福井県南西部に位置し滋賀県と隣接する三方郡美浜町。若狭湾に面し、その名の通り美しい浜がある町です。美しい海だけでなく、湖もあり、水が織りなす景観や恵み、文化には様々な”美”を見つけることができます。
関西圏、北陸圏からのアクセスがよく、さらに北陸新幹線延伸で関東圏からのアクセスも短縮される”美惑(みわく)の町”をご案内します。
美浜はその名の通り、美しい浜がある町。美しい海と湖、水が織りなす美しい景色が”美惑的”です。
「日本の水浴場88選」に選ばれたビーチ「水晶浜」 海水浴客で賑わう夏だけでなく、キラキラと輝く砂浜と絶景、夕日も美しく年中を通して人々を”美惑”しています。
”水晶浜”の名前の由来ともなった、キラキラと白く透き通る砂浜。この砂に含まれる花崗岩(かこうがん)には”水晶”が混ざっていることも。砂粒サイズになっているので判別は不可能ですが、本物の水晶があるかもしれない?!
美しい砂浜だけでなく透明度の高い海も水晶浜の”美惑”。日の当たり方によっては海の色がエメラルドのようにも見え、まるで南国のよう。
敦賀半島の西側に位置する水晶浜の”美惑”の一つは若狭湾に沈む夕景。日中はエメラルドに輝くような海が、日暮れとともに時々刻々とその色を変化させていく様は感動的。
文字通り5つの湖から構成される三方五湖。それぞれ水深や塩分濃度が異なり、水面の色も微妙に違って見え五色の湖ともいわれています。三方五湖は平成17年11月8日にラムサール条約湿地として登録されており、水鳥の重要な生息地となっています。四季折々に変化する美しさは古くは万葉集にも詠われています。
その塩分濃度から淡水湖、汽水湖、海水湖に分類される三方五湖。美浜町に属する久々子湖(くぐしこ)は水深が浅い汽水湖。国体のボート競技が開催されるなど、ボート競技が大変盛んです。海水湖の日向湖は日本海に接し、1月に開催される水中綱引きは国選択無形民俗文化財に指定されています。
五色の湖と日本海を一度に観られる絶景ポイントが”レインボーライン山頂公園”です。「三方五湖に浮かぶ天空のテラス」をコンセプトに設置されたテラスには、カフェやレストランが併設。雄大な景色とともにドリンクやスイーツが楽しめます。
日本海と三方五湖全ての湖を一度に観ることができる唯一の展望台「美浜テラス」には足湯とカウンターが設置されています。クールジャパンアワード2019にも選ばれた絶景足湯で心も体もリフレッシュ。
若狭湾に接する美浜町では漁業も盛ん。若狭地域はかつて「御食国(みけつくに)」と呼ばれ、朝廷へ海産物などの食材を送る役割を担っていました。
入り組んだ海岸線(リアス式海岸)と対馬海流がぶつかる若狭湾は大変豊かな漁場となり、ブリやアジ、サバなど数多くの種類の魚が水揚げされる他、養殖も盛んです。
保存食として福井県若狭地方で親しまれている”へしこ”。魚をヌカ漬けにしたもので、なかでもサバを使ったものが代表的。刺身にしても焼いてもお茶づけにしてもおいしい。漬け込んだヌカそのものを調理に使ったり、様々な食べ方とともに地域の食文化に根付いています。
淡白ながら脂がのり甘味のある甘鯛。若狭湾で獲れる甘鯛は京都では”若狭ぐじ”と呼ばれ高級食材のひとつに数えられます。煮物、焼き物、蒸し物、お吸い物など様々な料理との相性がよく京料理を代表する魚です。
冬の日本海の荒波を泳いできた寒ぶりは、身が引き締まり脂ののりがよく抜群の肉質を誇ります。餌の豊富な若狭湾で育ったものは品質が良く、美浜町日向で水揚げされ「活け越し」「血抜き」「神経抜き」処理を行い、重さが8kg以上で魚体が優れているものは”若狭美浜寒ぶり・ひるが響”と呼ばれています。
三方五湖のひとつ日向湖(ひるがこ)は日本海に接した海水湖。漁村の原風景が残る湖で、穏やかな環境を活かした畜養が行われています。水揚げされるトラフグは地域を代表する魚のひとつ。若狭地域一帯で獲れるトラフグは”若狭ふぐ”として商標登録されており、小ぶりで引き締まった肉質を持ち愛されています。
海や湖の資源に恵まれ栄えてきた美浜町には、人々のくらしに密接に関わるお祭りがいくつも行われています。
三方五湖のひとつ日向湖(ひるがこ)と若狭湾を結ぶところにかかる日向橋で、毎年1月に行われる行事。豊漁祈願や”年占い”の意味をもつ綱引き行事は全国で見られますが、真冬の水中で行われるものは非常に珍しい。豊漁への願いを込めて行われています。
日吉神社と水無月神社の祭礼。御神体が移された神輿を船にのせ会場を巡行するお祭り。船上では賑やかなお囃子が演奏されます。海とともにある美浜の暮らしを思い起こさせる象徴的なお祭りです。
五穀豊穣を祈り奉納される”王の舞”が特徴的なお祭り。宮廷で行われる舞楽に由来するとされ若狭地域で見られるものですが、彌美神社の王の舞は孔雀の羽根や赤いちりめんの着物が美しい。また、神輿の代わりとも呼べる”御幣”を「上げ」「下げ」との掛け声とともに参道を往来する”大御幣押し”は迫力があります。