳴り、和尚様たちが入堂。

読経ののち、箱の中から経文を取り出し始めます。

中に書かれている大般若経はお釈迦様が説かれた教えで、このお経を読むことで十六善神(般若経の守り神)の守護により厄除開運、願いがかなうといわれています。

『十六善神の誓い』お釈迦様の説法を聞き帰依した十六善神の誓い
「この大般若の教えを信じ、読み、念じるものがあれば、我らは、眷属(一族)をひきいてその所にいって護衛し、その者が難事にあえば擁護します」

 

箱の中はたくさんの経文が納められています。

箱の中にびっしりと入っている経文。
確かにパラパラめくらないと、全て読経したらどれだけ時間がかかるかわかりません。

あちこちで和尚様が転読をはじめ、魔が払われる神聖な雰囲気がただよいます。
この転読のありがたい空気を感じたくて、お正月に高台寺に引き寄せられてしまいます。

パラパラとめくる以外に本ごと箱に叩きつけて、大きな声でお経を唱えることも。

一月は「正(ただす)」ということで正月といい、元旦にこの大般若経祈祷会を行うことで幸多い一年になるようにという願いがこめられています。

そして高台寺に来たら見ていきたいのは蒔絵。
転読の際にも実は美しい蒔絵が登場しています。どこにあるかわかりますでしょうか…。

答えはこちら。
和尚が持っている器に美しい蒔絵が描かれています。

また特に有名な「高台寺蒔絵」が、ねね様の眠る霊屋(おたまや)にあります。

2020年「京の冬の旅」では豊臣秀吉公の菩提と御正室の高台院様をお祀りする霊廟「霊屋」の室中特別公開もあります。

◆勅使門開放「初まいり」通常は通れない開かずの門が開く!

2020年は1月1日~1月5日までは「初まいり」として天皇の使いである勅使(ちょくし)の位がないと通れない、通常は締め切っている勅使門が開いています。
(年により1日から7日までの日曜までを基準に、後ろの日程が変動する場合あり。)

【高台寺 北政所茶会】舞妓さんより稀少!嶋原太夫のお点前と太夫道中

(関連記事:「【高台寺 北政所茶会】舞妓さんより稀少!嶋原太夫のお点前と太夫道中10月6日には勅使門をくぐる正五位の島原太夫の美しい姿が高台寺で見られます!

転読が終わると、次は 京都・東山花灯路 の「狐の嫁入り」抽選会が始まります。

「狐の嫁入り」は3月に行われる東山花灯路の行事。チリンチリンと鈴の音に先導され夜道を白無垢に身を包んだ狐の花嫁が人力車に揺られて知恩院から高台寺まで通ります。

ハーメルンの笛吹のように花灯路に来た人々が「え?!何?何?!」と鈴の音と狐の嫁入りの行列に引き寄せられる光景はとてもミステリアスです。

京都の祇園!しかも高台寺!そこで白無垢を着れる…。そんな女性にとっては夢のようなチャンス。

実は誰でもお嫁さんになれます。花嫁は募集制!
年度によりますが20/150人くらいの確率で当たります!!!

年齢は問いません!毎年10月10日から葉書で応募を開始、1月1日が抽選会です。

狐の嫁入りの抽選会は富籤方式になっており、お正月の抽選会に参加したほうが「お年玉」特典としてお嫁さんになれる確率がUPします!

◆アンドロイド観音「マインダー」ご開帳!

ITもここまできました。アンドロイドの観音様を祀るという高台寺、好きです。
ぜひ参拝していって滑らかな動きと動く観音様の姿の不思議な気持ちを感じていただきたい。

「仏像の姿が描かれたレリーフの仏が絵を抜け出て仏像となったがその後の進化はない。
目を合わせ、話し、動く観音に進化させたいー」ということで誕生した「 アンドロイド観音マインダー] 」。

本当は問いかけに答えてくれる観音様を造りたかったそうですが、それはまだ少し先になりそうなのだとか。

プロジェクションマッピング(英語・中国語字幕対応)で般若心経の「空(くう)」をわかりやすく説明していただけます。

土日祝中心のご開帳ですが、法務によっては変更になるため公式WEBを確認のうえ、ご参拝ください。

◆「除夜の鐘」「夜咄の茶会」一月は行事がいっぱい

大晦日に来たときは除夜の鐘に参加することもできます。
最初の一回目は和尚様たちが一度鐘を打ち、そのあとは参加者が鐘をつくことができます。
除夜の鐘は先着順108組で整理券を22時配布開始します。しかし近年は人気で21時ごろに並んでもなかなかゲットできないそうです。

寒空の中に嬉しい、甘酒の振る舞いもあります。
年末年始限定の御朱印もいただいていきましょう。

一月上旬ごろから三月までは「夜咄の茶会」も開催されます。
京都で着物を着てお茶会に行くのも素敵な一日になりそうですね。

Kodaiji 臨済宗 建仁寺派 鷲峰山 高台寺
交通:バス「清水道/祇園/東山安井」下車
住所:京都市東山区高台寺下河原町526番地
TEL:075-561-9966
拝観時間:9:00~17:00 受付終了 17:30 閉門 ライトアップ期間中は日没~21:30まで
URL:高台寺 https://www.kodaiji.com/
拝観料:600円

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
毎日「京都散歩の旅」なカメラマン。
奈良・吉野アンバサダー。観光経済新聞、楽天トラベル等を執筆。聖地と舞が好き。民俗芸能や瀬織津姫研究中。
instagram @kyoto.photographer
https://earth-traveler.com/

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