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【すみだ向島EXPO&飛木稲荷神社例大祭】古民家とお祭りのまちづくり

更新日:2020/10/2 ちゃそっこ
【すみだ向島EXPO&飛木稲荷神社例大祭】古民家とお祭りのまちづくり

9月12日からはじまった「すみだ向島EXPO 2020」(10/11(日)まで開催中)に出かけたところ、偶然にも同エリアの由緒ある「飛木稲荷神社」でお祭りが開催されており、現代的なお祭り、伝統的なお祭り、双方を楽しむことが出来ました。 2つのお祭りの対比や、すみだ向島エリアの歴史に触れることで、伝統と革新が共存した魅力的な「まちづくり」を感じることが出来ました。今回はその様子を皆様にお伝えいたします。

すみだ向島EXPO 2020

すみだ向島EXPO実行委員会事務局でもある大正時代末期の元長屋にあるお風呂。「すみだ雨水36景」にも選ばれているそうで、すみだ向島EXPO 2020では記念撮影スポットとして公開されています。

戦前に建てられた長屋や民家を利用した芸術祭「すみだ向島EXPO 2020」が、京成曳舟駅周辺や東武亀戸線の小村井駅周辺で開かれていました。HPによると、20年前のまちとアートの融合したイベント向島博覧会を意識しており、きびしい戦禍をくぐりぬけ、「お隣さん」づきあいが生き続ける東京すみだ向島エリア。そんな“長屋文化” とともに独自の進化を遂げ続け、新型コロナによって、益々人と空間と時間の関係が問われる今だからこそ体験型芸術祭「すみだ向島EXPO 2020」を開催したそうです。

すみだ向島EXPO 2020のテーマは「隣人と幸せな日」。わたしたちが限定されない世界で暮らしていくその先にある、現代版「醤油の貸し借り」や「火事場の運命共同体」をイメージしており、そのような関係性を実現していく新たなコミュニケーションについてアートや実験的な現場を通した問いを体感して欲しいと言った想いとそれを前進させる体験が用意されていました。

伝統と革新の融合

木工所開きアーティストレジデンス第一弾

驚いたのは写真の京島共同木工所です。この建物は聞いたところによるとコレクション好きの建築士さんが所有しているものだそうです。写真は二階の椅子のある部屋で一見オシャレな古民家に見えますが、私が建物に入った時、一階の天井は傾いているし、昭和初期と思われる工具が沢山あるし、今にも壊れそうなところが沢山ありました。建物自体が現在の建築基準に適合しないので、このような内観・外観をお洒落に、かつ安全に維持していくには、相当の知識と技術が必要だなあと思いました。所有者の方が建築士さんというのも合点が行きます。

今の住宅は簡単に組み立てられ、工期も短縮でき、利益や安全性と言った側面からは効率的です。ただ必ずしも建築士さんや不動産のプロの方の知識欲や技術力を満たすようなものかは分かりません。すみだ向島エリアの古くからの物件は、地域の景観や将来の文化ストック的な住宅を、自分たちの知識や技術を活かしながら、どのようにバリューアップさせることが出来るかを考えたり、実践して楽しむには最高の場所だと思います。古くて新しいハードづくりに魅力を感じることのできる場所だと思いました。

すみだ向島EXPO 2020は10月11日(日)まで開催されています。

飛木稲荷神社例大祭

その後は「飛木稲荷神社」でのお祭りを発見したので、嬉しくなり参加しました。飛木稲荷神社の創建は、水害・火災等により古書などが失われており不明だそうですが、そこにある御神木は樹齢千年を超えると言われるいちょうで、墨田区随一の大木とされ墨田区指定文化財(天然記念物)になりました。1945年3月9日の空襲により、大きな損傷を受けましたが、その身を挺して街への延焼を防ぎ、多くの住民を救ったことから「身代わり飛木の焼けイチョウ」と称されています。被災により一時は樹勢が衰えましたが、再び芽吹き、現在は完全に回復し悠久の生命を伝えています。新型コロナの回復を祈願するには最高の御神木ですね!

進化する東京スカイツリーのおひざ元

飛木稲荷神社は東京スカイツリーから近く、500m程のところに位置しています。今年は御神輿は中止でしたが、太鼓を使った演目を楽しむことが出来ました。以前よりも演奏がパワーアップしていたように感じ、和太鼓の重低音がとても気持ち良かったです。最近の打楽器は演奏場所の狭さ、繊細な音の強弱やそのマイクでの集音等を考慮して太鼓の皮等を張り気味にすることがトレンドのようですが、生演奏で体に気持ち良く、ガツンと来る低音を出すには、あまり皮等を張らない方がいい時もあり、正にこの和太鼓はそんな気持ちの良い音だなと感動しました。新型コロナで中止となっていた日本の文化、古くて新しいソフトづくりを感じることのできる機会だなと思いました。パワーアップした和太鼓のように、東京スカイツリーのおひざ元が益々進化していくのがこれからも楽しみです。

すみだ向島EXPO2020 10/11(日)まで開催中 https://sumidaexpo.com/access/

飛木稲荷神社 https://jinja.tokyolovers.jp/tokyo/sumida/tobikiinarijinja

向島博覧会 http://www.mukojima.org/about/association/

既存不適格建築物 https://suumo.jp/yougo/k/kizonfutekikakusochi/

祭り開催情報

名称 すみだ向島EXPO
開催場所 東京都東京都墨田区曳舟エリア京島3丁目50–12
総合受付:京島駅
開催日 2023年10月1日(日)~2023年10月30日(月)
定休日:火・水・木曜日  10:00〜18:00 *一部の会場やイベントなど時間外コンテンツもあります。
主催者 墨田区、NPO法人 向島学会
アクセス 【電車】
京成押上線「京成曳舟」駅[i-2・七軒長屋インフォメーション]まで徒歩8分
東武スカイツリーライン「曳舟」駅[i-2・七軒長屋インフォメーション]まで徒歩8分
東武亀戸線「小村井」駅[i-3・小倉屋インフォメーション]まで徒歩11分
【都営バス】
錦糸町または押上駅より〈上23〉平井駅前行き、もしくは〈錦37〉青砥車庫行き
共に「文花三丁目」下車[i-3・小倉屋インフォメーション]まで徒歩5分
【区内循環バスすみまるくん】
押上駅B3出口より〈北東ルート〉「下町人情キラキラ橘商店街入口」下車[i-3・小倉屋インフォメーション]まで徒歩3分
関連サイト https://sumidaexpo.com/
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
東京を中心にお祭り巡りをしている、ちゃそっこです。町内のお祭りから建国記念パレードまで楽しそうなお祭りであれば、大体何処にでも出現します。悩みは夏祭りの予定かぶり。※2021年5月ライター契約終了。2021年6月~フリーライター

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