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風流踊がユネスコ無形文化遺産登録申請へ。対象の民俗芸能を紹介!

風流踊がユネスコ無形文化遺産登録申請へ。対象の民俗芸能を紹介!

2020年2月19日、国の文化審議会がユネスコ無形文化遺産登録を目指す国内候補に、「風流踊(ふりゅうおどり)」を選んだと報道されました。

日本の伝統芸能や祭りのユネスコ無形文化遺産は、2016年に「山・鉾・屋台行事」、2018年に「来訪神:仮面・仮装の神々」と、複数の行事などをまとめて登録申請するケースが増えていますが、今回の「風流踊」ではいったいどんな伝統芸能が対象になるのでしょうか?

風流踊とは?

そもそも「風流」とは、「華やかな」「人目を惹く」といった言葉が語源。その語源の通り、華やかな趣向を凝らした衣装や持ち物を使い、歌や笛などで囃して踊るものを総じて「風流踊」と呼んでいます。広く親しまれている「盆踊り」も実は風流踊の一つで、日本三大盆踊りに数えられる秋田県の「西馬音内(にしもない)の盆踊」や岐阜県の「郡上踊(ぐじょうおどり)」も風流踊の一つとされています。
その起源は中世に由来し、時代に応じて変化しながら長らくその地域で親しまれてきました。日本全国に風流踊は多数伝承されていますが、一口に風流踊と言っても雨乞いや豊作祈願、防災や死者供養…etc込められた想いは様々!
いずれもその土地の歴史や風土を反映しており、個性あふれる踊りばかりです。文化的な意味だけではなく、災害の多い日本では地域の人々の「絆」としての社会的な役割も果たしています。

申請対象の風流踊はこちら!

今回申請対象となったのは、全国の風流踊の中で「国指定重要無形民俗文化財」にすでに登録されているもの、もしくは近く登録される予定のものを合わせて37件が対象となりました!
37件全てをご紹介します!

1.永井の大念仏剣舞(岩手県)

岩手県盛岡市永井に伝承される、大念仏剣舞である。円形の大きな台の中央に塔をつけた大笠を振るのが特色である。 念仏の風流芸としての特色を濃厚に持ち、念仏歌としてもすぐれたものを持つ。
文化庁プレスリリースより引用

2.鬼剣舞(岩手県)

岩手県北上市、奥州市の複数の地区に伝承される。忿怒の形相の仮面を掛けて踊る剣舞が鬼剣舞と呼ばれる。鬼剣舞は勇壮で力強くダイナミックな動作の群舞である。巧みな踊り振りは代表的な民俗芸能の一つとして評価を得ている。芸能の変遷の過程や地域的特色を示す。
文化庁プレスリリースより引用

鬼剣舞が観れるお祭り「夏油温泉鬼剣舞かがり火公演」の開催情報はコチラ

3.西馬音内の盆踊(秋田県)

秋田県雄勝郡羽後町 に伝承され、8月16日から18日に行れる盆踊である。
洗練された流麗優雅な踊り振りにすぐれた芸態を示し、盆踊の一典型としての価値が高い。
端縫と呼ばれる端布を縫い合わせた風雅な着物や藍染めの浴衣に白足袋といういでたちに 、編み笠または亡者を かたどったという言い伝えを残す彦三頭巾と呼ばれる黒頭巾をかぶり、顔を見せないようにして踊る。盆に精霊とともに踊るという供養踊の伝承の面影をいまに伝えている。※文化庁プレスリリースより引用

西馬音内盆踊りの紹介記事はコチラ

4.毛馬内の盆踊(秋田県)

秋田県鹿角市毛馬内に伝承され、8月21日から23日にかけて行われる盆踊である。祖先供養の意味をもつといわれる「大の坂踊り」と、より娯楽的な「甚句踊り」の2つの踊りがあり、現在はこれらの後に、「鹿角じょんがら」と称してじょんがら節を余興として踊る。祖先供養の盆踊に娯楽的要素の踊りが加わって今日の姿に至るまでの変遷の過程を示し、また地域的特色も顕著である。
文化庁プレスリリースより引用

毛馬内の盆踊も紹介されている「おすすめ盆踊り20選!」の記事はコチラ

5.小河内の鹿島踊(東京都)

東京都西多摩郡奥多摩町に伝承される。もとは、西多摩郡小河内村で伝えられていたが、この地がダムで水没したため、移転した人々によって保存会が作られ、伝承されている。近世初頭の風流の小歌踊の系脈を伝えているもので、踊り振りには初期歌舞伎踊 の遺風が認められる。踊はすべて女装姿の青年によって踊られ、囃子は、笛、太鼓である。芸能史的に貴重な芸能である。
文化庁プレスリリースより引用

6.新島の大踊(東京都)

東京都新島村本村と若郷に伝承される小歌踊で、それぞれ盆に踊られており、本村では盆祭祝儀踊、若郷では盆踊などとも 称されている。本村では8月15日の夕方から、若郷では8月14日の晩に踊られる。 踊りの所作や風流傘など、中世に流行した 風流踊の遺風が認められる。
文化庁プレスリリースより引用

新島の大踊も紹介されている「おすすめ盆踊り20選!」の記事はコチラ

7.下平井の鳳凰の舞(東京都)

東京都西多摩郡日の出町に伝承され、 9月末の春日神社の祭礼時に演じられる民俗芸能で、「奴の舞」と「鳳凰の舞」で構成される。「鳳凰の舞」は、大太鼓を中心に三 重の円を描くように位置した踊り手が大太 鼓を打ちつつ勇壮活発にその周囲を踊るもので、踊り手の扮装や踊り方に特色がある。 また、「奴の舞」は、所作や台詞まわしに歌舞伎の影響がみえるものである。
文化庁プレスリリースより引用

8.チャッキラコ(神奈川県)

神奈川県三浦市三崎に伝承される。 左義長の舞、初瀬踊ともいわれ、1月15 日に踊られる。チャッキラコの名は、採物のコキリコから音転訛したものともいわ れる。囃子のことばを返しながら踊るその姿は軽快な舞の要素もあるなど近世初頭に流行した小歌踊をしのばせる。2009年ユネスコ無形文化遺産保護条約「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載された。
文化庁プレスリリースより引用

チャッキラコの開催情報はコチラ

9.山北のお峰入り(神奈川県)

神奈川県足柄上郡山北町に伝承される。 不定期の開催で現在は5年に一度開催される。峰入りという名称は一般には修験道の入峰修行を意味し、この地に伝わるお峯入りは、 これと同じものではないが、皆瀬川地区はかつて山岳修行の行場の一つであった。なかでも修行踊は山伏修行の印象をよく表現してい る。大規模な風流芸能の一つで、地方的特色の 顕著なものである。
文化庁プレスリリースより引用

10.綾子舞(新潟県)

「下野」地区の綾子舞

新潟県柏崎市にある黒姫山の麓、 女谷の高原田、下野に伝承され、毎年9月に現地で演じられる。小歌踊、囃子舞、 狂言の三種に分かれ、小歌踊は長いたもとの振袖にだらりの帯、ユライと称する赤布を頭にかぶった少女の舞踊で、初期歌舞伎踊を知る上で重要である。また囃子舞、狂言も芸能史的に価値が高い。
文化庁プレスリリースより引用

11.大の阪(新潟県)

新潟県魚沼市堀之内に伝わる盆踊で、 毎年8月14日から16日の3日間、八幡宮境内に櫓を建て、その周りで踊られる。踊り子の扮装は、浴衣に草履履きが基本であるが、今では特に厳格な決まりはなく自由な服 装で思い思いに踊りの輪に加わっている。踊りは太鼓の拍子に合わせて左回 りに踊る素朴なもので、緩やかな足の運びや手振りは古風を感じさせて優美である。歌は音頭取り と踊り子が歌い交わし、どの歌詞にも「南無西方」の文句が入る。伝統的な祖先供養の 盆踊の要素を伝え、また地域的特色も顕著である。
文化庁プレスリリースより引用

12.無生野の大念仏(山梨県)

山梨県上野原市秋山地区無生野に伝承 される。今は旧暦の1月16日頃と新暦の8月16日に行われている。ドウジョウ(道場) と呼ぶ区画を設けて踊りの場とし、御幣など で飾り、中央に太鼓を据える。地域の人々が 太鼓と鉦を鳴らして経典などを唱え、締太鼓 や太刀を持って、その周囲をめぐり踊るもの である。地域的特色が強く、また次第のなかに病気平癒など祈祷の意味をもつものがあ るなど、祭祀行事から芸能へと展開していく過程を示す。
文化庁プレスリリースより引用

13.跡部の踊り念仏(長野県)

長野県佐久市に伝承され、現在は4月の第1日曜日に、西方寺の本堂で行われている。鎌倉時代に時宗の開祖の一遍上人が、現在の長野県佐久市を訪れ、念仏供養を行ったところ、人びとが念仏を唱えながら自然に踊りだした。これが跡部の踊り念仏の始まりであると伝えられる。跡部の踊り念仏は、踊り手が踊りながら法悦の境地に至るという踊り念仏の本来の姿をうかがわせるもので、芸能の変遷の過程を示し、地域的特色も顕著である。
文化庁プレスリリースより引用

14.和合の念仏踊(長野県)

長野県下伊那郡阿南町に伝承される。 毎年8月13日から16日の間、毎晩踊られる太鼓を中心とした念仏踊で、「庭入り」 「念仏」「和讃」で構成される。和合地区の神社や寺などを巡り、各所で踊る。14日と15日には新仏の位牌を寺に集め、新仏供養のためにも踊る。盆の新仏供養を主たる目的としたかけ踊に、念仏踊が結びついた形態を持つ下伊那地方にみられる盆の芸能の特色を示している。
文化庁プレスリリースより引用

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15.郡上踊(岐阜県)

400年以上の歴史を持ち、岐阜県郡上市に伝承される。毎年7月中旬から9月上旬にかけて、各町の 寺社等の縁日おどり が城下町の各所を会場に 繰り広げられる。 中でも8月13日から16日の孟蘭盆の徹夜おどりは、全国から多くの人が参集し賑 わいが最高潮に達し、 踊り屋形を囲む踊り子の輪は何重にも取り巻き壮観を極める。芸能史上価値が高く、地域的特色の顕著な盆踊りである。
文化庁プレスリリースより引用

郡上踊りのレポート記事はコチラ

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16.徳山の盆踊(静岡県)

静岡県榛原郡川根本町に伝承され、盆の催しとして行われているため、地元では盆踊として伝承される。風流踊(ヒーヤイ・鹿ん舞)と狂言からなり、芸能全体の構成が近世初期の歌舞伎踊のおもか げを伝えるものとして芸能史上貴重である。8月15日夕、頭屋で清めの踊りをした後、一同は行列を仕立てて浅間神社に向かい、境内に設営してある二間四方の舞堂で芸能を演ずる。小歌踊 (ヒーヤイ)と狂言を交互に演じるという特色をもち、歌舞伎踊の初期の仕組みを伝承するもので、動物仮装の風流(鹿ん舞)が添えられているなど地方的特色にも富んでいる。
文化庁プレスリリースより引用

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17.有東木の盆踊(静岡県)

静岡県静岡市に伝承される。8月14日と15日に行われる盆踊である。男性が受け持つ踊りと女性が受 け持つ踊りが区別され、それぞれ太鼓を伴奏に、踊り手自身も歌 いながら踊る。扇やコキリコ、ササラ、木製の小さな長刀を持つものや、飾り灯籠を頭上にかざした踊り手が繰り込んで踊ることが あるなど、多様な内容をもつ。中世から近世初期に流行した歌と灯籠を持った踊りな ど、古風で多様な風流系統の踊りを、盆踊として伝承するもので芸能の変遷の過程を示 す。さらに男性と女性の踊りが決まっていることやさまざまな持ち物を持って踊るな ど、地域的特色を示す。
文化庁プレスリリースより引用

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18.綾渡の夜念仏と盆踊(愛知県)

愛知県豊田市綾渡町に伝承される。夜念仏では、地域の人びとが行列を作って歩きながら、鉦を打ち念仏を唱和する。盆踊は、 夜念仏の余興として行われるもので、三味線や太鼓などの楽器を使わず、歌だけに合わせて踊る。昔は、新仏の家を回って夜念仏と盆踊を披露していたが、現在では、町内の平勝寺境内にて、8月19日・15日に行っている。綾渡の夜念仏と盆踊は、古風な形態をうかがわせ、芸能の変遷の過程と地域的特色を示す。
文化庁プレスリリースより引用

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19.勝手神社の神事踊(三重県)

三重県伊賀市に伝承される。伊賀市山畑の勝手神社の秋祭の日に行われる芸能で、 胸にカッコと呼ぶ桶胴太鼓を付けた「中踊り」、歌を歌う「歌出し」、大太鼓を打つ「楽打ち」など、計20数名の人数と構成を要する踊りとなっている。多くの役を必要とする構成となっており、音楽面でも複雑な旋律やリズムを有するほか、伝承形態にも特徴がある。近県に分布している除災・雨乞いを目的とする太鼓踊との関連もうかがわれ、地域的特色や芸能の変遷過程を示す。
文化庁プレスリリースより引用

20.近江湖南のサンヤレ踊り(滋賀県)

滋賀県草津市および栗東市に伝承され、各地の神社祭礼で踊られている。華や かに趣向を凝らした出で立ちの子供たちを主体とした踊りで、打楽器を中心とした 楽器群を有し、子供たちがそれらを奏しつつ踊り、笹や榊、扇子などの採物を持った 周囲の囃し手が「サンヤレ サンヤレ」と囃し歌うもので、中世後期の祭礼芸能の姿を今に窺わせる。また、近世農村に定着し伝承されるなかで、災いを祓うとともに五穀豊穣の願いを込めて行われるようになった。
文化庁プレスリリースより引用

21.近江のケンケト祭り長刀振り(滋賀県)

滋賀県守山市、甲賀市、東近江市、蒲生郡竜王町に伝承される祭礼芸能で、多くは ケンケト祭りと称する各地の春祭りで行われる。少年たちによる楽器を奏しながらの踊 りと長刀踊りや棒振りという芸能が付随し、 これらは神輿や傘鉾の巡行と共に地区を巡り踊る。また、神幸行列に「花」や「鷺」と 呼ぶ鉾が付随することも特色の一つである。芸能の構成内容から中世後期にみられる祭 礼芸能の姿を窺わせ、「花」に付いた造花や、「鷺」に付いた飾りの奪い合いや、最後 に「鷺」を壊すといった習俗は、中世後期の祭礼芸能の疫神祓いの性格も窺わせる。
文化庁プレスリリースより引用

22.京都の六斎念仏(京都府)

京都市内15か所で伝承されている芸能である。六斎とは仏教でいう月に6日の斎日の意で、これらの日には悪鬼が出て来て 人命を奪う不吉の日とされ、身を慎んで、仏の功徳を修し、鬼神に回向し、悪行から遠離し、善心を発起せしめるべき日とされている。念仏、和讃などを唱え、鉦、太鼓などで囃す。念仏系、能楽系、歌舞伎系の系統に分けられる。また、このほか祇園囃子、四ッ太鼓などもあり内容は多種多様である。「京都の六斎念仏」は、念仏系の芸能のみならず、能楽系、歌舞伎系の芸能をも多く取り入れながら発達してきたものである。京都を中心として生まれた地域的特色が顕著な念仏踊である。
文化庁プレスリリースより引用

京都の六斎念仏のレポート記事はコチラ

23.やすらい花(京都府)

京都府京都市の紫野や上賀茂など洛北の四地区に伝承される。疫神を鎮める祭りであり、鎮花祭の意味あいももっている。春の桜花の季節に、花を飾った長柄の風流傘をおしたて、行列となって巡回し、笛と歌の伴奏に囃されながら、異装の者が、鉦・太鼓を打ちつつ、町の辻々で踊りをくりひろげる、 日本の各地で行われる「風流」の典型的な一つである。
文化庁プレスリリースより引用

やすらい祭のコラム記事はコチラ

24.久多の花笠踊(京都府)

京都府京都市の久多に伝承される。地元で花笠と呼ぶ、美しい造花で飾った灯籠を手に持ち、太鼓に合わせて歌い踊るもので、 中世に流行した風流踊の様 子をうかがわせる。久多の花笠は中に明かりをともすいわゆる灯籠で、灯籠を頭にのせて踊る「灯籠踊」 は、京都を中心に流行した風流踊の一つである。久多の花笠踊は、上と下の組が互いに踊 りを競ったが、これは踊り手が2組に分かれ、片方の踊りに対して、それにふさわしい踊りを直ちに踊り返したという、風流踊のあり方の一つである「掛踊」の様子をしのばせている。芸能の変遷の過程と地域的特色を示す。
文化庁プレスリリースより引用

25.阿万の風流大踊小踊(兵庫県)

兵庫県南あわじ市に伝承される。雨乞い祈願の「願解き」の踊りであり、現在は毎年9月15日に近い日曜日、阿万上町に鎮座する亀岡八幡神社の秋季大祭に おいて神社拝殿で踊られている。大踊と小踊の2種類の踊りで構成されており 、 歌の歌詞や踊りぶり、音楽などの点から、大踊と小踊は発生の時期が異なると考えられる。このような異なる2種類の踊りが伝承され、芸能の変遷過程を示し、地域的特色がある。
文化庁プレスリリースより引用

26.十津川の大踊(奈良県)

奈良県吉野郡十津川村に伝承される。 現在は同村の字小原、字武蔵、西川地区の3 地区において、地区ごとに毎年8月の盆踊り の中で学校の庭などで踊られる。地区の老若 男女が、浴衣などを着て、美しい房を付けた バチで太鼓を打ち、また切子灯籠を下げた笹竹を持ったりして盛大に踊る。大がかりな 風流踊の一部が残ったもので、風流踊りの典型例の一つとして、芸能史上注目すべき点が多い。
文化庁プレスリリースより引用

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27.津和野弥栄神社の鷺舞(島根県)

島根県鹿足郡津和野町に伝承される。 鷺舞は弥栄神社の祭礼として神輿の巡 行に供奉する。7月20日(古くは旧暦6月7日) には本社から御旅所へ、27日(旧6月24日)には御旅所から本社へ供奉し、その途中11か所の定まった場所で舞う。古風な京都祇園会の風流の芸態を今によく留めているものであり、芸能の変遷過程を示す。
文化庁プレスリリースより引用

津和野弥栄神社の鷺舞の開催情報はコチラ

28.白石踊(岡山県)

笠岡市白石島に伝承される盆踊の一種で、源平両軍の戦死者の霊を慰めるために始 められたものといわれ、8月13日から16日の夜に踊られる。浜辺に仕組んだ櫓をめぐ って、島内の老若男女が大太鼓と音頭に合わ せて踊る。同じ踊りの輪のなかに男踊、女踊、 娘踊、笠踊、二つ拍子などの組があり、一つの太鼓、一つの音頭で各自各様の踊りを踊る演技・演出法は他に類例も少なく、芸能史的に貴重なものである。
文化庁プレスリリースより引用

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29.大宮踊(岡山県)

岡山県真庭市の蒜山高原山麓の村々に伝承され、8月の盆の期間、日を替えて各所の神社・寺・辻堂などそれぞれの地の老若男女によって踊られる盆踊である。屋外・屋内のいずれの踊り場でも上方に長四角形の大 灯籠を吊るし、その下に踊り子が輪を作り、 音頭取り数名と太鼓叩きが位置する。踊りは 全身の動きに細やかに心を配りながらの大変美しい型となっている。盆踊の変遷の過程や地域的特色を示す。
文化庁プレスリリースより引用

30.西祖谷の神代踊(徳島県)

徳島県三好市西祖谷山村に伝承され、 天満神社の祭のおり(旧6月25日)に行われる。まず、山伏の法螺貝を合図に、棒振、 獅子、薙刀、踊子などが円陣を作って踊り、各役ごとに休みながらも踊り継いで、最後にもまた法螺貝の合図で踊りながら退出する。 このときの太鼓は、特に踊り太鼓とも呼ばれ、 その打ち方には12種(十二シバヤとも)があり、扇の使い方すなわち踊振りも12種がある。もと太鼓踊、笠踊などとも呼ばれ、雨乞祈願の芸能であったといわれる大がかりな風流の一種である。
文化庁プレスリリースより引用

31.綾子踊(香川県)

仲多度郡まんのう町佐文に伝承される 風流の一種で、雨乞いの祈願を本旨とした小歌踊である。元来、夏の旱ばつ時に行われる ため不定期であったが、現在は隔年で8月下旬から9月上旬に加茂神社境内で行われる。 踊りの次第は、棒振と薙刀振が踊場を清め、 次に芸司の口上のあと男子女装の小踊・大踊と、側踊が歌に合わせて踊る。曲目には、「水の踊」「四国船」 「綾子踊」「忍びの踊」など12曲があり、それぞれの小歌に合せて踊りを展開する。その芸態に初期歌舞伎踊の面影を遺している。
文化庁プレスリリースより引用

32.滝宮の念仏踊(香川県)

香川県綾歌郡綾川町に伝承される。念仏踊の一種であり、滝宮神社、滝宮天満宮の 社前で踊られるのを恒例とするが、旱魃の年 には、雨乞いを祈願して臨時に踊られること もある。伝承では、菅原道真が当地の国司で あった時、雨乞いの願が成就して大雨が降り、 喜んだ住民の歓喜踊躍したのがこの踊のはじ まりともいい、また道真の亡魂を慰めるため 念仏を唱えるようになったともいう。芸態は、世話役、下知役、子踊、外鉦、笛、太鼓、鼓、法螺貝、願成就役などの各役が列 を正して道中芸を示し、神社に練り込んだ後、下知役の合図で大団扇を振りかざし、願 成就役の発声で「ナムアミドーヤ」と唱えながら囃子に合わせて踊る。
文化庁プレスリリースより引用

33.感応楽(福岡県)

福岡県豊前市に伝承される。豊前市大字四郎丸に鎮座する大富神社の神幸祭(春季大 祭)において、隔年で奉納される楽打である。 豊作祈願、雨乞い等を目的とする。 太鼓を打つ中楽、団扇使い、大団扇使い、楽の 由来を読む読み立て、水取り、少年の側楽、囃子として笛、鉦から構成される。豊前地域に多く伝わる楽打の一つで、青壮年による伝承 を残し、所作や音楽面でも複雑な内容を有する。独自の継承形態を保持する点でも特徴が あるなど、豊前地域の代表的な楽打といえ、芸能の変遷の過程や地域的特色を示す。
文化庁プレスリリースより引用

34.大村の沖田踊・黒丸踊(長崎県)

長崎県大村市の旧郡村の沖田、黒丸の各地区に 沖田踊 黒丸踊 それぞれ伝わる風流踊であ る。同時に始まった吉例の踊りとの伝承がある。現在は、大村市が毎年行う「おおむら 秋まつり」などの催しに各踊りが輪番で出演するなどしている。祝事の芸能として神社 祭礼等とは結びつかず、また地区それぞれに伝承される踊りが一連のものとして位置づけられ、演じられてきた芸能である。近世の文献に記された踊り手の構成などを今に残し、地域的特色や芸能の変遷の過程を示す。
文化庁プレスリリースより引用

35.平戸のジャンガラ(長崎県)

長崎県平戸市に伝承される念仏踊で、毎年8月14日から18日にかけて、先祖供養・ 五穀豊穣祈願の芸能として市内9地区で奉納さ れている。地区ごとに若干の違いがあるが、集 団の中心で踊る中踊、それを取り巻く太鼓、お よび笛と鉦の囃子が基本で、ほかに幟持ちや総 代がつく。浴衣に草履履きで、踊り子は紙花を 飾った菅笠を被り、太鼓を打ちながら踊る。近世以来の芸態をよく伝えるものとして芸能史上とくに貴重である。
文化庁プレスリリースより引用

平戸のジャンガラの開催情報はコチラ

36.吉弘楽(大分県)

大分県国東市武蔵町に伝承される。踊り手自身が太鼓を打ち鳴らしながら踊る 太鼓踊の1つで、毎年7月第4日曜日に、虫送りの祈願として吉広地区 の楽庭八幡社で行われている。吉弘楽は大分県や福岡県さらに山口県など で伝承される楽あるいは楽打ちと呼ばれる太鼓踊の中で、念仏踊との関連を うかがわせることや複雑巧妙に仕組まれた構成など、地域的特色をもち、また芸能の変遷の過程を示す。
文化庁プレスリリースより引用

吉弘楽の開催情報はコチラ

37.五ケ瀬の荒踊(宮崎県)

宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町に伝承される。60余名の武者姿の者を中心とした役の者が隊列を組み踊り場に練り込み、中央に据 えられた太鼓を取り囲んで10余曲を踊るもので、毎年9月下旬に三ヶ所神社、中登神社と坂本城址(荒踊の館)で奉納される。規模や構成が大がかりであり、地域的特色の顕 著な風流の踊りである。
文化庁プレスリリースより引用

五ケ瀬の荒踊の開催情報はコチラ

ユネスコ無形文化遺産に登録申請をした理由とは?

風流踊を登録申請した理由は、文化的な価値はもちろんのこと、風流踊が担う社会的な機能が評価されたこともポイントとなったようです。
盆踊りをはじめとする風流踊は、祭礼や年中行事の中で幅広い世代が参加し、親しまれています。まさに地域の「核」であり、地域に暮らす人たちの「絆」としての役割も担っている風流踊。
特に災害が多い日本においては、復興における精神的基盤としての役割を果たすなど、社会的な価値も大きいと評価されました。

今後の流れは?

今回選定された37件の内、神奈川県のチャッキラコに関しては、既に単独でユネスコ無形文化遺産に登録済みのため、ユネスコに申請する際はチャッキラコの「拡張」という形で申請をするとのこと。
ですが、ユネスコ側で登録の審査が実施されるのは2年後となる見通しです。
これは登録件数の少ない国が優先的に審査されるため。無事に登録されることを祈りつつ今後の動きに注目していきたいですね。

(参考)今後の予定
~2020 年 3月中 無形文化遺産保護条約関係省庁連絡会議において審議
2020 年 3月末 ユネスコ事務局に提案書を提出
2021 年10月頃 評価機関による勧告
2021 年11月頃 政府間委員会において審議・決定

※我が国のユネスコ無形文化遺産の審査は実質2年に1件となっており,本件提案 についても 2022 年 11 月頃に審議となる可能性が高い。
文化庁HPより引用

この記事を書いた人
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