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鬼は育児に欠かせない存在だった?!鬼が子供に与える影響とは

2020/6/5
2020/6/8
鬼は育児に欠かせない存在だった?!鬼が子供に与える影響とは

「鬼」というと、やはり怖いもののイメージですよね。そんなイメージを利用して、鬼は子どもへの教育に活用されてきた歴史があります。子どもが泣き止まないとき、中々寝てくれないとき、また嘘をついたり、約束を破ったりしたとき。そんな困ったときに「悪い子には鬼が来るよ!」とのセリフがお決まりです。この記事では、そんな「鬼」と育児の関係について解説します。

そもそも鬼とは?歴史や意味を深掘り

日本には数多くの妖怪や化け物の話がありますが、その中でも鬼は頻繁に登場する馴染み深い存在ですよね。そもそも鬼とは一体何者なのでしょうか。

「鬼(キ)」の中国古来の意味は「死者の魂」です。遺体の象形に、害の意味を持つ音符「ム」が加わったものと言われています。

音について調べてみると、「おん(隠)」つまり人の目に隠されていて見えない存在の変化というのが通説です。神を守護する巨大な精霊、大人(おおひと)の転とする説もあり、飛鳥時代に倭の国に入ってきた「鬼」という漢字が「おに」の音となったのは平安末期のことになります。

日本各地にはさまざまな鬼伝説があります。瀬戸内の桃太郎、秋田のなまはげや、京都の酒呑童子(しゅてんどうじ)などは有名ですよね。古くは「日本書紀」や「風土記」にも描かれ、その多くは悪行を繰り返し、人間に敵対する恐ろしい存在として登場します。

『鬼と日本人』の著者・小松和彦さんによると、権力に歯向かう反社会的・反道徳的な人間や、異国の人間などを投影した存在が鬼だそうです。「集団や国家はそれが存続しようとする限り、外部に具体的な鬼を、あるいは目に見えない想像上の鬼を必要としてけである」。そのため、鬼は人間にとって恐ろしい存在である必要があったといえます。

教育的機能が期待できる

鬼の仲間とされる秋田県男鹿半島伝承の「なまはげ」は、警告としての子供に対する教育的機能を持つと言われています。悪事を働いたら、恐ろしい存在によって厳しく罰せられるという教えです。ナマハゲの語源は「生身剥ぎ」で、囲炉裏にあたってできた「ナモミ(火斑)」を剥ぎ取って怠け者を戒めるのが本来の意味。男鹿の人々にとって「なまはげ」は、怠け心を戒め、自律心や他人への思いやりを身につけるために大切な存在なようです。

「なまはげ完全ガイド」記事はコチラ

 

鹿児島県薩摩川内市甑島(こしきしま)列島の「トシドン」、岩手県大船渡市の「吉浜のスネカ」、石川県能登地方の「アマメハギ」など、同様の行事は日本全国に見られます。

「鹿児島県甑島トシドン ユネスコ登録来訪神と島で年越し」記事はコチラ

 

【吉浜のスネカ】岩手の来訪神はなまはげとどう違う?【解説】記事はコチラ

 
幼児の内に無意識の深層に根源的な恐怖を印象付けることで、成長してから正しい社会秩序を大切にする人間になって欲しいという、大人たちの願望が込められているのかも知れませんね。

鬼が来るよ!子育て術で使うポイント

小さい子供が言うことをきかないとき、「お片付けしないと鬼がくるよ!」「早く寝ないと鬼さん呼んじゃうよ」など、鬼を使って言い聞かせた経験がある人もいるでしょう。「小さいうちは言葉で言っても伝わらないので怖い存在が有効」という賛成意見や、「トラウマになる恐れや、叱られた理由の本質的な理解につながらない」という反対意見など、賛否両論あるようです。

子育て術で鬼を使う際は、「心の安全基地」をきちんと作ってあげることが大切です。特に2〜3歳の子供の場合、守られている、愛されているという安心感を持つことが発達上重要だと言われています。怖い存在である鬼と、いざとなったら親が守ってくれるという安心感をバランスよく使うことがポイントです。

まとめ

今回は、「鬼」という言葉の意味、歴史、子育て術として使うポイントについて解説しました。鬼を使って子どもに言い聞かせるには、ポイントをおさえたやり方が大切です。鬼が持つ教育的機能を上手に活用して、子育てに役立ててみてはいかがでしょうか。

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