Now Loading...

吉田の火祭りを陰で支える若手!「祭典世話人」制度とは?

更新日:2024/3/5 りかちゃん
吉田の火祭りを陰で支える若手!「祭典世話人」制度とは?

山梨県富士吉田市で毎年8月26日、27日(開催日固定)に開催される吉田の火祭り
富士山信仰に基づき、‟富士山の山終い”と言われるお祭りです。境内に灯される80本を超える大松明の迫力と富士山人気に伴い、年々祭り来場者が増えているお祭りでもあります。

今回は、吉田の火祭りを陰で支える「祭典世話人」の祭り準備の様子を取材してきました!その制度の歴史と、今年の祭典世話人が祭り準備に汗を流す様子をフォトレポートでお届けします!

吉田の火祭りとは?

Wikipediaより引用

富士山の登山口として有名な北口本宮冨士浅間神社と、その摂社である諏訪神社のお祭りです。神輿渡御の他、様々な神事が行われ、クライマックスは境内に80本以上灯される「大松明」!松明の炎と富士山が相まってとても幻想的な雰囲気に包まれます。

祭典世話人制度とは?

Wikipediaより引用

北口冨士浅間神社のホームページによると…

世話人は、浅間神社の主要な年間行事にさまざまな形で関わり、奉仕を行ってそれらを支える任務を負う。とりわけ火祭は、もっとも重要な奉仕活動の機会であって晴れ舞台でもあり、名誉ある役職そして祭りの顔役としての尊敬を受けることの反面、長老格での祭役ということではないので、氏子住民や神輿の担ぎ手であるセコ(勢子)らに対しては、あくまでもへり下った態度で接し、まったくの奉仕精神にもとづいて下働き役をつとめる。※http://www.mfi.or.jp/himatsuri/sewa-nin.html より引用

このように書かれています。
祭りの中で一番大変な作業を担う実働部隊…といったところでしょうか。
また、いつ頃からこの「祭典世話人」制度が存在しているのか?はっきりとした歴史は不明ですが、現存する資料で一番古いものは明治時代のものだとか。少なくとも明治時代からはこの制度があったことが分かります。

お祭りのために奔走する青壮年たち…吉田の火祭りは彼らの存在無くして語れません!

祭典世話人に選ばれる条件


揃いの法被に身を包んだ祭典世話人たち

祭典世話人は氏子地域に住む~42歳(厄年)までの青壮年の男性に限られ、かつ既婚者であるという条件がつきます。これは協賛金を集めたりする上で相当な金額を管理することになるため、お金を持ち逃げされては困る…ということから「既婚者に限定」という条件がついたのだとか。

氏子地域は富士吉田市の中でも「上吉田地区」と呼ばれる地域で、更に上町、中町、下町(中曽根)に分かれています。

・上町:4名
・中町:4名
・下町:6名
★計14名

それぞれの氏子地域から総勢14名の祭典世話人が毎年選出され、1年の任期を務めます。

祭典世話人の仕事

協賛金集めから松明造りにかかるもろもろの準備、氏子地域などへの挨拶回り…など、その仕事は多岐に渡ります。
祭り当日は、もろもろの神事の進行役であったり、松明への点火も世話人が担当。
祭りに関わるあらゆる仕事をしている…と言えます。

⇩ コチラの動画に祭典世話人の仕事についてまとめられています!

祭典世話人の一年

祭典世話人は、毎年1月の任命式で正式に祭典世話人として任命をされます。吉田の火祭りは8月開催ですが、8月だけでなく、様々な神事やその準備にかかり切りとなるため、1年を通して祭りのために奉仕していることになります。

7月の松明結初式を終えると、ここから本格的な吉田の火祭り期間に入ることになり、期間中は夫婦の営みは一切禁止!これは祀られている神様が「コノハノサクヤヒメ」という女神様のため、ヤキモチを妬かせないようにするためなんだとか。(厳しい~!)

また世話人を務めた人は、次の代の世話人を見つけてくるまでが任務。任期が終わる12月頃になると、次の世話人を探すために日参して説得…ということもあるんだとか。
また、今年世話人を務めた人は「現世話」と呼ばれ、昨年世話人を務めたOBのことを「旧世話」と呼びます。旧世話(OB)は、現世話たちがしっかり祭りの準備が出来ているかを陰ながら支えたり、手伝ったりしているそうです。

<大まかなスケジュール>

1月15日:祭典世話人 就退任奉告式
2月:節分祭
3月: ⇒協賛金集めがスタート!企業が来年度の予算を組む前に、話をつけておくんだとか。
4月:
5月:
6月30日:富士山開山前夜祭
7月1日:富士山開山祭 ⇒ 吉田の火祭りは山終いのお祭りですが、開山祭は山開きのお祭りとなります。
7月中旬:松明結初式 ⇒ ここから吉田の火祭りがスタートし、祭り期間に突入!
8月17日:松明設置 ⇒ お盆が明けると、火祭りの直前準備にかかり切りになります。
8月26日:鎮火大祭 ⇒ 俗に言う「吉田の火祭り」のことです。
8月27日:すすき祭
8月28日:御旅所・神楽殿解体

祭典世話人のスケジュールについては、北口本宮冨士浅間神社にて神職を務める田邉さんにお話を伺いました。神職でありながら、祭典世話人OBでもある田邉さん。吉田の火祭りの歴史について、田邉さんにインタビューさせていただきましたので、こちらも合わせて是非ご覧ください♪

北口本宮冨士浅間神社:田邉さんのインタビュー記事はコチラ

令和元年の世話人をご紹介!

今年の祭典世話人が、祭り準備を行う様子をフォトレポートでご紹介♪

・・・

 

ここでお伝えしたのは、祭典世話人が行う祭り準備のごく一部。とてもすべてはお伝えしきれません!吉田の火祭りにお越しの際は、ぜひ松明だけでなく、祭りの進行・運営に汗を流す「祭典世話人」たちの姿を探してみて下さい。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
面白い祭りは山奥にあり。出身地の長野県愛強め。祭りと温泉とお酒が好き。

オマツリジャパン オフィシャルSNS

あわせて読みたい記事