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【四天王寺盆踊り大会レポート】歴史ある寺院で開催される荘厳な雰囲気の盆踊り

2020/8/4
2021/3/12
【四天王寺盆踊り大会レポート】歴史ある寺院で開催される荘厳な雰囲気の盆踊り

■※2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響で中止となりました。 2021年には無事に開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。 (2020年8月4日 編集部)

毎年お盆に大阪は四天王寺で開催される盆踊り大会をご存知でしょうか?

歴史ある寺院の荘厳な雰囲気の中、伝統河内音頭の継承者 河内家菊水丸さんがしっとり、かつ力強く歌い上げる河内音頭が魅力の盆踊り大会です。

踊り子も多く、盆踊り初心者の方にもお勧めの「四天王寺盆踊り大会」をレポートします。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年8月4日編集部更新)

四天王寺盆踊りについて

四天王寺は、大阪の方にとっては身近なお寺ですが、その他の土地の方にとってはいかがでしょうか。583年に聖徳太子により建立された歴史あるお寺です。

四天王寺

そんな四天王寺で開催される盆踊り大会は、寺院の恒例行事として、毎年8月11日12日に実施されています。聖徳太子の没後1400年に合わせた「御聖忌記念事業」の一環で、2014年、四天王寺が11年ぶりに復活させました。

当日は、亀の池に掛かる石舞台(重要文化財)に櫓が組まれ、踊り子は亀の池を一周して踊ります。

櫓上では、伝統河内音頭継承者である河内家菊水丸さんが約2時間かけて河内音頭を歌い上げます。

河内音頭って?河内家菊水丸って?

河内家菊水丸

河内音頭について

河内音頭といって、身近に感じる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。

河内音頭は、大阪の代表的な盆踊り曲で、大阪の盆踊り大会に行くと、ほぼ必ず流れる音頭です。

CD化された音源が流される場合もありますが、「音頭取り」が舞台に上がり、生唄・生演奏で踊ることもしばしばです。筆者の地元は、大阪府内の小さな町ですが、自治会の盆踊りには毎年音頭取りを呼び、河内音頭を踊ります。

「八尾河内音頭まつり振興会」のWEBサイトによると

河内音頭には楽譜がないのも特徴のひとつで、唄いたい歌詞(物語)を、自由にアレンジした楽曲にのせて聴かせます。・・・・・・音頭のテーマには、「河内十人斬り」や「悪名」等の有名な題目があり、その時代の時事ネタなども音頭に取り入れて詠まれています。

引用:八尾河内音頭まつり振興会

と書かれています。

確かに、筆者も色々な歌詞の河内音頭を聞いたことがあり、音頭取りによって歌詞が様々なところは、「踊る」だけでなく「聞く」河内音頭の魅力です。

更に、河内音頭には踊り方も数種類あります。代表的な「手踊り」「マメカチ」の他にも色々あり、地域で踊り方が違うのも特徴の一つです。

河内家菊水丸

河内家菊水丸さんについて

さて、四天王寺盆踊り大会で登場する河内家菊水丸さんは、有名な河内音頭の音頭取りです。多くの音頭がCD化されており、現在は「伝統河内音頭継承者」という肩書きで、河内音頭の伝統の保存と継承に努められています。

四天王寺盆踊り大会では、聖徳太子の生涯を題材にしたオリジナル音頭「聖徳太子一代記」を8年掛けて制作されています。今年は、8話完結の内、第6弾「冠位・憲法制定編」が披露されました。2014年より毎年1曲ずつ「ご生誕編」、「少年時代編」、「蘇我vs物部編」、「四天王寺創建編」、「三宝興隆宣言編」が発表されています。

荘厳な雰囲気の中、2時間通しの河内音頭

19時半、集まった踊り子に拍手で迎えられ、河内家菊水丸さん、ギターの石田雄一さん、和太鼓の三条史郎さんが石舞台に組まれた櫓に登場しました。そこからなんと、休憩無しの2時間、生唄・生演奏の盆踊りが繰り広げられます。

境内に響き渡るしっとりと、かつ力強い河内音頭で踊る盆踊りは、なんとも言えない高揚感に包まれます。お堂に付けられたお盆飾りや、綺麗に見える月も、踊り子の高ぶりを一層引き立たせるように感じました。

河内音頭

筆者が河内音頭の魅力だと感じているのは、踊り子がそれぞれ、自分のリズムを感じながらオリジナリティに溢れるステップで踊るところです。もちろん、型はありますし、誰が見ても綺麗な踊りというのもあるのですが、「自分の踊り方でいいんだ!」と思える自由さが、初心者でも心から楽しいと思える理由ではないかと思っています。

今回は、3種類の踊りが踊られました。河内音頭は、先頭で踊る方の合図で、曲の途中で踊り方が変わります。初心者の方は、やっと踊りを覚えたところで踊り方が変わるので、戸惑うかと思いますが、色々な踊りを一曲で覚えられるチャンスです。自分に合った踊りをする方を先生として見つけ、その方の真似をして付いて行くと、段々踊れるようになりますので、諦めずに踊ってみてください。慣れてくると、知らずに身体が動き出します。覚え始めのポイントは、出来るだけクセの無い踊り方をお手本にすることです。

21時半、浴衣や法被、ジーンズなど、それぞれの格好を汗で濡らしながら、約2時間の盆踊り大会は、拍手を以って終了しました。

踊り子は老若男女問わず、国籍も越えて。初心者にもオススメ

四天王寺盆踊り大会の特徴は、老若男女、国籍問わず日本人、海外からの観光客も一緒になって、踊っている点です。会場も広く、踊り子も沢山いますので、初心者の方も輪に入って行きやすいと思います。出店も多く出ているので、家族連れで行かれるのもオススメです。

また、当日は、お盆の先祖供養のために行われる行事「万灯供養」も開催されています。観光イベントではありませんが、日本のお盆を感じられる神聖な行事ですので、御先祖供養に参加されるのも良いかと思います。

盆踊りが気になっているけど、「中々参加のきっかけがない!」という方は、ぜひ四天王寺盆踊り大会に参加されてみてはいかがでしょうか。

四天王寺盆踊り大会

開催概要 

※【2020年度開催中止】

日時:毎年8月11日12日(年によって開催日変更の可能性があります)

場所:和宋 総本山 四天王寺

〒543-0051大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18

交通:各線天王寺駅から北へ徒歩約12分

地下鉄谷町線 四天王寺夕陽丘駅から南へ徒歩約5分

近鉄阿部野橋駅から北へ徒歩約14分

 

※参考:

〇和宋 総本山 四天王寺 http://www.shitennoji.or.jp/

〇「八尾河内音頭まつり振興会」 https://www.yaokawachiondo.com/

 

 

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