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一年中、仙台七夕まつりの飾りを見られる「七夕ミュージアム」とは?手作り体験も

更新日:2021/8/18 稲村 行真
一年中、仙台七夕まつりの飾りを見られる「七夕ミュージアム」とは?手作り体験も

2年ぶりに仙台七夕まつりが開催された。新型コロナウイルスの影響で縮小開催となったが、商店街を中心に美しい七夕飾りが見られた。本記事では、仙台七夕まつりの当日の様子や七夕祭りを一年中楽しめるミュージアムをご紹介!仙台七夕の楽しみ方とその奥深い魅力に迫る。

仙台七夕まつりとは?

毎年8月6~8日の日程で開催されている仙台七夕まつり。全国有数の規模を誇る七夕のお祭りとして知られ、商店街を中心に吹き流しをはじめとした様々な七夕飾りが登場する。

元々は仙台藩の初代藩主・伊達政宗が子女の技芸上達のため、飾り作りを奨励したことに始まる。近年は若者の七夕行事参画なども進みつつあり、賑わいを見せている。

仙台七夕まつりの様子

それでは実際に、2021年8月6日から8日まで開催された仙台七夕まつりの最終日の様子をお届けする。今回はコロナ禍での開催だったので、例年に比べて規模を縮小しての開催となった。それでも、美しい仙台七夕の飾りを見ることができ、とても充実した滞在だった。

仙台駅の七夕飾り

お店の入り口にも七夕飾り

商店街の大きな七夕飾り。感染症対策のため例年よりも短く作られている。

屋台もずらり!

頭上の七夕飾り

一年中仙台七夕を体感!?七夕ミュージアム

コロナの影響で今年の仙台七夕まつりを見に行けなかった方や、仙台七夕のことについてもっと良く知りたいという方も多いだろう。そこで今回、仙台七夕まつりを1年中体感することができる「七夕ミュージアム」という場所があると聞き、早速訪れた。

この施設は「鐘崎 総本店 笹かま館」の一画にあり、日本で初めて仙台七夕の飾りを常設展示した場所。藩政期以降の七夕飾りを再現している。また、七夕飾りの手作り体験を楽しむこともできる。入場は無料で、手作り体験をする場合は1500円が必要だ。アクセスは仙台駅から車で約20分、鉄道だと地下鉄東西線荒井駅からバスで数分となっている。それではまず、展示の様子を振り返っていきたい。

七夕ミュージアムの外観

中に入ると色鮮やかな吹き流しがいっぱい!写真中央は梅の花を模した飾りが付いたもの。

こちらは平成29年に七夕飾り個人賞で金賞を受賞した作品、中央の吹き流しの木枠には「未来」の文字が型どられている。

昔の仙台七夕まつりの様子

歴代の仙台七夕まつりのポスター

展示を拝見してみて、まずは商店街に実際飾られているもの以上に豪華な造りの吹き流しが印象的だった。普段は下から眺める吹き流しを上から眺めるという貴重な体験ができるなど、様々な視点から七夕について知れるのがこのミュージアムの魅力だと感じた。

七夕飾りを作ってみよう!手作り体験

それでは、普段見るだけの七夕飾りを実際に作ってみたいと思い、手作り体験もさせていただいた。手ぶらで参加が可能となっており、このような工作キットをご用意いただいた。

実際に手作り体験で作ったのが、投網(とあみ)、屑篭(くずかご)、巾着(きんちゃく)、折鶴、短冊の5種類。例えば、屑篭は「倹約に努め、物を粗末にすることを戒める」という意味があり、昔は七夕飾りを作って余った紙をこの屑篭に詰めたというエピソードを教えていただいた。このように、作り方だけでなく、七夕飾りの意味やそこにある物語まで教えていただけたのが良かった。紙ごろもと吹き流しに関しては、作るのが難しくて時間がかかるので、あらかじめスタッフさんが作ってくれていた。

作り終わった七夕飾りは、笹に一つずつ取り付けて完成!笹の先端に近い方から叶えたい願いの飾りを取り付けるのだそう。私は「コロナ収束」の願いを込めた短冊を先端に取り付けた。手作り体験は約1時間であっという間だったが、普段よくみる吹き流し以外にも、様々な意味の七夕飾りがあることを実感できて本当に良かった。作った七夕飾りは箱に入れて持ち帰りができるので、家に飾るのも良いだろう。

7種類の七夕飾りの意味とは?

最後に、今回手作り体験をさせていただいた七夕飾りの意味について、七夕ミュージアムの展示に沿っておさらいしておきたい。

投網:海の幸の豊漁を願うとともに、海の恵みへの感謝を表す。

屑篭:倹約に努めて物を粗末にすることを戒める。

巾着:巾着は財布のことで、お金が貯まるよう願う。

吹き流し:機織りの上達を願う。

折鶴:家内安全と健康長寿を願う。

紙衣:裁縫技術の上達と子どもの健やかな成長を願う。

短冊:和歌や願い事を書き、学問や書道などの上達を願う。

これらの七夕飾りは実際、吹き流しの横に小さく飾られているというものも多い。こんな飾りもあったのか!初めて知った!という方もいるのではないだろうか。7種類の七夕飾りにはそれぞれ深い意味があるので、細かいところまで注目してみると新たな発見があるかもしれない。

一年中、七夕を味わえるミュージアム

七夕ミュージアムでは、七夕の時期だけでなく一年を通してその魅力に触れることができる。仙台七夕まつりを見るでは分からないこともたくさんあるだろう。展示や手作り体験を通して七夕についての理解を深めることができるのが魅力である。ぜひ、休日などに訪れてみてはいかがだろうか。

 

<七夕ミュージアムの基本情報>

●住所
宮城県仙台市若林区鶴代町6-65

●アクセス方法
・仙台駅から車で約20分
・地下鉄東西線「荒井駅」市営バスプール<1番>のりば
【16系統】 若林体育館・東部工場団地経由 鶴巻循環」行き
または
【18系統】 岡田・新浜」行き
最寄のバス停「卸町東五丁目北」下車
バス下車後、目の前に『鐘崎  総本店 笹かま館(七夕ミュージアム)』あり。

●開館時間
9:30~18:00
七夕飾りの手作り体験の日程についてはこちら

●休館日
下記ホームページを参照

●入館料
無料(七夕飾りの手作り体験は1500円)

七夕ミュージアムのホームページはこちら

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
日本全国500件以上の獅子舞を取材してきました。民俗芸能に関する執筆、研究、作品制作等を行っています。

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