一戸(いちのへ)、二戸(にのへ)、三戸(さんのへ)……
この青森から岩手にかけて存在する、数字の後に「へ(戸)」が付くという地名ですが、皆さんは一度は耳にしたことがあるかもしれません。なかでも青森県の「はちのへ(八戸)市」は青森市に次ぐ人口を誇るので、知名度は高いと思います。さて、そんな「戸(へ)」シリーズですが、唯一「よんのへ(四戸)」だけがないんです。
「「死」を予想させる数字だからスキップしたんでしょ」と思ってしまいそうですが、どうもそうではないようです。過去には「四戸」もしっかりとあったという話もあります。
言い伝えによりますと、かつてはしっかりと一戸から九戸までナンバリングされていたとのことですが、戦国時代にこの土地を治めていた櫛引氏という武将が負けてしまったことにより、その地名も自然と消滅してしまったのだとか(諸説あり)。ですので「四戸」だけがない理由は、縁起が悪いから作らなかったということではなく、たまたま結果的にそうなってしまったということになります。
絵本「11ぴきのねこ」の街としても知られる三戸町
話は変わりまして、そんな「へ」シリーズの中の一つである「三戸町」、この町は絵本「11ぴきのねこ」の街としても知られています。というのも、三戸町は絵本の作者である「馬場のぼる」さんの生地なのです。
そのため三戸町では、町興しの一環として、出版社、商店街、役場が一丸となり、11ぴきのねこの石像や各商店の店頭幕、ラッピングバス・電車の運行など、いたるところで「11ぴきのねこたち」に出会うことができます。絵本のファンならずとも、そのほっこりするキャラクターを見るだけでも幸せになれそうです。
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最後に、三戸町にちなんで、この地域で秋に開催されるおすすめの祭りをご紹介します。それが、9月上旬に開催される「さんのへ秋まつり」です(2023年は9月22日~24日にかけて開催)。
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各町内会が1カ月以上かけて制作する、武者絵巻を題材とした豪華絢爛な人形山車が、町の中心街を練り歩きます。三戸大神宮例大祭での神輿渡りに起源を持ち、約250年前から続く南部地方独特の山車祭りとなります。
また、中日には保育園児らによるお遊戯、小中高生によるブラスバンド演奏、中高学生のよさこい、婦人会による流し踊りなどのパレードが開催され、盛り上がります。ねぶた祭りとは、また一線を画したこのお祭り、ぜひ「11ぴきのねこ」とあわせて見に行ってみてはいかがでしょうか。
参考記事:
「戸(へ)の由来」(岩手県庁)
「春夏秋冬さんのへまつり」(三戸町観光協会)
「さんのへ秋まつり」(旅東北)