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瀧宮神社酉の市は深谷で毎年12月5日に行われる師走の祭り。新嘗祭の側面も

2022/12/6
2022/12/9
瀧宮神社酉の市は深谷で毎年12月5日に行われる師走の祭り。新嘗祭の側面も

埼玉・深谷の酉の市

埼玉県北部の街、深谷市。室町時代中期の1456(康正2)年に深谷上杉氏の上杉房憲によって深谷城が置かれ、城下町が広がっていったのが深谷の市街地のはじまりと言われています。江戸時代になると中山道の日本橋から9番目の宿場町として深谷宿が整備され、他の宿場町と比べても大規模な80軒もの旅籠ができて大いに賑わってきました。また2024年から一万円札の顔となる、幕末から明治にかけて活躍した渋沢栄一の出身地としても知られています。

瀧宮神社酉の市深谷駅前の青淵広場内にある渋沢栄一像。

この深谷で毎年12月5日に開催されているお祭りがあります。「瀧宮神社酉の市」です!

瀧宮神社酉の市

瀧宮神社が舞台

深谷の酉の市が行われる舞台は、深谷駅近くの瀧宮神社。〝瀧の宮〟と言う神社名が付けられていますが、その理由は境内にあります。この地は活断層の深谷断層の崖上に位置し、そこから湧き出た水がご神水として大切にされているのです。そのため瀧の宮と並んで、霊泉の杜とも呼ばれています。また深谷城ができた際には城の裏鬼門に当たることから、守護神として歴代の城主の崇敬を集めてきたとも伝わっている神社でもあります。

瀧宮神社酉の市

瀧宮神社酉の市瀧宮神社境内にあるご神水のお水取り場。

今年は13時から20時頃に開催されると言う瀧宮神社酉の市。15時からは新嘗祭が行われると言うことで社殿前へとやってきました。一般的には11月23日の勤労感謝の日に実施される新嘗祭ですが、瀧宮神社では酉の市に合わせて開催されます。

まずは社殿にご挨拶。こちらの中で新嘗祭が行われます!

瀧宮神社酉の市

15時になり、神職や関係者の皆さまが社殿へと入りました。神事が執り行われていきます。

瀧宮神社酉の市

神事が進むと、社殿の外では酉の市の開催を知らせる花火も打ち上がりました。ここから日が暮れていくのに合わせて、酉の市もより盛り上がりを見せていきます!

熊手が艶やかに並ぶ

16時半頃に日の入りとなったこの日の深谷。熊手を照らす灯りも際立ち、よりお祭りの雰囲気が上がってきますね!

瀧宮神社酉の市

参道に沿って、たくさんの熊手が並びますよ!

瀧宮神社酉の市

瀧宮神社酉の市

こちらは深谷市のお隣、本庄市の熊手屋さんです。

瀧宮神社酉の市

熊手を手に入れ、家内安全・商売繁盛を祈りたいですね!

瀧宮神社酉の市

お神輿に小判、米俵などが飾られ縁起が良いですね!

瀧宮神社酉の市

こちらは七福神が乗っています。

瀧宮神社酉の市

招き猫や鯛も福を持ってきてくれそうです!

瀧宮神社酉の市

そしておかめの存在も目立ちます。埼玉県内の酉の市の中には「おかめ市」と言う名で行われている地域もあり、県南東部の川口市周辺が特に有名です。この地域ではおかめの面を付けて売る熊手が多かったことから、おかめ市と呼ばれるようになったそうです。

瀧宮神社酉の市

また埼玉県の酉の市は、11月の酉の日に開催される都内のものとは違い、12月に各地で日をずらしリレー形式で行われているのもユニークです。12月3日の秩父の妙見さまの大祭である秩父夜祭を起点に山から野に降り、3日の川越、4日の鴻巣、5日の深谷、6日の行田、8日の熊谷、10日の大宮、12日の浦和、14日の春日部、15日の川口、17日の蕨、23日の鳩ヶ谷と言った順番で12月に酉の市が続いていきます。各地の酉の市をはしごしてみるのもおもしろいかもしれません!(熊谷、大宮、浦和では〝市〟と書いて〝まち〟と呼ぶ。川口、蕨、鳩ヶ谷はおかめ市)

瀧宮神社酉の市

お祭りグルメも楽しめる

熊手を見た後は、お祭りグルメも楽しみたいですよね。鳥居を抜けた参道には、たくさんのグルメ露店が出店していますよ!

瀧宮神社酉の市

定番のたこ焼きや焼きそば、お好み焼きもあります!

瀧宮神社酉の市

参道を歩くと、左右から漂ってくるおいしそうな香り。これはたまりませんね!

瀧宮神社酉の市

中山道の街並みと深谷名物

中山道の街並みが残る深谷の中心市街地。街道に沿って宿場町を歩いてみると、伝統的な建物に出会うこともできます。こちらは菊泉の銘柄で知られる1863(文久3)年創業の滝澤酒造さんの建物です。

瀧宮神社酉の市

同じ通り沿いにある、東白菊と銘柄が書かれたレンガ作りの煙突がトレードマークな藤橋藤三郎商店さん。こちらは1848(嘉永元)年創業の酒蔵です。

こちらも酒蔵と思いきや、廃業された七ツ梅酒造さんの跡地をリノベーションして作られた複合施設となっています。古書店や居酒屋、ギャラリーなど複数のお店が入っている見どころですので、ぜひチェックしてみてください!

瀧宮神社酉の市

なんと全国で唯一、酒蔵が映画館になった深谷シネマさんまであるんです!酒蔵の中で映画を見てみたいものですよね。

瀧宮神社酉の市

また深谷宿の端には江戸時代から変わらず宿場町の入口を照らす常夜灯が存在しています。こちらは西常夜灯と呼ばれ、1840(天保11)年に建てられたものです。宿場町の反対側入口には明治時代初期に建てられた、東常夜灯もあります。

瀧宮神社酉の市

夜、酉の市を訪れて冷えた体を温めるのには、深谷名物の郷土料理、煮ぼうとうでいかがでしょうか。小麦粉を打って作られた幅広の生麺を野菜(こちらも名物の深谷ねぎなど)と共に煮込んだ煮込みうどんのようなもので、醤油味なのが特徴的です。渋沢栄一も好んで食べたと伝わる、深谷のソウルフードと言っていいかもしれませんね。深谷のお酒と合わせていただけば、温まること間違いなしです!

瀧宮神社酉の市

アクセス

■深谷駅まで

・上野駅からJR高崎線で約80分

・高崎駅からJR高崎線で30分弱

■深谷駅から瀧宮神社まで

・徒歩5分

深谷駅

毎年12月5日に開催される、深谷の瀧宮神社の酉の市。ぜひ師走に縁起物を求めにお越しください!

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