尾張国一宮・真清田神社の春祭り
愛知県の北西部に位置する一宮市。市名にもある通り、尾張国一之宮である真清田神社(ますみだ じんじゃ)が鎮座する街です。古くから真清田神社の鳥居前町として栄えてきた土地で、現在では愛知県下4番目の人口を誇り約37.5万人が暮らしています。
この真清田神社で毎年4月1日から3日の三日間で開催されているお祭りがあります。「桃花祭(とうかさい)」です!
三日間の中で最も催し物が多く行われる4月3日に真清田神社へとやってきました。ここからは桃花祭の様子をご紹介していきます!
例祭・流鏑馬神事
4月3日9時前の真清田神社。鳥居前には2輌の山車が東西に分かれ飾られており、お祭りの雰囲気が出ていますね!
鳥居を見ると、桃花祭の開催を知らせる看板が掲げられています。本日はその中でも最も重要な神事、例祭が執り行われる日なんです!
9時を迎え、神職の皆様が出てきました。
まずは外で神事が行われます。
晴天の下、お祓い等の神事が進められていきます。
続いては社殿の中での神事。行列が社殿の中へと足を進めます。
社殿の中にへ入るとお神輿が置かれていました!こちらに関係者が集まり、厳粛に例祭が執り行われていきます。神様へのお供物の神饌に、桃の小枝が添えられるのも桃花祭の特徴です。
例祭が終わる頃合いになると、境内には次々に馬が姿を現していました。中には”馬の塔“と言われる飾りが付けられている馬も!
騎馬武者の姿もあります!桃花祭はたくさんの馬が登場することで知られているお祭りでもあり、別名で”馬まつり“と呼ばれることもあるそうです。この日も20頭程の馬が参加していました。
11時30分になり、流鏑馬神事がスタート!境内各所にある的を、白馬に乗った武者が見事射ち抜いていきました。
流鏑馬神事と並行して、社殿ではお神輿の出発に際しての出御祭が行われます。お神輿の神幸行列に加わる古式装飾をした皆様が参殿していました。色鮮やかな衣装で、春らしさを感じるようです。
社殿の奥から御祭神がやってきました!真清田神社の御祭神は、尾張氏の祖先とされる天火明命(あめのほあかりのみこと)です。
御祭神がお神輿へと移っていきます。
無事お神輿へと御祭神が移られ、さあお神輿の出発です!古式装束の皆様に担がれ、お神輿が社殿から出てきます。
お神輿の行列、神幸行列に参加する皆様の頭部には、桃の小枝が添えられているのも注目ポイント!
赤や白、ピンクの桃の花が、行列をさらに華やかにしてくれます。
また同様に、お神輿の四方にも桃の小枝が添えられているんですよ!他にはない珍しい飾りですね。
ここで桃の活躍する桃花祭の歴史をご紹介します。元々江戸時代までは桃の節句の3月3日に開催されていた桃花祭。暦が旧暦から新暦へ変更された関係で、明治時代からは4月3日に開催されています。また桃は古来から魔除けや厄除けの力があると考えられてきた果物ですが、現在では一宮市の北部を流れる木曽川の流れがかつて真清田神社近辺へ来ていた時代には、神社の周りに生えていた桃の小枝に自らの厄を託して流していたそうです。ですが現在では木曽川の流れが変わってしまっているため、桃の小枝を各所に添えて桃花祭が実施されています。
境内へと視線を返すと、社殿外へ出たお神輿が台車に乗せられていました。近年は台車に乗せての神輿渡御となっているとのことです。
鳳凰が屋根に付けられ、準備万端!いよいよ出発となります。
神輿行列が商店街を進む
お昼の12時を迎えたところで、たくさんの女騎馬武者が登場。神幸行列を先導して、一宮の街中へと進んでいきます!
こちらは鎧兜を付け、まさに武者と言う様相です。女性が中心というのも、元々桃の節句に合わせて開催されていたお祭りという雰囲気がありますね!
お神輿も渡御をスタートしました!
楼門、鳥居をくぐり、街中へと繰り出していきます!
鳥居の正面に広がるのは、アーケード商店街。全長約500mの商店街を威勢良く進んでいきますよ!
商店街の中では、時折このような小休止も。たくさんの馬を見ることができる、一年に一度の風物詩ですね!
黒々と凛々しい馬の姿も。他には白や茶の馬がいました。
騎馬武者行列に続くのは、巫女や雅楽を演奏する方々です。商店街中に演奏と馬の鳴き声が響き渡ります!
真清田神社の桃花祭。御神幸行列が一宮のアーケード街を進みます!
お神輿に桃の小枝が添えられているのも注目です!#愛知 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/wbsFMunQgW— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 3, 2023
その後方からお神輿がやってきました!
アーケードを抜け、光を浴びたお神輿。美しいですね!
ここからはさらに真っ直ぐ続く鮎鮓街道(あゆすしかいどう)を900m程進み、御旅所を目指します!ちなみに鮎鮨街道は徳川家康をはじめとした江戸の将軍へ鮎鮨を献上するための道で、岐阜と熱田を繋ぐ尾張街道の別名とされています。当時は一宮にも鮎鮨を扱う問屋が設置されていたそうですよ。
御旅所に到着
鮎鮨街道沿い、冨士三社境内にある御旅所へと神幸行列が到着しました!明治時代初期まではこの鳥居の右方面へ続く鮎鮨街道へ、真清田神社の一の鳥居も設置されていた場所になるんだそうです。
お神輿もやってきて、鳥居をくぐります!
たくさんの馬に見守られる中、お神輿が参道を進んでいきます!
尾張国一之宮、真清田神社の例祭である桃花祭が開催されています!たくさんの馬に見守られる中、お神輿が御旅所へ到着しました!#愛知 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/XC4AQa6aAx
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 3, 2023
御旅所の所定の位置へとお神輿が到着!ここからは神事の御旅所祭が執り行われます。
祝詞奏上やお祓い等が実施されていきました。
御旅所祭が終わると、暫しの休憩。武者を乗せてきた馬も間近で見ることができますよ!(馬を興奮させないようにご注意)
馬の塔が付けられた馬も休憩中です!
社務所の馬の塔は古風な装い。金の龍は迫力があります。
休憩が終わり再び行列の出発です。今度は真清田神社へと帰る行程になります。
お神輿も出発します。
アーケード商店街まで帰ってきました。沿道には往路よりもたくさんの人が集まって行列を見守っています!
アーケードを抜けたら真清田神社はまもなくです。この後は宮入りを済ませ、還御祭が行われ、今年の桃花祭は終了となりました!
限定情報・アクセス
桃花祭の開催に合わせ、社務所では桃花祭限定の”桃花守”の頒布が行われていました。行列に参加していた方々のように、桃の小枝を手に入れることができますよ。こちらを手に入れ、厄除けを祈りたいですね!
また春限定の御朱印には、桃花祭の神幸行列やお神輿が描かれ頒布されています。こちらも要チェックです!
■尾張一宮駅へのアクセス
・名古屋駅からJR東海道本線快速で12分
・岐阜駅からJR東海道本線快速で8分
■尾張一宮駅から真清田神社へのアクセス
・徒歩で約8分
毎年4月3日に開催される尾張国一之宮 真清田神社の桃花祭。ぜひ馬の活躍やお神輿の渡御を見に来てみてください!