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「サン・ジョルディの日」に本を贈るのはなぜ?ドラゴン退治とお姫様が由来です

2023/4/20
2023/4/18
「サン・ジョルディの日」に本を贈るのはなぜ?ドラゴン退治とお姫様が由来です

毎年4月23日は「サン・ジョルディの日」という記念日であることをご存じでしょうか。聞いたことはあるけど、馴染みがないという方も多いですよね。そこでこの記事では、そもそもサン・ジョルディの日とはどのようなものなのかご紹介します。

そもそもサン・ジョルディの日とは?

そもそもサン・ジョルディの日とはどのような行事なのでしょうか。ここではサン・ジョルディの日の起源から風習までを解説します。

スペイン・カタルーニャの風習

「サン・ジョルディの日」とは、スペイン・カタルーニャ地方の伝統的な行事。カタルーニャにおけるキリスト教の守護聖人である騎士サン・ジョルディ(英語:聖ジョージ、ラテン語:聖ゲオルギオス)のドラゴン退治伝説に由来しています。以下ではその伝説をご紹介します。

かつて、とある国には毒気を振りまき作物を焼き尽くしてしまう恐ろしいドラゴンがいました。住民たちはドラゴンを鎮めるために羊を生贄として捧げていましたが、とうとう人間を生贄として捧げることとなってしまったのです。

くじ引きで生贄として選ばれたのは、なんと王の娘。しかしそこに、サン・ジョルディという一人の騎士が白い馬に乗って登場。ドラゴンの元へ向かいます。

ドラゴンは毒の息をサン・ジョルディに吐きかけようとしますが、開いた口にサン・ジョルディの槍が突き刺さりました。こうしてサン・ジョルディは見事、ドラゴンを退治し、お姫様を救い出したのです。

大地にこぼれ落ちたドラゴンの血からは、美しいバラが咲き誇ります。サン・ジョルディはその中から最も美しいバラを選んで手折り、永遠の愛のシンボルとしてお姫様に贈ったとされています。

これにちなんで、カタルーニャではサン・ジョルディが殉教した日である4月23日を「サン・ジョルディの日」とし、男女で赤いバラを贈りあって祝うようになったのです。

キリスト教圏の諸国では大事な記念日

ところで、キリスト教圏では、毎年4月23日を「セント・ジョージの日」として祝う風習があります。例えば、セント・ジョージを守護聖人とするイングランドでは、4月23日は国家記念日で、かつては襟にバラをつける風習があったそうです。

イングランド国旗はセント・ジョージクロスと呼ばれている。

同じくスペインでもアラゴン州では「サン・ホルヘの日」と呼ばれ、盛大に祝い、サン・ジョルディと同じようにバラを贈る風習があります。

国名にこの聖人の名を用いているグルジアでは、大変重要な国民の祝日になっていて、家族で揃って伝統料理を食べ、教会に出かける日になっています。

「本」を贈る日になったのはどうして?

サン・ジョルディの日にはもう一つ、本を贈る伝統があります。4月23日は小説『ドン・キホーテ』の作者で、スペインを代表する作家ミゲル・セルバンテスの命日であり、ウィリアム・シェイクスピアの伝説上の誕生日・命日でもあります。

セルバンテスの代表作「ドン・キホーテ」の像

このことから、とある本屋がサン・ジョルディの日と結びつけ、本にバラを添えて贈るキャンペーンを開いたところ、風習として広まったという説があります。

サン・ジョルディの日には大切な人へ、美と教養、愛と知性のシンボルとして男性から女性にはバラを、女性から男性には本を贈るのが一般的とされ、家族や友達間でもプレゼント交換がされます。

1995年にスペインの提案でこの日がユネスコの「世界本の日」に指定されました。日本でもこの頃から書店や花屋が主導して、本や花を贈り合う「サン・ジョルディの日」が広く紹介されるようになりました。

本の祭りといえばこちら!

日本において、本のお祭りといえば、神田古本まつりが頭に浮かびますね。そのほかにも、東京で開催される本のフェスティバルをご紹介します。

神田古本まつり

©︎まっちゃん

神田古本まつりは、神田古書店連盟によるイベントで、世界一大きい規模の古本市ともいわれています。参加店は100店舗を超え、出点数は100万冊にもなります。例年、10月下旬から11月上旬に行われます。

その他チャリティオークションやトークイベント、神保町界隈で撮影された写真の展示なども開催。歴史や文化に触れることができます。

神保町ブックフェスティバル

 

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神保町ブックフェスティバルは東京・神保町のすずらん通りで開催される、割引になった新刊を一堂にワゴン販売するお祭りです。例年、10月下旬の土日に開催されます。神田古本まつりと同時期に行われるため本好きの人々で大変にぎわいます。
2022年はコロナ禍の影響でオープニングセレモニーや飲食の出店が中止になりましたが、それでも130社の出店があった人気のお祭りです。

上野の森親子ブックフェスタ

 

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上野の森親子ブックフェスタは、2000年の「子ども読書年」の記念事業としてスタートしたお祭りで、上野恩賜公園で開催されます。2023年は5月4日・5日の2日間の日程です。

絵本や児童書を始めとした約4万冊の書籍が販売されるほか、講談社の全国訪問おはなし隊による読み聞かせや紙芝居があるなど、親子連れでの参加がおすすめです。

まとめ

この記事ではサン・ジョルディの日について解説するとともに、東京で開かれる本のお祭りを3つ紹介しました。ここで紹介した以外にも、日本各地では本にちなんだお祭りやキャンペーンが開かれます。元々本に興味がある方も、この記事で興味を持った方も、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

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