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「平笠裸参り」全国でも珍しい女性の荒行|観光経済新聞

更新日:2022/7/31 minta
「平笠裸参り」全国でも珍しい女性の荒行|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2022年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

全国でも珍しい女性の荒行

平笠裸参りは岩手県八幡平市で、毎年1月8日に無病息災、家内安全、五穀豊穣を祈願し行われるお祭りだ。昭和56(1981)年3月には八幡平市指定の無形文化財に指定されている。

祭りの由来は、享保4(1719)年、岩手山噴火の鎮静化を祈願するため、男性だけで行われたのが始まりと伝えられている。岩手山は1732年に噴火し、現在の焼走り熔岩流ができた。その後、太平洋戦争が始まり、留守を預かる女性たちにより、出兵した夫や息子の武運長久(戦場や戦闘の地で、命や幸運が長く続くこと)を祈願して行われるようになった。つまり、家族の無事を願う愛のお祭りなのである。今は、家族の健康や受験などを祈願する人もいるといわれる。

裸参りの参加者は、口に紙をくわえ、頭にサラシ、体は白い肌着、足元は白足袋に草履、腰には白い房にケンダイと呼ばれる白いビニールで作った腰蓑のようなものをつける。以前は町にあった山ポプラの葉を使用していたそうだ。

朝8時30分、裸参りの一行は厳冬の中、八幡平市平笠にある宮田神社を出発し大更の八坂神社までの約8キロメートルをおよそ5時間かけて、歩き通す。神官、のぼり、お賽銭(さいせん)、燭台(しょくだい)、お供え、お神酒、験竿・鈴の順に並び、悪霊の侵入を防ぐために口紙をして無言で歩くのである。参加者は女性が多いが、今は男性も参加している。

道中、日が差すことがあるが、吹雪くとより風が体にこたえるという。以前、裸参りに参加した筆者の友人(女性)は「とにかく寒かった。岩手山からの風に体の芯から冷えたけど気持ちがシャキとした」と話してくれた。

保存会の方々によると、「最近は、地元平笠小学校からの参加があるものの、大人の参加者が少しずつ減ってきている。参加者募集していますよ」とのことだ。お祭りが近づくと、八幡平観光協会のホームページで参加者の募集要綱を確認できる。この記事を読んで気になった方は、ぜひ参加してみてはいかが。

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この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
青森ねぶた祭りで育ち、盛岡八幡宮例大祭の優雅で粋なところにどっぷりつかり例大祭がないと一年が終わらないお祭り大好き人間です!
派手な祭り、優雅な祭り、しんみりする祭りどれも味わい深く、日本人でよかったな~と感じています。どうぞ宜しくお願いします。

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