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【御神燈】コロナ禍でも祭は来る!軒先に提灯を飾り付けしてみよう

更新日:2020/8/31 カワグチマサト
【御神燈】コロナ禍でも祭は来る!軒先に提灯を飾り付けしてみよう

厳しい残暑が続いていますが,読者諸兄・諸姉の皆さまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。例年であれば,秋祭りの準備も佳境に入りワクワク・ウキウキしている時期ですね。しかしながら,依然として新型コロナウイルス感染症の終息は見られず,いつもとは違う秋を迎えそうです。

お神輿や山車は中止でも,神事は執り行われる

新型コロナウイルス感染症の拡大にあたり,秋の例大祭の諸行事が縮小となったところも多いかと思います。昨今の社会情勢を踏まえ,各町内会では御神酒所の設営,お神輿の渡御や山車の運行が取りやめとなったり,神社の境内では露店も演芸大会も開かれないなど,一見するとお祭りそのものが中止になったと感じているかもしれません。しかし,神職と神社役員のみで神事は施行されるようです。

お祭り提灯を飾ってみませんか

神事に参加することは難しいかもしれませんが,何らかの形でお祭りを楽しむことはできないでしょうか。三密を避けて,個人でも出来ることを考えてみました。そこで,筆者からの提案です。こんなご時世だからこそ,少しでもお祭りを活気づけるため,軒先にお祭り提灯を飾り付けしてみませんか。提灯はお祭りの雰囲気を盛り上げる演出の一つですが,神様にお供えする灯火でもあります。古くは,火を目印に神霊を招いたと言われ,灯火が暗闇を照らすことから悪霊を払うと考えられていました。

何処で買うか

大手通販サイトの利用が一番お手軽です。しかし,地域のお店を応援したいなら,お祭りの役員さんに「この辺に祭礼用品を扱っているお店はありますか?」と聞いてみたり,市区町村や観光協会に伝統工芸(職人さん)を紹介するコーナーがあれば参考にするのもいいでしょう。

提灯の素材と選び方

提灯の紙などの覆いをした部分を火袋と言います。火袋の素材は大きく,和紙,洋紙,ビニールの3つに分かれます。見た目の風合いは和紙が一番ですが,非常に高価なものとなります。始めて購入される方は,洋紙かビニール製の提灯がよろしいかと思います。

耐水性について

耐水を考えるとビニール製の提灯に軍配が上がります。紙は水に弱いので,雨が掛かりそうな場所に飾る場合はビニール製の提灯を検討するといいでしょう。ただし,ビニール製の提灯はいちど穴が空くと,そこから破損した部分が拡大していくのが難点です。

「油引き」について

紙製の提灯も油引き加工をすることで防水効果を持たすこともできます。また,時間経過とともに火袋が琥珀色に焼けて独特の高級感が出てきます。デメリットとしては,「亜麻仁油」や「えごま油」などの乾性油を使用するため紙が酸化しやすく耐久性が低下することがあげられます(紙が焼けるということは酸化していること=油引きは諸刃の剣)。

※ 防水効果といっても完全防水ではありません。多少の雨水なら凌げる程度と思ってください。
※ 通常,油引きは和紙製の提灯に施されますが,洋紙製の提灯にも油引きを施してくれる提灯屋さんもあります。

飾るタイミング・仕舞うタイミング

一般的には祭礼日に合わせて飾り付けを行います。飾り付けの準備は,お祭りの一週間前までに済ませておくとよいでしょう。とはいうものの,秋は台風の季節でもありますので,天候には留意してください。
お祭りが終わったら提灯も下ろします。湿気のある場合はカビの原因となりますので,よく乾かしてから仕舞いましょう。また,油引きした提灯は虫が付きやすので防虫対策も必要です。

※ 明かりにつきましては,ロウソクや電球は火災の原因ともなりますので,ご使用になる場合は提灯用のLED電球をお勧めします。夜間,明かりが灯っていたほうが趣はありますが,無理に点けなくてもいいかと思います。

紙垂を自作してみよう

提灯と共に準備したいものが「注連縄(しめなわ)」と「紙垂(しで)」。注連縄はホームセンターの園芸コーナで売られているワラやイグサを摸したポリプロピレン製のロープで代用できます。紙垂とは,寺社でよく見かけるギザギザした白い紙のこと。落雷があると稲が育つことから稲妻をイメージしていると言われています。注連縄に紙垂を垂らすことで,そこが神聖な場所を表す結界の役割を果たしますので,提灯と一緒に飾り付けしたいですね。紙垂はお家にあるもので作成できます。皆さまもチャレンジしてください。

準備するもの

天ぷら敷紙(本来は半紙を使用しますが薄くて扱いにくいので…)
鉛筆・サインペン
ボール紙
カッターナイフ
金属製の定規
コンパス(キリや千枚通しでも可)
カッターマット

手順

1. 上の図を参考にボール紙で型紙を作成します。

2. 天ぷら敷紙を半分に折り,型紙の赤丸の部分にコンパスの針で印を付けます。天ぷら敷紙のサイズが小さい場合は,型紙の中央もしくは折り目側に合わせると良いでしょう。

3. カッターナイフで印に合わせて切れ目を入ます。

4. 「3」で入れた切れ目に沿って折っていきます。折り目を手前,型紙の①の部分を左手にします。

5. 型紙の②〜④の部分を手前に折ります。このとき,少し斜めに折るのがポイントです。

6. 同様に型紙の③〜④の部分を手前に折ります。

7. 最後の型紙の④の部分を手前に折ります。この部分だけ真っ直ぐ折ります。

8. 上部を三角形に折り曲げたら出来上がりです。

アルミサッシでも工夫すれば飾り付けは可能

木製の玄関引戸や軒でないと,提灯を飾ることは難しように思えるかもしれません。でも,ご心配無用です。アルミサッシの玄関でも工夫次第で飾ることは出来ます。例えば,窓ガラスに「吸盤付きフック」を貼り付け,そこに「提灯を吊るすための木材」を固定したメッシュパネルを引っ掛けることで,建屋に釘を打つことなく提灯を飾り付けができます。

格好良く飾り付け出来たらSNSに公開しよう

格好良く飾り付けできたら,Twitterやインスタグラムで共有してください。苦労したこと,工夫したことなどありましたらひと言付け加えていただけると嬉しいです。Tweetするときは「#好きな祭りの話をしよう」もつけてくださいね。

最後までご覧頂きありがとうございました。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
1969年,東京生まれ。ライター。写真家。美術家。masART STUDIO主宰。東京の郊外を拠点に活動。Webメディアで執筆の傍ら,人工構造物をモチーフとしたフォトモンタージュ作品を制作する。目標は,ダイエットと,ITリテラシーを高めること。

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