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豆まき不要でコロナ禍にぴったりの節分イベント「追儺」をやってみた!

豆まき不要でコロナ禍にぴったりの節分イベント「追儺」をやってみた!

昨年に引き続き、今年もコロナ禍のまっただなかで節分を迎えました。
ちょうどオミクロン株という鬼がそこらじゅうで暴れているタイミングなので、ここはひとつ威勢よく豆まきをして、家や会社から疫鬼を追い出し、無病息災・開運招福といきたいところですが、豆まきをするとなると…

●豆を手づかみでばら撒く
●「鬼は外!」と大声を出す
●落ちた豆を拾って食べる

という、感染防止の観点だとハイリスク行動のコンボやないかーい!おまけに「鬼役を決めて豆をぶつける」というのもパワハラ案件ぎみでコンプラ的にアウトでは。。。

じゃあどうする?と色々調べたところ、何と大昔の節分行事が、何周か回ってコロナ禍の今に合いそうなことを発見!実際にやってみたので紹介します!

そもそも豆まきって必要?元来は豆まきナシの「追儺」

手前ミソで恐縮ですが、日本のお祭りや年中行事については詳しいオマツリジャパン。
節分の意味や、豆まきの歴史と目的、やり方までバッチリ解説する記事があるので、フルで知りたい方はこちらから記事をご覧いただくとして、必要な部分だけ要約すると、

節分の行事は、元は中国から伝わった「追儺(ついな)」というもの。
平安時代の宮中では、方相氏(ほうそうし)と呼ばれる呪師に扮した大舎人が、豆はまかずに見えない疫鬼を追い払う追儺式が行われていた。

ということです。何と!元々は豆なんてまかずに鬼を撃退していたんですね。しかも、この古式ゆかしい追儺式(別名・鬼やらい)は、実はいくつかの神社で現代まで脈々と行われています。そのうちの1つとして、こちらのビジュアルとともに有名なのが京都の吉田神社の追儺式。

なんですかこのインパクトは!手に矛と盾を持ち、先頭で鬼殺隊を率いるのが方相氏です。え?どう見ても鬼そのものにしか見えない?…確かに(笑)

方相氏は鬼にもまさるスーパーパワーの持ち主で、黄金の四つ目で何でも見通せるのでこのようなお面らしいのです。しかし、それがあだになって次第に方相氏が鬼と同一視されるようになってしまい、何と儀式で鬼の役として追われるようになり、現代の節分の豆まきの原形になってしまったのだとか…。

そんな悲しい大誤解のエピソードも含めて、気になりすぎる方相氏。というわけで節分で追儺式を再現してみることに。もちろん方相氏が一番輝いてた時代の儀式をやってみます!

方相氏も儀式の内容も様々。お手本にしたのは…

調べてみると、長い年月の間に方相氏の見た目も、追儺の儀式の内容も神社ごとに独自の進化や発展を遂げていて、様々なバリエーションが存在することが発覚。

そこで、どことなくマイケルジャクソンみが漂う方相氏の見た目と、儀式の内容が再現しやすそうという理由で、京都の平安神宮の「大儺之儀(だいなのぎ)」をお手本にしてみることに決めました!

 

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残念ながら今年は中止となりましたが、現在、平安神宮で毎年節分の日に行われている「大儺之儀」は、平安時代当時の式次第から作法、祭具、衣装に至るまで、昭和49年に綿密な時代考証の末に復元したものだそうです。

それを再現しようとはあまりにも恐れ多く、もちろん完全再現できるわけもないのですが、それっぽく作った道具とほぼほぼ気合いだけで、オフィスの疫鬼と邪気を見事に祓ってみせましょうぞ!では、オマツリジャパン版の追儺式スタートです!

杖がしなり、弓矢がうなって鬼を追い詰める!

まず、入場したのは殿上人(でじょうびと)役の2人です。
桃の木には邪気を払う力があるとされ、桃から作った杖を振ってその場にいる疫鬼を外へと追いやっていきます。

表情は真剣そのもの。力いっぱい振り下ろせば、ただ紙を丸めた筒とは思えないほどブン、ブンといい音がします。

見える、鬼が見えるぞ~!室内の主要な場所で杖を振って、鬼はすっかり弱体化しています。

そこですかさず、上卿(しょうけい)役の2人にバトンタッチ。桃で作った弓に、これもまた邪気を払う効果があるという葦でできた矢をつがえます。

ビュン!ビュン!
まさかの●outubeで見つけた方法で作った弓矢とは思えないほどの飛距離と威力です!

逃げ惑う鬼たちを逃がしゃーしません。

四方に散った鬼たちも一網打尽です。

悪鬼滅殺。ほとんどの鬼が虫の息になったところで、主役の方相氏を迎えます!

主役の方相氏が登場!一番の武器はなんと…声!?

衣装は有り物の布と帯、一番苦労しそうだったお面のデータも奇跡的に●witterで拾えたので、見た目はかなり寄せることができた方相氏。

100均グッズと段ボールを駆使したドラクエみ満載の盾をたずさえ、矛を鬼どもに向けて

鬼めぇ~~~!行っくぜぇーーーー!(何キャラ?)

いよいよ方相氏の攻撃ですが、実は

矛と盾を打ち付けてガツンと鳴らし、「鬼やろう」と叫ぶ。

これを3回行うのです。「鬼やろう」とは、追儺の別名・鬼やらいの動詞形で古語の「鬼遣らふ」を、声に出して読み上げた言葉になります。

何と、ここまできて、感染防止とは真逆の声出し!

しかし、現代では自分で声を出さなくても、代わりに声を出してくれる文明の利器があるのが嬉しいところ。ここまでの儀式の内容や衣装、動きなどは、すべて実際の平安神宮の過去の大儺之儀の動画を見ながら再現していたので、本物の声をここで流せばOKなのです。

下記の動画だと、ちょうど2分すぎくらいの場面です。(その後、8分10秒くらいまでが大儺之儀となっています)

こうして無事に疫鬼を一掃し、撃退させた方相氏。その表情からは安堵と充実感さえみなぎっているかのようです。重大なミッションを終えてひとこと。「スマホの待ち受けにしても、いいよ♡」

邪気を払った清浄なる空間で食べる恵方巻が美味!

近年すっかり節分の行事食として全国的に定着した「恵方巻」。その年の恵方を向いて、丸かぶりしたまま一言もしゃべらずに最初から最後まで食べ切るというこの巻きずしは、偶然にもコロナ禍にはぴったりの食べ物ですね。

追儺式で鬼たちを撃退し、邪気を払ったオフィスで食べる恵方巻のなんて美味しいことよ!
いやー、美味しすぎるでしょ。あれ?おなかが空いてただけなのか…?

大仕事を終え、すっかりチルアウト中の方相氏にも恵方巻をおススメ。

「おひとついかがですか?」

衣装を着替え、オフタイムに戻った方相氏さん。恵方巻を美味しくいただきました。

ちなみに自宅で追儺式をやるとき、お父さんとお母さんがどちらも方相氏をやりたがった場合、面倒くさいのでどちらにもやらせてあげると、ちょっぴり夫婦漫才っぽくなるから気をつけよう(笑)

まとめ

今回は、コロナ禍にぴったりの節分行事「追儺式」をやってみましたが、いかがだったでしょうか。

感染拡大のハイリスク行動といえる、豆を手づかみでまく、大声を出す、豆を拾って食べる、さらには、誰かを鬼役にして豆を投げつける。これらをしなくて済むどころか、そもそも豆まきをしなくても鬼を追い出し邪気を払うことができるのです。これぞニューノーマルな節分行事になる!?かもしれません。

家族で行えば、全員がそれぞれ役割分担をして、力を合わせて一つの目標を達成する喜びも味わえますよ、きっと。興味を持った方は、ぜひ試してみてくださいね。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
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