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疫鬼滅殺! 全国の鬼ヤバな鬼祭り7選 ぶっ叩き系からダークヒーローまで

2020/4/19
2020/6/9
疫鬼滅殺! 全国の鬼ヤバな鬼祭り7選 ぶっ叩き系からダークヒーローまで

どうも。奇祭ハンターのMacです。その昔、日本では伝染病は疫鬼や瘟鬼(おんき)の仕業とされ、しばしば同じ鬼の力を借りて対抗してきました。そこで今回は疫鬼滅殺と疫病退散を祈願して、全国の奇祭に登場する強力なパワーをもった鬼ヤバな鬼たち、鬼祭りを7つご紹介します。

鬼は寺社文化との関わりも深く、修正鬼会に追儺式に施餓鬼会と、神事というよりは仏教行事のオンパレードとなっております。まぁ、盆踊りや節分かて元は仏教行事なんだろうけどネ。

➀修正鬼会の災仏鬼と鎮鬼【大分】

災仏鬼と鎮鬼は、大分県国東半島の六郷満山で旧正月に行われる「修正鬼会」(しゅうじょうおにえ)に登場する鬼。「修正鬼会」は五穀豊穣を祈る修正会、鬼を祓う追儺式に由来する鬼祭り、そして火祭りがいっしょになった合体版です。

当日は赤鬼の「災仏鬼」と黒鬼の「鎮鬼」に僧侶が扮して寺の境内や集落を暴れ回ります。鬼に火のついた松明で尻を叩かれると疫鬼滅殺というなかなかの鬼ヤバ仕様。現在、修正鬼会は国東市の岩戸寺、成仏寺、豊後高田市の天念寺の三か所で行われています。

➁追儺式の方相氏【京都】

方相氏とは、古い節分の儀式である「追儺式」(ついなしき)に登場し、悪い鬼を追い払う正義の鬼神です。鬼を狩る鬼という背徳感あるデビルマン的なダークヒーローの立ち位置が鬼ヤバ! 黄金でできた4つ目の仮面を被り、黒衣に朱の裳(もすそ)を着用し、手には鬼を斬る大剣・矛・盾を持ち、疫鬼や魑魅魍魎を滅殺します。

有名どころでは、京都府の吉田神社で節分前夜の毎年2月2日に行われる「追儺式」(鬼やらい)。方相氏が赤鬼、青鬼、黄鬼を追い払い、赤鬼は怒り、青鬼は悲しみ、黄鬼は悩みといった人間の感情を表します。最近では、方相氏面を被った「鬼っ子ハンターついなちゃん」というキャラクターも登場。

➂豊橋鬼祭りの赤鬼【愛知】

豊橋鬼祭り

祭りのクライマックスとして行わられる赤鬼VS天狗のバトル赤鬼と天狗のからかいに登場する赤鬼。ポッチャリ体型にぶっとい白縄で緊縛された造形が赤鬼のパワーファイターぶりを表していて鬼ヤバ! 荒ぶる神の赤鬼がイタズラをするので、武神・天狗がこらしめようと秘術を尽くして戦い、最後に和解して赤鬼が罪の償いに厄除けの白い粉とタンキリ飴を撒きながら境外へ退散します。赤鬼は白い粉の使い手という設定も斬新。

〇詳細レポートはコチラ
リアル鬼ごっこの最後に待ち受ける結末とは?! 頂上決戦をハントせよ! 豊橋鬼祭り

➃花祭りの山見鬼と榊鬼【愛知】

山見鬼榊鬼は、奥三河の東栄町・豊根村・設楽町で行われる湯立神楽「花祭り」に登場する修験道の鬼。花祭りは「霜月祭り」とも言われ、毎年11月上旬~3月上旬にかけて夜を徹して行われ、厄難除けを祈願します。

山見鬼は、神事に最初に登場する役鬼で、釜に足をかけ、山を割る所作を行うことで浄土を開きます。山割鬼や山鬼とも言われ、地元の人々には山見様と呼ばれて親しまれています。

榊鬼は、役鬼の中でも最も重要な鬼で、巨大なマサカリを持ち、修験道で用いる鎮魂の呪術「反閇(へんばい)」を行い、大地を踏みしめ悪魔を踏み鎮め、大地の精霊を呼び起こします。

花祭りにはほかにも、舞の最後を締めくくるように朝方に登場する茂吉鬼(朝鬼とも)や、メインの鬼に伴って複数出てくる伴鬼も登場します。

➄盆綱曳きの黒鬼【福岡】

毎年8月14日、福岡県筑後市の久富観音堂で行われる「盆綱曳き」は、お盆に地獄で苦しむ亡者を鬼が極楽浄土に引き上げ、供養する施餓鬼会(せがきかい)のひとつで、大凶作で亡くなった子どもの霊を鎮魂するために始まったとも言われています。

当日は地元の小学生が全身にススを塗り、腰にワラミノをつけ、頭には角に見立てたワラを巻いて地獄の釜番である鬼に扮し、大綱を引いて街を練り歩きます。

➅鬼太鼓の男鬼と女鬼【新潟】

鬼太鼓」は約500年前に佐渡島に伝わり、能の舞に地方独特の太鼓とダンスが合体して完成しました。その数は島全体で120以上とも。大きくは相川系・国中系・前浜系の3系統に分けられ、鬼だけバージョン、猿や獅子、巫女や豆まきとのコラボ版など様々なバリエーションが存在します。

中でも毎年4月に本祭の前日に行われる水津の夜祭で行われる鬼太鼓には、黒髪の男鬼と白髪の女鬼がペアで登場。凄まじい形相の鬼が髪をふり乱して太鼓を打ちます。

➆こっぱげ面の鬼【福岡】

ここでの鬼は神の使いとしての正義サイド設定。こっぱげ面は、福岡県の星野村で毎年7月に行われる、鬼たちが村中を暴れまわることで厄を払い、疫鬼滅殺や五穀豊穣を祈願する奇祭にして祇園祭です。厄を払う手段は何と、鬼面をつけた男たちが村人を追いかけ回し、青竹で尻を思いきり引っぱたく(ちゃんと痛くないと厄払いになりませんので)というリアル鬼ごっこ方式が鬼ヤバ! 一説にはナマハゲより怖いとも。これ、子どもの時に見たらトラウマになる奴。

こっぱげ面の長尾大神宮(天照御祖神社)FBページより

その他の鬼ヤバな鬼祭り

その他にも、下記に挙げた鬼祭りもなかなかの鬼ヤバぶりです。

鬼すべの鬼警固と鬼係(毎年1月7日、福岡) 太宰府天満宮で開催。鷽替え神事の後、燻手(すべて)と鬼警固、鬼係に分かれた300人が炎の攻防戦をくり広げます。

滝山寺鬼祭り(毎年2月、愛知) 燃え盛る炎の中から鬼が現れる「天下の奇祭」。本堂に30を超える巨大な松明を持ち込んで、半鐘やほら貝をかき鳴らしながら鬼が乱舞します。「もはや火事だろ」「狂鬼乱舞とはこのことか」など、祭りのクレージーぶりを絶賛する声が多数。

鬼剣舞(おにけんばい)(岩手) 念仏剣舞(念仏踊)のひとつで岩手県を代表する伝統芸能。威嚇的な鬼面を被って仏の化身となり、勇壮に踊ります。修験道で用いる鎮魂の呪術「反閇(へんばい)」を使い、大地を踏みしめ悪魔を踏み鎮め、場の気を整えます。

やすらい祭(4月第二日曜、京都) 疫病退散を願って大鬼や小鬼が踊ります。京都の今宮神社と玄武神社(玄武やすらい祭)で行われます。

マダラ鬼神祭(4月第二日曜、茨城) その昔、寺が焼失したときにマダラ鬼神が現れ大勢の鬼を使って再建したという古事にちなみ、鬼神に感謝を捧げるお祭りです。

黒川の花傘太鼓踊り(4月第三日曜、滋賀) 室町時代に流行した風流踊りに原型を持つ雨乞いとその返礼踊り。ここでは花笠をかぶった太鼓打や法螺貝吹きのほかに、ド派手な柄の半着物に山鳥や雉の羽を差したシャンマを被り、鬼面をつけた棒振りが登場する。

椎出 鬼の舞(毎年8月16日、和歌山) 髪の赤い鬼が長い棒を振りかざし、太鼓や笛に合わせて踊る舞が日没まで続きます。

母ヶ浦面浮立(毎年9月第二日曜、佐賀) 佐賀県鹿島市に伝わる伝承芸能、面浮立(めんふりゅう)中でも鎮守神社の秋祭りに奉納されている母ヶ浦(ほうがうら)の面浮立は、踏み歩みが中心の勇壮なもので、鬼面芸として完成された芸と構成をもつと言われています。

夏山八幡宮火祭りの鬼面者(愛知) 参拝者は「ボケ鬼、ボケ鬼」と鬼を挑発し、鬼は火のついた棒で参拝者を追い回します。旧暦9月9日に一番近い土曜日または日曜日に開催。

井原鬼祭り(10月、岡山) 約100匹の恐ろしい形相の鬼たちが御神幸の先払いを務めます。鬼のタスキや矛先にさした御幣を奪うと無病息災のご利益が得られると言われています。

砂鬼サンドーラ(10月下旬~11月上旬、長崎、五島列島) 五島列島の福江島で行われる事代主神社の秋まつり、大宝の砂打ちに登場。砂鬼はワラの浅蓑を被り、誰れかれ構わず砂を打ちつけて回ります。

アマメハギ(石川) 石川県の輪島市や能登町で小正月に現れるナマハゲ系の鬼の妖怪で、怠け者を注意します。

いかがでしたか。今回の鬼ヤバな鬼祭り特集。過去には天狗祭りシリーズ、狐祭りシリーズの記事もまとめたので、良かったらこっちもチェックしてみてください。

〇激ヤバな天狗祭りのまとめはコチラ
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〇激ヤバな狐祭りのまとめはコチラ
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