毎年5月2日から4日まで、山口県下関市にて行われる「しものせき海峡まつり」。関門海峡にまつわる史実を基にした、歴史情緒あふれるお祭りです。
5月3日には、壇ノ浦の合戦で滅びた平家を偲ぶ「先帝祭」や武者行列をはじめ、下関の発展のため人柱となったお亀さんを称える「八丁浜総踊り」のほか、名物のふぐの唐揚げや鍋が味わえるグルメ屋台も並びます。
コロナ禍で中止を余儀なくされていましたが、今年2023年は実に4年ぶりの復活開催!
ここからは、お祭りのなかでも特に「先帝祭」に注目して2019年に公開した記事をお届けするとともに、2023年の開催情報を紹介します。
「先帝」とは誰のこと?
「先帝祭」の“先帝”とは、歴史の時間に習う源氏と平家の「壇ノ浦の戦い」の際、弱冠8歳で崩御された安徳天皇のことを指します。つまり、先帝祭とは、壇之浦の合戦で入水した安徳幼帝を偲ぶお祭りです。
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先帝祭が開催される赤間神宮とは?
赤間神宮はもともと、山口県下関市にある阿弥陀寺と言うお寺でしたが、廃仏毀釈により、神社になったという経緯があります。先帝祭の主人公の安徳天皇を祀っており、江戸時代までは安徳天皇御影堂といわれていたそうです。また、赤間神宮の前身の阿弥陀寺は、小泉八雲の『耳なし芳一』の舞台としても知られています。
先帝祭の見どころ、「上臈参拝」の歴史
まず「上臈(じょうろう)」の言葉の意味ですが、上臈とは、「身分の高い遊女」のことで、いわゆる「太夫(たゆう)」とか「花魁(おいらん)」のことを指します。つまり、先帝祭での「上臈参拝」とは、「身分の高い遊女が安徳天皇の御廟所に参拝すること」を意味します。
では、安徳天皇と遊女の接点は、どこにあるのでしょうか。安徳天皇の入水後、同じく海に身を投じた女官の中には、不本意ながら生きながらえた者たちもいました。その人たちは、少し前までは、宮廷で天皇にお仕えしていた女官。宮廷以外の世界で生き延びる術を持ち合わせていない人たちも、中にはいたようです。そのような元女官の中には、下関で遊女として生き延びた者も。
その元女官の遊女が、安徳天皇の命日に御廟所に参拝し、ご冥福を祈ったのが起源とされています。そして、現在の上臈参拝の形態になったのは、江戸時代のことと推測されています。
上臈参拝の見どころは?
上臈の参拝であるため、稚児・警固・官女・禿(遊女見習の幼女)、そして上臈と長い豪華絢爛な列が続きます。上臈が参拝の際渡る朱色の天橋が、上臈の衣装をさらに映えさせます。また天橋を渡る際、遊女独特の歩き方である「外八文字」を披露。上臈と神社という非常に珍しく美しい組み合わせは必見です。ぜひ爽やかな5月の空気に触れながら、安徳天皇や平家の人たちに思いを馳せてみませんか。
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境内にて 二番太夫さん 参拝前の外八文字 #赤間神宮 #先帝祭 #上臈参拝 #二番太夫 #外八文字 #下関市 #Japanese #festival
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2023年 しものせき海峡まつり開催情報
■開催期間:5月2日(火)~4日(木・祝)
■開催日時と行事・場所
5月2日(火) ●御陵前祭 ●平家一門追悼祭
5月3日(水・祝)
●先帝祭
【上臈道中】 9:30~11:30 西部公民館~唐戸商店街
【上臈参拝】13:00~15:00 赤間神宮
●源平まつり
【ステージイベント】9:30~17:00 姉妹都市ひろば
【ふぐ屋台村】 10:00~ 姉妹都市ひろば
【源平武者行列】 9:20~ 9:55 グリーンモール
10:50~11:50 唐戸商店街
13:00~14:00 海響館前~姉妹都市ひろば
●八丁浜総踊り
【お亀さん顕彰祭】9:20~ 9:40 亀山八幡宮
【八丁浜総踊り】10:00~11:00 カモンワーフ前ボードウォーク
5月4日(水・祝)●御旅所祭本殿祭
■会場:下関市関門海峡沿岸一帯
※詳しくは下関市公式観光サイトの案内ページからご確認ください