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あの日から8年。「東北を、日本を、花火で、元気に。」LIGHT UP NIPPONの花火に込められた追悼と復興の想い。

あの日から8年。「東北を、日本を、花火で、元気に。」LIGHT UP NIPPONの花火に込められた追悼と復興の想い。

東日本大震災より8年。今年も3月11日がやってきます。今回は、2011年から月命日である毎年8月11日に震災で亡くなられた方の追悼と被災地の復興を祈り、東北を中心に各地のお祭りで花火を打ち上げてきたLIGHT UP NIPPON(ライトアップニッポン)について書かせて頂きます。

LIGHT UP NIPPONとは?

LIGHT UP NIPPONとは花火大会の名称ではなく、社団法人の団体名になります。2011年から「東北を、日本を、花火で、元気に。」をキーメッセージに被災地を中心とした地域で花火を打ち上げる活動をしてきました。

とは言っても、被災地に行って自分達が主催するお祭りで花火大会を行うのではなく、お祭りの運営は地元に住む人達に一任し、主に花火の資金面についてのサポートをしています。

各開催地での決定事項は8/11の19:30に坂本龍一氏演奏の「赤とんぼ」に合わせて「追悼」と「復興」の祈りを込めて花火を打ち上げる事です。(一部、8/11に開催できない特別地域もあります)

なぜ花火を打ち上げるのか?

東日本大震災後は全国各地でお祭りや花火大会の自粛が行われました。現在はオリンピック選手村の建設が理由で休止している東京湾大華火祭も例外なく中止に追い込まれました。

そんな時、LIGHT UP NIPPONの発起人である高田佳岳氏が「東京湾の花火が中止なら、その使われない花火を東北に持って行って打ち上げた方が被災者も喜ぶのではないだろうか?」と考えた事が切っ掛けになっています。

東京湾大華火祭

花火は危険物でもあるので条件などが揃わず、実際に東京湾で使われなかった花火を持って行って打ち上げる事はできませんでしたが、この時に考えた内容が切っ掛けになってプロジェクトが動き出しました。

たくさんのボランティアメンバーが集まり、あの混乱の中にも関わらず多くの問題を乗り越えて、たった5か月後には実際に東北で花火を打ち上げてしまいました。当然ながら「まだそんな時期ではない」と多くの反対があった事は言うまでもありません。

また、海外ではアメリカの独立記念日や中国の春節などでは祝う目的での花火が多いのですが、日本の花火大会は隅田川花火大会(東京)、長岡まつり(新潟)、土浦全国花火競技大会(茨城)など、慰霊の意味も含まれています。一般的に夏に花火大会が行われるのもお盆の送り火、迎え火が理由です。

被災者、特に子供達にお祭りや花火で楽しんで貰う目的と、花火が古来から持つ慰霊の意味により、LIGHT UP NIPPONの花火は打ち上げられています。

活動資金はどうしているのか?

一般企業からの協賛金、個人からの募金、グッズや支援商品の売上などが活動資金になります。例えば、岩手県のベアレン醸造所によるハナビールは売上1本につき60円が花火代として使われます。

他にも8/11以外でイベントを開催したり、有名花火大会でLIGHT UP NIPPONのブースを出店させて貰ったりと資金集めを通して様々な活動を行ってきました。

また、メッセージ花火と言って花火の外側(玉皮と呼ぶ)に被災地への応援メッセージなどをイベントの来場者に書いて貰い、実際に花火工場に持って行き、8/11に打ち上げる花火玉に使っていただいています。

横浜開港祭にて

※1発でも多くの花火を打ち上げる為に御支援をお願いしています!

・募金で支援
・グッズや支援商品の購入で支援
・応援店舗に行って支援

どれぐらいの規模で行っているのか?

最初は東北だけでの開催でしたが、広島土砂災害(2014年)、熊本地震 (2016年) 、北海道胆振東部地震(2018年)と東日本大震災を問わず、被災地を元気にする目的により開催地も次第に増えていきました。開催地が増えた事により、LIGHT UP NIPPONのメンバーも随時募集しているそうです。興味のある方は、お問い合わせまで御連絡をお願いします。

開催実績
2011年10箇所(岩手5、宮城2、福島3)
2012年13箇所(岩手7、宮城2、福島4)
2013年14箇所(岩手8、宮城4、福島2)
2014年14箇所(岩手7、宮城4、福島3)
2015年14箇所(北海道1、岩手6、宮城3、福島1、東京1、島根1、岡山1)
2016年14箇所(北海道1、岩手5、宮城3、福島2、岡山1、広島1、熊本1)
2017年21箇所(北海道1、青森1、岩手5、宮城1、福島4、東京1、神奈川1、京都1、岡山1、島根1、熊本1、長崎1、鹿児島1)
2018年26箇所(北海道2、青森1、岩手5、宮城3、福島4、新潟1、東京1、神奈川1、京都1、岡山1、島根1、熊本1、長崎3、鹿児島1)
※一部開催日が8/11ではない特別開催地があります。

自身の経験を通して(まとめ)

震災直後は乱立気味であったボランティア団体も年月が経つと共に次第に少なくなっていきましたが、そんな中でも現在9年目を迎えているのは凄い事だと思います。

津波で何もない場所で開催されていたお祭り会場も次第に整備され、現在では当時の姿はなくなりつつあります。実際に復興を頑張ったのは被災地に住む人々ですが、それでも福島に住むひとりとして、LIGHT UP NIPPONの活動を誇りに思い、有難く感じています。

また自身としても2014年からカメラマンとして協力した関係でLIGHT UP NIPPONとの花火写真展を開催させて頂いたり、花火大会の運営側に関わらせて貰ったりと様々な経験を得られました。おそらく今年も8/11の真夏日には、LIGHT UP NIPPONが関わるお祭り会場でカメラを携えている事だと思います。

Basament GINZAにて

LIGHT UP NIPPON公式ページ

LIGHT UP NIPPONの花火を打ち上げる活動理念
1:震災で亡くなった方々への鎮魂の祈りを込める
2:復興に向けての笑顔の連鎖を生み出す
3:花火大会開催による、地元経済の活性化
4:東北を明るく元気にすることで日本全国を明るく元気にする。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
花火専門カメラマン&花火専門ライターです。
日本の良質な花火文化を後世に残すために記録し、花火に携わる人達を応援しています!

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