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「五所川原立佞武多」見上げる迫力|観光経済新聞

2022/2/14
2022/4/22
「五所川原立佞武多」見上げる迫力|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2022年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

見上げる迫力

青森県では津軽地方を中心に、夏になると「ねぶた」「ねぷた」と呼ばれる、山車祭りが各地で行われる。その中で、近年勢いづいているのは五所川原市の立佞武多(たちねぷた)である。

立佞武多を理解するのに、分かりやすいのは青森と弘前との比較である。青森「ねぶた」は漁師町らしい豪快な祭りで、横に広い立体的なねぶたを引き、跳人が暴れる。弘前「ねぷた」は、扇型の美しい張りぼてを引き回す、城下町の荘厳な祭りである。

対して、五所川原立佞武多は、縦に大きくなった。その高さは23メートル、7階分である。高い建物が少ないので、立佞武多は街で最も高い建造物の一つとなる。それが毎年3体、街中を練り歩くのだ。

五所川原の巨大ねぷたが登場したのは明治40年ごろ。地元の豪商らが権威を示すために作り始めた。大正時代、電線が広がり始めるとねぷたは小型化し、さらに戦後の火災により設計図がなくなると巨大ねぷたは消滅。1993年、当時の設計図と写真が発見され、高さ7メートルのねぷたが復活し、再び巨大化が進むようになった。

五所川原で絶対外せないのは、資料館「立佞武多の館」。ねぷたが常設展示され、スロープを登っていくと、ねぷたの顔まで大迫力の至近距離で見ることができる。地上で見たのでは分からないが、指先、表情まで魂のこもった芸術である。

さらに立佞武多の魅力として推したいのは、そのお囃子(はやし)のノリの良さ。豪快な青森、ゆったりとした弘前のお囃子に比べ、立佞武多のお囃子はアップテンポである。掛け声「ヤッテマーレ」は「やってしまえ!」の意味で、手振り鉦(がね)を鳴らす姿も、肩を斜めに入れてリズムを取るのが何とも軽快。見る人の気持ちを巻き込んでいくかのようだ。五所川原は、津軽三味線発祥の始祖と呼ばれる仁太坊の出身地。津軽音楽の中心地らしく、お囃子は欠かせない要素である。

五所川原立佞武多の開催は、毎年8月4~8日。青森、弘前とも重なるので、3都市比べて体験するのもお勧めである。

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