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天神祭4選!昔は荒ぶるイケイケの火雷天神!人望が厚過ぎて奇祭化する全国の天神祭をご紹介

天神祭4選!昔は荒ぶるイケイケの火雷天神!人望が厚過ぎて奇祭化する全国の天神祭をご紹介

怨霊から学問の神へ


京都中を震撼させていた時の天神様

平安時代、政治闘争に敗れて左遷され、非業の死を遂げた菅原道真公。当時は怨霊となって天災や疫病をもたらすという御霊信仰により火雷天神として大変恐れられました。何せ当時の京都は道真の死後、雷が襲う天変地異に見舞われ、疫病が大流行。「これは手厚く祀らねばならん!(そうじゃないと祟りが怖い)」ということで神として崇められ、天神信仰が始まりました。

すると次第に怨霊ではなく、慈悲・正直・芸能・学問の神として信仰されるようになり、各地に天満宮が建てられました。代わってむしろ、荒ぶる神としての性格は行疫神である牛頭天王(=スサノオ)の担当となり、疫病を鎮めるための天王祭(祇園祭)が全国に伝播していきました。

〇天王祭(祇園祭)については、こちらの記事も要チェック!

やりたい放題暴れる奇祭っぷりにも程がある! 全国各地の色々なぎおん様 厳選14祭

というわけで、今では天満宮で行われる天神祭に、荒ぶる怨霊を鎮める祭り(暴れ祭り)の要素はほとんどないと言えるでしょう。ちなみに天神祭とは、道真公の命日にちなんで毎月25日前後に全国の天満宮で催されるお祭りの総称です。ここでは一風変わった天満宮で行われるお祭りを4つ紹介します。

➀鷽替え・鬼統べ(大宰府天満宮)【福岡】


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「鷽替え」は、菅原道真を祭神とする天満宮で行われる究極の神事。鳥類の鷽(うそ)は嘘に通じることから、前年にあった災厄や凶事を嘘とし、本年は吉となることを祈願します。祟りを恐れる心がパルプンテ級の言霊超理論を生み出しました。「すべてなかったことにしたかった」。そうですね。

鷽替え神事の後に行われる「鬼統べ」は日本三大火祭りのひとつ。約300人の氏子が「鬼じゃ、鬼じゃ」というかけ声をあげながら、「鬼係」と鬼を守る「鬼警固」、鬼の敵になる「燻手 ( すべて ) 」の二手に分かれて戦います。最後の攻防戦は鬼すべ堂で21時頃から行われます。

■日時:毎年1月7日
■場所:太宰府天満宮(福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号 太宰府天満宮社務所)
■交通:西鉄太宰府駅から徒歩5分
https://www.dazaifutenmangu.or.jp/sanpai/saiten/special/onisube

➁節分祭・牛替え神事(防府天満宮)【山口】

道真公の牛好きにちなんで生の牛が当たります!

日本で最初に創建された天満宮である防府天満宮で行われる節分祭。この日行われる牛替え神事では、牝・牡の生牛、純金、純銀、銅製の牛置物をはじめ市内外の商店・企業の協賛による数千点の豪華景品が当たる抽選会を行います。菅原道真公が丑年であり、かつ牛好きだったことから、毎年、生の牛が当たるくじを行っているということです。

また「春の幸せますフェスタ」では地域の女性が力を合わせて神輿をかつぐ「おんなみこし連合渡御」も行われます。2018年には79団体100基の神輿が威勢よくまちを練り歩き、「最大の連続したみこしパレード」として見事ギネス世界記録を達成しました。

■日時:毎年2月2日、3日
■場所:防府天満宮
■交通:山陽本線防府駅から徒歩約15分
http://www.hofutenmangu.or.jp/kongetunogiyouji/setubunsai.html

 

➂化け物祭(鶴岡天満宮)【山形】

Copyright © 一般社団法人DEGAM鶴岡ツーリズムビューロー

祭の名前は一見、荒ぶっていますが、「化け物」という呼称は道真公の左遷を惜しんだ人々が別れを惜しんで変装して(化けて)コッソリ会いにいって酒を酌み交わし、別れを惜しんだという昔の深イイ話にちなんでいます。というわけで、このお祭りでは、派手な花模様の長襦袢に帯を締め、手ぬぐいと編み笠で顔を隠した「化け物」たちが、手に杯と徳利を持ち、無言で酒を振舞います。ちなみに化け物姿で3年間誰にも知られずにお参りできると、念願が叶うと言われています。

■日時:毎年5月25日
■場所:鶴岡天満宮(鶴岡市神明町3-40)
■交通:JR羽越本線鶴岡駅から徒歩で約20分
http://yamagatakanko.com/eventdetail/?data_id=3084

➃天神祭(大阪天満宮)【大阪】

ギャル神輿大阪の天神祭に登場する「ギャル神輿」

各地で行われる天神祭の中でも最も有名なのはやはり、大阪の天神祭でしょう。大阪の天神祭が京都の祇園祭、東京の神田祭と並ぶ日本三大祭となったのは江戸時代からです。艶やかなギャル神輿(写真)を始め、約3000人が練り歩く陸渡御、100隻の舟が川を進む船渡御、そして約5000発の花火でフィナーレを飾る天神祭奉納花火大会と見所も盛りだくさん。現在の天神祭には、道真公の御神霊に大阪市内の繁栄ぶりを見ていただき、さらなる繁栄を祈願するという意味合いがあるようです。

■日時:6月下旬~7月25日/7月24日(宵宮)・25日(本宮)
■場所:大阪天満宮周辺
■交通:
〈陸渡御御列出発〉大阪メトロ谷町線・堺筋線「南森町駅」/JR東西線「大阪天満宮駅」
〈天神祭奉納花火〉JR線「桜ノ宮駅西口」/京阪線・大阪メトロ「天満橋駅」
https://www.tenjinmatsuri.com/

〇大阪天神祭に関する記事はコチラ

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天神祭りのだんじりの楽しみ方

祭り開催情報

名称 天神祭
開催場所 大阪府大阪市北区天神橋2-1-8
大阪天満宮/大川など
開催日 2023年7月24日(月)、2023年7月25日(火)
アクセス JR東西線大阪天満宮駅から徒歩5分(大阪天満宮)
関連サイト https://osakatemmangu.or.jp/1929
https://osakatemmangu.or.jp/
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
奇祭ハンター、美酒ナビゲーター。「毎月奇祭」を目標に奇祭旅を行い、お祭りやお酒の情報を挙げています。今までに50以上の奇祭を巡り、600種類以上の日本酒を飲酒。祭りがないときは大体、酒飲んでます。

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