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サンタの次に家にやって来る!?大晦日やお正月に訪れる神様たち!

2021/12/26
2024/3/8
サンタの次に家にやって来る!?大晦日やお正月に訪れる神様たち!

クリスマスも終わり、ツリーを片付けて一気にお正月の準備にとりかかっているお家も多いのでは?門松やしめ飾りを飾るのは、新年に年神(としがみ)さまをお迎えするためだと聞いたことがある方も多いかもしれませんね。

年に一度、私たちの元にやってきてくれる神様を「来訪神(らいほうしん)」と呼びます。
年神さまも来訪神の一種にあげられますが、「年末年始に家でくつろいでいたら、目に見える姿形をした年神さまが家に来た!」という方はほぼいないでしょう。一方で、地域特有の来訪神がリアルな姿形をともなって本当に家や集落にやって来る場所も、日本の各地にあるのです。

そこでこの記事では、来訪神がやってくる行事が年末年始に行われている地域と、どんな神様がやってくるのかをご紹介します。

そもそも来訪神とは?

来訪神について、もう少し説明しましょう。来訪神とは一年や一定期間のうちのある決まった時節にやってきて、人々に幸福や五穀豊穣、無病息災をもたらすとされる神様または神様の使いです。

日本のみならず世界各地に多種多様な来訪神の伝承があり、行事が行われ、今も大切に受け継がれています。ちなみにサンタクロースも来訪神の一つとする説もあるようです。

先ほど年神さまも来訪神の一種といいましたが、年神さまの正体は、稲作で豊作をもたらしてくれる田の神様への信仰と祖霊信仰が合わさって、各家のご先祖様とされています。現代における行事としては、各家庭ごとにお正月飾りを飾ってお迎えし、神棚や神様に対して手を合わせ祈るというわずかな風習が残っていることがほとんどになりました。

一方で、来訪神をお迎えする行事や祭りが色濃く残る場所では、その地域の者が仮面や仮装などで異形の姿の来訪神に扮し、家々を訪れては怠け者を戒めたり、人々に幸福がもたらされるようお祈りしたりします。

ここで冒頭の写真の答えにもなりますが、日本で一番有名な来訪神は秋田の「ナマハゲ」です。

2018年には、ナマハゲをはじめとする日本の来訪神行事10件が「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコ無形文化遺産に登録されています。そのうちの4件が、現在の暦で大晦日と1月中にやってくる来訪神ですので、ここからは1つずつご紹介していきます。

【ナマハゲ】怠け者を戒め、厄を払い無病息災と豊作をもたらす

秋田県男鹿半島に伝わるナマハゲは、日本を代表する来訪神です。ナマハゲは鬼のような面とワラミノの衣装を着け、毎年大晦日に集落の家々にやってきます。

囲炉裏にあたってばかりの怠け者には、秋田の方言で「ナモミ」と呼ばれる火ダコができます。ナマハゲは手に農具や出刃包丁を持ってナモミを剥ぎ取りにくるのですが、「ナモミ剥ぎ」がなまったのが「ナマハゲ」の名前の由来だそう。

「泣く子はいねがー」などと子どもを脅かしながら、厄を払ってまわる年末行事は地域では恒例です。決して子どもたちを驚かせるのが目的ではなく、本来は子どものみならず怠け者を戒める存在であり、家の中の悪霊を払い、無病息災や豊作などを祈願する行事となっています。

ナマハゲについてより詳しく分かる「ナマハゲ完全ガイド」はこちら!

【トシドン】島の人々から愛され、家庭に幸福をもたらす

トシドンは鹿児島県薩摩川内市の下甑島(しもこしきじま)に伝わる来訪神です。大晦日の夜に「悪い子はおるか~、扉を開けえ」と子どもを探し、子どもを見つけると向き合って良いところを褒めたり悪いところを叱ったりします。ほとんどの子どもは大泣きです。

子どもと会話を交わした後は、悪いことはしないと約束をさせ「年餅」を授けて帰っていきます。この年餅を食べることで子どもは元気に成長できるといわれています。

トシドンってどんな来訪神?現地からの行事レポートはこちら

【アマハゲ】ナマハゲの親戚?新年をより良い年にしてくれる

アマハゲは山形県遊佐町の女鹿・滝ノ浦・鳥崎集落に伝わる来訪神です。
アマハゲをお迎えする行事は、正月の1日・3日・6日に各集落で順番に行われます。秋田のナマハゲとよく似ており、由来や起源もほぼ同じとされています。

町の若者が仮面を着けてアマハゲに扮し、太鼓打ちや笛吹きなどの同行者を伴いながら各戸を訪れ、子どもや怠け者を戒めたり、お年寄りの長寿を祈ったりします。

【スネカ】動物のような仮面とアワビの殻をつけてやってくる

スネカは岩手県大船渡市吉浜地区に伝わる来訪神で、1月15日の小正月の晩にお迎えの祭りが行われます。異形の姿をした神が家々を訪れ、泣く子や怠け者を戒めるという点は、秋田のナマハゲと共通しています。

しかし、スネカの特徴ともいえるのが、イヌやウマなどの動物が鬼化したと思わせる独特の仮面を着けていることと俵を背負っていること。また、叫び声をあげるナマハゲとは違い、スネカは衣装に地元特産のアワビの殻をつけており、殻が立てる音がスネカの来訪を知らせる合図になっています。

スネカはナマハゲとどう違う?詳しくはこちら

大晦日以外でも、観光客でもナマハゲに会える!なまはげ柴灯まつり

「なまはげ柴灯(せど)まつり」は、秋田県男鹿市北浦の真山(しんざん)神社で行なわれる「みちのく五大雪まつり」の一つです。
900年以上前から毎年1月3日に真山神社で行われている神事「柴灯祭(さいとうさい)」と、民俗行事のナマハゲを組み合わせた冬の観光行事として昭和39年に始まり、毎年2月の第二土曜を含む金・土・日の3日間開催されています。

真山神社境内に焚き上げられた柴灯火のもと、雪山からおりてきたナマハゲたちが繰り広げる勇壮で迫力のある乱舞やなまはげ太鼓は、訪れた人を魅了します。2022年は2月11日(金)から2月13日(日)の18:00~20:00の日程で行われる予定です。

オマツリジャパンでは、祭りを通じてその地域をより深く知り、人々に出会ってつながる「祭り留学」を開催中。「なまはげ柴灯まつり」やナマハゲに関わる方たちからお話が聞けるオンラインイベントを2022年1月14日(金)の18:00~19:30に行います。家にいながら生のナマハゲ文化を感じられる貴重な機会です。ぜひふるってご参加ください。

なまはげ柴灯まつり直前オンラインツアーや祭り留学の詳細はこちら!

ゴジラ岩やツーリングコース、新鮮魚介グルメなどナマハゲ以外にも男鹿は見所満載!

まとめ

この記事では、日本各地に伝わる来訪神のうち大晦日やお正月にやってくる来訪神を紹介しました。

来訪神は一般の家庭に訪れるので、観光などでは見る機会はなかなかありませんが「なまはげ柴灯まつり」のような貴重なチャンスがある場合は積極的に活用したいものですね。

来訪神行事が行われる地域の博物館や郷土資料館などでは、来訪神の面や衣装、貴重な資料などが展示されている場合もありますので、気になった方やお近くに行かれる方はぜひ調べて足を運んでみてはいかがでしょう。

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