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静岡浅間神社廿日会祭では稚児舞楽を見よう!山車、古式稚児行列の練り歩きも

更新日:2023/4/7 高橋 佑馬
静岡浅間神社廿日会祭では稚児舞楽を見よう!山車、古式稚児行列の練り歩きも

静岡に春を告げる祭り

静岡県の県庁所在地、静岡市。今年の大河ドラマ「どうする家康」では、主人公の徳川家康が今川家での人質時代を過ごした地として描かれています。その後の家康は江戸幕府を開き将軍職を息子の秀忠へ譲った後は、再び大御所として駿府と当時呼ばれていた静岡で生活していました。

廿日会祭2014年に伝統的工法で復元された駿府城の坤櫓。現在城内は駿府城公園として整備されている。

この静岡市で毎年4月5日を中心に開催されているお祭りがあります。「廿日会祭(はつかえさい)」です!

廿日会祭

桜の咲く時期に開催されることから、静岡に春を告げるお祭りとも言われる廿日会祭。ここからは催し物がたくさん実施された、4月5日のお祭りの様子をご紹介していきます!

古式稚児行列が進む

廿日会祭は今川氏が静岡を治めていたよりも前から450年以上もの歴史があると言われるお祭りで、駿河国総社の静岡浅間神社の祭礼として開催されています。毎年4月1日から6日まで行われ、特に5日は最も重要な神事の”例大祭”や国の重要無形民俗文化財である”稚児舞楽(ちごぶがく)”が実施される等、一番の盛り上がりをみせる日です。

廿日会祭静岡浅間神社境内の様子。右の舞殿で稚児舞楽が行われる。

5日のお祭りのはじまりは古式稚児行列の練り歩きから。今年の出発地となっている小梳神社(おぐしじんじゃ)へとやってきました!

廿日会祭

11時の行列の出発を前に、社殿内では神事が執り行われています。左に並ぶ赤い衣装を着た4人の子どもが、午後に稚児舞楽を奉納する皆様です!

廿日会祭

今年は小梳神社から出発する古式稚児行列ですが、近くにある別雷神社と毎年交互に出発地が変わりますのでご注意を。また小梳神社は家康所縁の神社でもあり、駿府城の守り神として徳川家の崇敬の篤い神社としても知られています。

11時が近づき、各町から行列に参加する皆様が続々と小梳神社目掛け進んできました!

廿日会祭

お囃子を奏でながら向かってくる山車も。

廿日会祭

静岡駅前方面からも山車が登場します!

廿日会祭

2つの山車が連なってやってくる場面も!後方に見える緑の生い茂る場所は、最後の将軍となった徳川慶喜が大政奉還後に晩年を過ごした屋敷跡になります。また廿日会祭では、5つの山車が出るんですよ。

廿日会祭

小梳神社の鳥居前には、赤く塗られた輿が設置されました。そして神事を終えた稚児4人が乗り込んでいきます。

廿日会祭

11時になりました。行列の出発です!

廿日会祭

山車の前方では纏を回して盛り上げる人達も!

廿日会祭

路地を横切る山車の姿はかっこいいですよね。

廿日会祭

商店街もお囃子を響かせながら抜けていきます。

廿日会祭

廿日会祭

行列の前方では、4人の稚児を乗せた輿が一足先に静岡浅間神社へと進行中です!

廿日会祭

本通りの呉服町一丁目交差点へと山車が差し掛かりました。後方に見えるのは、1931年に建てられた静岡銀行本店の石造風の建物。重厚な建物を背景に山車が巡行していきます。

廿日会祭

たくさんの方が協力して山車を引っ張ります!

廿日会祭

この山車行列はお踟(おねり)とも呼ばれ、各町が工夫を凝らしこちらのような仮装をして参加するのも風物詩になっているとのことです。

廿日会祭

廿日会祭

山車の上からは、おかめもお祭りを盛り上げます!

廿日会祭

続いては、静岡浅間神社へと通じる浅間通り商店街にも山車が進んできました。

廿日会祭

纏も一層回り、沿道の見物客を湧かせます!

廿日会祭

進んできた行列一行は、静岡浅間神社の石鳥居前へと到着。輿、山車がこちらで整列し、これにて行列は終了となります。

廿日会祭

廿日会祭

山車曳き揃えで魅せる

勢揃いした5つの山車。ずらっと並び、後方の静岡浅間神社の木々とも相まって美しいですね!ここからは各町が木遣、お囃子、地踊りといった余興を披露していきます。

廿日会祭

木遣が歌い上げられ、纏回しが登場。見事な技を披露します。

廿日会祭

山車の上では、パフォーマンスをさらに盛り上げる姿も。

廿日会祭

花咲かじいさんまで登場しました!

廿日会祭

続いては地踊りの披露。統一された衣装で美しく踊っています。伊勢音頭や帆柱起し音頭等が披露されていきました。

廿日会祭

再び纏回しが登場です。今度は4人で一斉に回していきます!

廿日会祭

山車の最上部には、神武天皇や木花咲耶姫などの人形も出ており注目ポイントです。

廿日会祭

ひょっとこも踊りで花を添えます!

廿日会祭

稚児舞楽の奉納

14時からはお祭りの舞台が静岡浅間神社の境内へと移ります。廿日会祭の中でも最重要な行事、例大祭が社殿で執り行われていきます。

廿日会祭

お祓いや祝詞奏上等の神事が厳かな雰囲気の中、進められていきました。

廿日会祭

例大祭が終了し、15時からは国の重要無形民俗文化財の稚児舞楽の奉納です。舞殿では演奏の皆様がスタンバイ。舞殿の周りには見物客もたくさん押し寄せていました。

廿日会祭

舞殿の4本の柱には、こちらのように四神が描かれた旗が掲げられているのもチェックポイント。

廿日会祭

さあ、稚児が登場しました!稚児舞楽では、5つの演目が行われますが、まず最初は「振鉾」です。古代中国の王朝、周の武王のエピソードが舞われていきます。

廿日会祭

頭の上の冠は、桜や山吹の花で彩られており美しいですね。

廿日会祭

2人が並ぶシーンも。

廿日会祭

ちなみに稚児舞楽を舞う子どもたちですが、江戸時代以降には幕臣の子息から選ばれるのが常だったそうです。現在では氏子の中から選出されるようになり、今年は9~12歳の子どもが務めています。

お次は「納曽利」という演目。今度は1人で舞います。

廿日会祭

廿日会祭

カラフルに彩られた衣装にも目を惹かれますね!

廿日会祭

廿日会祭

見物客の視線が集まる舞殿。見事な舞を見せていきます。

廿日会祭

3つ目の演目は「安摩・二の舞」。こちらは2人の稚児と黒面のジジババが舞手になります。名前の通り”二の舞を踏む”と言う言葉の語源になった舞なのですが、まずは稚児の2人が笏を持って現れました!

廿日会祭

廿日会祭

野球の一本足打法のようなポーズも。

廿日会祭

そしてジジババも登場!

廿日会祭

舞殿の上をくるくると回りながらパフォーマンスしていきます。

廿日会祭

4つ目の演目は「還城楽」。こちらは1人での舞になり、輪で作られた蛇が登場するのも注目ポイント。

廿日会祭

飛び跳ねる場面もあるんです!

廿日会祭

そしてこちらが蛇です!手で持っている輪がそれで、見事捕まえたシーンがこちら。

廿日会祭

最後は「太平楽」です。太平楽は天皇陛下の御即位の際に舞われる舞でもあり、慶事の際にふさわしいおめでたい舞として知られています。衣装も朱色でおめでたい装いですね!

廿日会祭

廿日会祭

腰から刀を抜き、さらに舞っていきます。

廿日会祭

舞の終盤では刀を納めるところも。絵になりますね。

廿日会祭

静岡浅間神社へのアクセス

・静岡駅北口より徒歩30分

・新静岡駅御幸町・追手町口より徒歩20分

・駿府城公園(天守台跡)より徒歩13分

・青葉おでん街より徒歩22分

青葉おでん街名物、静岡おでんが食べられるお店が連なる「青葉おでん街」。

黒い出汁に、黒はんぺんやなると等の練り物、青のりやだし粉をかけて食べるのが特徴的。

毎年4月5日に開催される廿日会祭の稚児舞楽。ぜひ見に来てみてください!

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
1991年生まれ。仙台出身、埼玉育ちの祭り好きです!東北、関東のお祭りがメインですが、全世界おもしろいお祭りがあったら駆けつけます!お祭りのレポートは現地の臨場感を大切に写真・動画を活用し紹介。各地のグルメ情報もお伝えします!

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