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「湊川神社初午祭」浄め湯が飛び交う湯立神事|観光経済新聞

2020/8/22
2020/8/28
「湊川神社初午祭」浄め湯が飛び交う湯立神事|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2020年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

浄め湯が飛び交う湯立神事

 神戸駅へとやって来ている。神戸は言わずと知れた関西の大都市、また兵庫県の県庁所在地である。港町の夜景や、レトロでおしゃれな異人館の風景が神戸と聞くと浮かぶ人も多いのではないだろうか。その神戸の玄関口、神戸駅から北西へ5分弱歩くと見えてくる森がある。今回の目的地、湊川神社だ。

 湊川神社は明治5年(1872年)創建で、鎌倉時代末期から南北朝時代に活躍した武将、楠木正成が主祭神として祭られている神社。神戸という大都会の中にありながら木々が生い茂り、オアシスのように美しい境内を持つ。

 この湊川神社で2月最初の初午の日に行われる初午祭がなかなかユニークらしい。初午というお祭りは稲荷神社にとって重要な祭事の一つとして知られているが、起源には稲荷神社の総本社、伏見稲荷大社が関係している。主祭神の稲荷大神が伏見稲荷大社裏の稲荷山へ降り立った日が2月の初午の日だったことにちなんで行われるんだとか。

 さて湊川神社だが、境内にある楠本稲荷神社が初午祭の舞台だ。真っ赤に連なる複数の鳥居が社殿へといざなう。お祭りが始まる午前11時を迎え、厳かな雰囲気の下、神主と巫女が一列に並び登場。まずは社殿内で神楽などが執り行われていく。巫女が舞うたびに扇に付いた鈴の音が境内に広がり、神聖な雰囲気に包まれる。

 続いて行われるのが湯立神事。境内にはすでにグツグツと煮立つ大きな釜が置かれている。釜の前へ進んだ巫女は何をするのか。まずはお米を入れていく。次に酒を入れ、竹竿で混ぜていく。そのお湯を柄杓(ひしゃく)ですくい社殿へ奉納。ここからが驚きのはじまり。なんと巫女が笹束を湯の中へ入れ、勢いよくしぶきをまき散らす。境内はもとより、参拝者へもどんどんしぶきをかけていく。このしぶきをかけてもらうことで、罪ケガレをはらうことができ、家内安全、商売繁盛、無病息災のご利益をいただくことができるんだとか。ありがたく、ユニークな神事を体験できた。

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