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東京・日野の地域で再興した小さな伝統行事「平山どんど焼き」をレポート

更新日:2021/4/28 ちゃそっこ
東京・日野の地域で再興した小さな伝統行事「平山どんど焼き」をレポート

「どんど焼き」は、小正月に行われる年中行事のひとつ。疫病等の厄災の侵入防止や子孫繁栄等を祈願するために村の守り神として祀られている民間信仰の石碑・石像等であるサイノカミを祀り、旧年の災いを払い、これから一年の平穏と農作物の豊作を願って正月飾りなどを燃やします。

筆者は三角万願寺川辺堀之内日野宮神社、野球グラウンド広場と、2021年1月に東京都日野市で開催されたどんど焼きを見て参りましたが、いよいよこちらで最後の紹介となります。この記事で取り上げるのは1月16日(土)に平山八幡神社(川北地区センター)で開催されたどんど焼きです。

平山どんきについて

JR中央本線の豊田駅から歩くこと20分程度で、会場の川北地区センターに到着しました。チラシに記載されている内容を読むと、滝合小地区のどんど焼きは規模を縮小しての開催となっていることが分かります。元々、近隣にある滝合小学校の校庭で行っていましたが、校庭の芝生化でどんど焼きの開催が出来なくなる等の理由から、こちらにお引っ越ししての開催となったそうです。

川北地区センターに隣接する平山八幡神社の社殿です。日野市観光協会によると、平山八幡神社は「かつて同社は若宮八幡または正八幡と呼ばれ、文治年間(1185~1190)平山を領した平山季重が、鎌倉の鶴岡八幡宮を勧請して郷中の鎮守としたとの言い伝えがあります。また、天正18年(1590)、徳川家康が関東へ入国し、領国を巡視した時、この八幡神社の由来を聞き、『軍配団扇』を寄進したとも伝えられています。現在この『軍配団扇』はこれを納めていたと思われる『袱紗(ふくさ)』、それに『至道無難墨蹟(ぼくせき)』と共に同社の社宝となっています」とあります。上記した「八幡神社社宝(一括3点)」は日野市の指定有形文化財とされ、毎年9月の例祭の時に公開されているとのことです。

こちらが実際のどんど焼き会場の写真となります。写真の左に見えるのは前述した平山八幡神社の建物です。新型コロナ禍の開催でしたので、密にならず参加者の皆さん自然と間隔を取っております。どんど焼き特有のやぐらはつくられず、一般的な神社等で行われるお焚き上げの拡大版といった感じでした。

正月飾り等、焚きあげるものの物量が増えれば、やぐらを組んで開催することもあるのでしょうか。この会場付近は新しい戸建て住宅が建てられつつあるエリアでしたので、住民が増え、どんど焼きもより一層盛り上がっていくことを期待しています。

地域の底力を発展させていこう!

川北地区センターのどんど焼きは、東京都の「地域の底力発展事業助成」を活用して実施されておりました。この助成金は、地域活動の担い手である町会・自治会が行う地域の課題を解決するための取組を推進し、地域力の向上を図る事業に対して、東京都生活文化局が窓口となり助成を行っているものです。

こちらは会場にあった、かつての滝合小学校でのどんど焼きの写真です。赤いダルマや緑の松飾りがモリモリと黒く黒く燃え上がっております。現在の環境では、ここまで大きいやぐらは組めませんが、その代わり焼き芋や防災イベントなどの様々な要素を盛り込むことで参加者が楽しめるよう工夫されておりました。地域の伝統を大切にしつつ、時代や環境にあわせて取り組んで行く姿勢を学ぶことができます。

こちらがどんど焼きで焚きあげる松飾り等になります。かつての滝合小学校でのどんど焼きのように多くのお正月飾りが集まっている様子はありませんが、これらがこれから焚きあげられていきます。実際の焚きあげの様子は以下の動画をご覧頂ければと思いますが、燃えやすい枝に着火させ、その上にしめ縄等の正月飾りを徐々に載せることで大きな炎となります。

き芋から防災イベントまで

正月飾り等を焚きあげる様子は先程ご覧頂きましたが、焼き芋から防災イベントまでその他の工夫について、写真を中心に見て行ければと思います。上の写真では、消防広報や警察広報のチラシ配布されており、防災・防犯などの参加者意識の向上が図られています。この受付周辺で焼き芋の無料配布券も配られていました。

ライターも早速焼き芋を貰うため整理券をゲットしました。お芋のイラストとかわいらしいフォントで工夫されており、細かい部分まで気が遣われていることが分かります。

こちらが焼き芋のお渡し場所となります。感染症対策も施され、焼き芋が終わってしまった場合に備えて、みかんも準備されておりました。

焼き芋をゲットしました。アルミホイルに包まれ、梱包もしっかりしており、お芋も食べごたえのある大きさでした。小さい子には少し大きかったかもしれませんが、パッケージがしっかりしているので残っても包んで暫く保存しておけます。

掲示板にはどんど焼きの開催案内チラシや、どんど焼きの詳細な解説について記されたチラシが掲示されており、その右にはハウス食品の防災講座の案内もありました。ライターは講座には出席できませんでしたが、「ローリングストック法」というものが紹介されています。日常的に食べている食品を備蓄し、定期的に消費し、食べた分を買い足すという備蓄方法だそうで、詳細は農林水産省のページが参考になります。

■ ローリングストックについて知りたい方へ 農林水産省https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/network/rolling.html

 

参加しての所感

三角万願寺川辺堀之内日野宮神社、野球グラウンド広場、川北地区センターのどんど焼きと、今年日野市で開催されたすべてのどんど焼きを見て参りましたが如何だったでしょうか。今年は新型コロナの影響で、日野市では11か所のどんど焼きが中止となりましたが、今年実施された5か所の例をご覧頂き、皆様も是非来年は日野市まで遊びに行って頂ければ幸いです。

この記事で紹介した川北地区センターのどんど焼きは、滝合小学校で開催出来なくなってからも、どんど焼きから防災まで様々なことを楽しんで体験することが出来る工夫がされており、主催地域の努力が見られます。最近では場所の問題だけでなく、どんど焼きで炊き上げる正月飾り等の持ち込みも、昔と比べれば少なくなっている場所も多いでしょうから、開催案内チラシに記載されている言葉の「新しい年の無病息災を願い、この火を囲んで住民が新年のあいさつを交わす、そんな機会」のように、伝統行事も盛り上げと今後も無理なく楽しんで行けるような見直しが必要なところもあるのではないかと思います。

どんど焼きの予定は日野市観光協会のHPでお知らせされますし、今年は新撰組をテーマとした映画『燃えよ剣』もあるので、来年のお正月の新撰組のふるさと日野市は盛り上がっていることが期待されます。

■ 日野市観光協会
http://shinsenhino.com/

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
東京を中心にお祭り巡りをしている、ちゃそっこです。町内のお祭りから建国記念パレードまで楽しそうなお祭りであれば、大体何処にでも出現します。悩みは夏祭りの予定かぶり。※2021年5月ライター契約終了。2021年6月~フリーライター

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