Now Loading...

「長谷の牛玉授け」魔除け護符「牛玉」を授かる|観光経済新聞

2020/8/29
2020/10/1
「長谷の牛玉授け」魔除け護符「牛玉」を授かる|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2020年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

魔除け護符「牛玉」を授かる

2月の第3土日に鳥取県倉吉市で行われる「長谷の牛玉(ごおう)授け」を見に長谷寺へ足を延ばしてみた。長谷寺は打吹山城西側中腹にあり、急坂を登ると室町時代後期の建造物が現れる。その本堂で、梁の上から投げ込まれる「福木」を取った人には、「牛玉」が授けられ、商売繁盛、五穀豊穣、家内安全のご利益があるといわれている。

投げ込まれる福木は全部で12本。うるう年には13本が投げ込まれる。護摩法要などを経て、牛玉授けの福木授与は午後10時から。参拝者が誰でも福木を授かるチャンスがあり、女性でも子どもでも年配者でも参加可能だ。本堂の梁の上から投げられる福木を奪い合うので、皆がこぞって両手を上へ上へと伸ばし、足元はふらふら。人波に身を任せる状態になる。

はじめは見学のつもりだった私だが、2月の肌寒い中にもかかわらず、参加者たちの顔が次第に高揚していく独特の雰囲気に興奮して結局参加することにした。

参加して分かったことは、人と人がぶつかり合うので痛いのかと思っていたら、「おしくらまんじゅう」状態だということ。

福木が投げ込まれるたびに、それを奪いに右へ、左へ。動き回るうちに体がポカポカして、自然と笑顔になり、それ見て周りも笑顔になっていくのだ。なんとか手元に落ちれば取れるだろうと思い、必死に手を伸ばす。

私が参加した年はうるう年だったので、特別な13本目の投下時には消灯となって、気合を込めて奪い合う。結果、取れた福木は0本だったが、牛玉を授かった方々を祝福して、参加者と感想を話し合いながら帰路についた。

昔は激しく争奪戦が行われ迫力があったようだが、今は誰でも参加できる雰囲気が良かったと思った。牛玉は授かれなかったが、無病息災を願う気持ちは同じだ。女性も、子どもも、年配者も。誰でも参加できる「長谷の牛玉授け」を体験してみてはいかがだろうか。

観光経済新聞のWEB版記事はこちら

タグ一覧