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奇祭列島ニッポン! 12月の旅する奇祭7選【2019年版】

奇祭列島ニッポン! 12月の旅する奇祭7選【2019年版】

今年も早くも一年の締めくくりの12月。祭に関して言えば「うちの地元の祭りももう終わったな~」という地域がほとんどでしょう。しかし、12月に一年を締めくくる祭りや神事を行う地域もあるのです。今回も日本全国から冬の寒空を多彩に彩る奇祭を集めました。バトルあり、罵倒あり、文化遺産ありの選りすぐりの7選です。

①古河提灯竿もみまつり【茨城】

20メートル近い竹竿の先につけた提灯を激しく揉み合いながら、相手の提灯の火を消し合うバトルをくり広げる「関東の奇祭」。時折、竿が折れる音が響き渡り、提灯同士が ぶつかって火の粉が飛び散る中で激しく揉みあう様子が圧巻です。当時参加した若者達は、「今夜べぇだ、今夜べぇだ([羽目をはずしていいのも]今夜だけだ、今夜だけだ)」という掛け声を叫んだものだったとか。古河名物である鮒甘露煮もご賞味あれ。

■日時:2019年12月7日(土)(毎年12月第一土曜)
■場所:古河(こが)駅西口おまつり会場
■交通:JR新宿駅より約1時間→宇都宮線古河駅西口より徒歩20分
https://www.kogakanko.jp/chochin

 

②鉄砲まつり【埼玉】

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埼玉県・秩父地方において1年の締めくくりとなる「小鹿野の奇祭」。12月8日は歌舞伎奉納や屋台、笠鉾の曳きまわし、9日には歌舞伎奉納、笠鉾や屋台の曳きまわし、火縄銃の演舞、神楽奉納などが行われるという豪華なラインナップ。特に9日に行われるメインの「お立ちの神事銃火奉納)」では、参道の両脇から銃声がパンパンパンと打ち鳴らされる中、神馬が社殿への石段を一気に駆け上ります。祭の最後は花火でフィナーレ。

日時:2019年12月7日(土)、8日(日)
場所:八幡神社(小鹿野町飯田2756)
交通:西武秩父線西武秩父駅から西武観光バス「栗尾」行き乗車、「栗尾」下車徒歩約10分
https://www.saitamatsuri.jp/matsuri/teppou_matsuri/

 

③あらい祭り(大根祭り)【千葉】

祭りの当日は、村中「鍋かけず」と言って各家のカマドには火を焚かず、当番の家に集まり「神の食」を食べ、祭事を祝います。祭壇には、男女のシンボルを模した「神物」が飾られます。無病息災を祈り獅子舞が行われ、獅子がその「神物」を新妻の食前に出し子孫繁栄を願います。

一方その頃、神社では、子どもたちが、宮司らが神社の正面から入るのを阻止するため、小屋に火を放ち、大根を宮司らに投げつけます。男の子たちはこの日のために1ヶ月前から「カヤ」を集め、竹でやぐらを組み、小屋を準備していたのです。

■日時:毎年12月14日
■会場:大宮神社(千葉県山武郡芝山町山田1441)
■交通:芝山鉄道線「芝山千代田駅」からバスで10分
http://www.town.shibayama.lg.jp/0000001859.html

 

 

④悪態まつり【茨城】

悪態まつり

白装束で天狗の格好をした13人の天狗が、16ヶ所の祠へお供え物をして回り、愛宕神社の北側にある飯綱神社を目指す。この時に、参拝者同士で「ばかやろう!」「早く歩け!」など罵声を浴びせあい、さらにはお供え物を奪い合うという奇祭中の奇祭です。

お供え物を持ち帰ると、「無病息災」「家内安全」「五穀豊穣」のご利益があるとされていることから、参拝者は先を争ってお供え物を奪い合い、参拝者同士の悪態が境内にこだましまするという。その由来は疫病退散を願う悪「退」祭りからという説や、領主が民草の不満を悪態の中から知ろうとしたからなど諸説あり。

※神官が拝み終わる前に供え物を奪い取ろうとする等の行為は掟破り(ルール違反)であり、掟破りは天狗から青竹で阻止され、ケガをする場合がありますのでご注意を。

■日時:2019年12月15日(日)(毎年12月第三日曜)
■場所:愛宕神社(茨城県笠間市泉101)
■交通:岩間駅から徒歩30、40分
http://www.city.kasama.lg.jp/page/page000154.html


⑤長松寺のどんき【愛知】

火防の祈祷後、八つ手の団扇をもった赤天狗、撞木(どんき)を持った青天狗、撞木(どんき)を持った白狐が登場し、子どもたち(時々大人)を追い回します。捕まえると紅ガラを身体に塗りたくられるので、子どもたちにとっては恐怖のお祭り。紅ガラがまるで真っ赤な鮮血を浴びたようで、なかなかにホラー度が高いビジュアルです。また「どんき」祭りとは直接関係ありませんが、豊川市には日本三大稲荷のひとつとも言われる豊川稲荷(霊狐塚なども有名)もありますので、こちらと併せて行くのもおすすめです。

■日時:2019年12月15日(日)(12月第三日曜)
■場所:長松寺(愛知県豊川市)
■交通:JR東海道本線「愛知御津駅」下車徒歩15分
https://www.toyokawa-map.net/festival/donki.php

〇詳細レポートはコチラ
長松寺のどんき祭り! ホラー過ぎる奇祭に子どもたちの悲鳴がこだまするゥ!!!

⑥王子の狐行列【東京】

王子の狐行列

王子稲荷神社には、古来より全国から狐が集まり、装束を整えて参ったという伝承があり、歌川広重の浮世絵にも描かれているという。王子ではこの伝承に基づき、平成5年から大晦日の夜に狐に仮装して行列を成す風習をスタート。狐の行列は、狐顔メイクまたは狐面を身に着けた和装さえ整えれば一般参加することも可能(当該サイトのフォームに要申し込み)です。日本のカウントダウン・イベント、Fox Paradeとして外国人にも人気であり、当日は狐の各種お面が飛ぶように売れます!

■日時:12月31日~1月1日(毎年の大晦日)
■場所:王子稲荷神社、森下通り商店街ほか
■交通:JR王子駅から徒歩5分
http://kitsune.tokyo-oji.jp/

 

⑦甑島のトシドン【鹿児島】

甑島のトシドンCopyright(C) 薩摩川内市 観光・シティセールス課&株式会社 薩摩川内市観光物産協会 All rights reserved.

トシドンとは、毎年12月31日(大晦日)の夜に、天空や高い山や岩の上から首切り馬に乗ってやって来て家々を訪れる祝福(!)の神様。外から「おるか、おるか、○○はおるか!来て障子を開けー!」と言って家の中に侵入します。

秋田のナマハゲなどとともに、ユネスコの文化遺産に登録予定の来訪神、10神のうちの一体ですが、甑島のトシドンだけは先行して2009年に登録されています。ここでは主に甑島のトシドンを紹介しましたが、トシドンは種子島でも行われています。

■日時:毎年12月31日
■場所:甑島(鹿児島県薩摩川内市下甑町手打・片野浦・青瀬・瀬々野浦)
■交通:JR串木野駅からタクシーで10分、串木野新港下車。フェリーニューこしきで約2時間30分。長浜港下船、車で約25分
https://satsumasendai.gr.jp/spotlist/1928/

 

まだまだあるゾ、12月の奇祭

その他、下記の奇祭も要チェックです。

遠山の霜月祭り(12月・長野) 上村・南信濃の各神社で、「千と千尋の神隠し」の着想源となったとも言われる湯立神楽を奉納します。

おしろい祭り(毎年12月2日・福岡) 氏子の顔におしろいを塗り、「おしろい」のつき具合がいいほど、来年は豊作になると言われてる祭。

あえのこと・暮れ(毎年12月5日・石川) 「田の神様」を家に招き入れ、一年の収穫を感謝し、春を迎えるまで家の中で過ごしてもらうという神事です。春になると「田の神様」を田んぼへ送り出します。

ひょうたん祭り(毎年12月第一日曜・大分) 頭にひょうたん、赤い服、そしてサイズ130cm・重さ10kgもある大わらじをはいた「ひょうたん様」が、大瓢箪に入ったお神酒を振舞いながら練り歩きます。

木幡の幡祭り(毎年12月第一日曜・福島) 幡競争や餅つきをした後、100本以上ものカラフルな五反幡を押し立て法螺貝をふきながら山間の道をぬって木幡山をめざすというインスタ映えする奇祭。

池ノ上みそぎ祭り(毎年12月第二土曜・岐阜) ハダカ(下帯姿)の男たちが、寒風吹きすさぶ長良川に入りみそぎを行う裸祭り。先着100名までで参加も可能。

大飯祭り(毎年12月第二日曜・茨城) 氏子たちが当番の家に集まり、お椀に高く盛られた飯を食べ合います。途中から「イマハマ」という神様が登場し、「もっと食べろ」と勧めてきます。

お笑い神事(毎年12月23日・大阪) 〆縄を張りかえ、みんなで一年間にあった色々な出来事を笑い飛ばそうというお祭り。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
奇祭ハンター、美酒ナビゲーター。「毎月奇祭」を目標に奇祭旅を行い、お祭りやお酒の情報を挙げています。今までに50以上の奇祭を巡り、600種類以上の日本酒を飲酒。祭りがないときは大体、酒飲んでます。

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