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シンプルで元祖のようなデザインの御神印
全国各地の神社や寺院では参詣の記念に御朱印を頂くことができます。朱印帳に訪れた神社や寺院の御朱印が並ぶと、貴重な思い出となり写真とは趣の異なる味わいが滲み出てくるものでしょう。名古屋市に社殿を構える熱田神宮では、紙面の中央に社号の御神印が押されるだけの古典的な御神印が頒布されています。オリジナルの御神印帳も無駄な装飾を施すことなく、濃い緑色の地に御神紋の「五七桐竹紋」が記されるだけのシンプルなものです。
熱田神宮では本宮の南東に設けられた授与所で、御神印を頂くことができます。
授与所の窓口では各種のお札・お守りや、福槌、神鈴などの授与品が並んでいます。
景行天皇43年(西暦113年)に創建されたと伝わる熱田神宮
熱田神宮の創建は景行天皇が世を治めた113年のことと伝わります。素盞嗚尊がヤマタノオロチを退治したときにその尾から現れた、三種の神器の一つ草薙神剣(天叢雲剣)が熱田に祀られたのです。正門の第一鳥居から南北に直進する正参道沿いには、神宮1900年の歴史を紹介するパネルが並んでいます。正参道を進むと一番奥に神明造りの本宮が鎮まります。参拝者は拝殿の前で、本殿に向かって参拝します。
本宮の周囲には、「こころの小径」が設けられ、緑あふれる自然の木立の中をゆっくり散策することができます。小径沿いには数多くの社殿も鎮座しています。末社の清水社の湧き水は平安時代の末期、源平合戦で活躍した平景清の目の病気を治したと言われています。摂社の一之御前神社には天照大神の「荒魂」が祀られます。
刀剣などが展示公開される宝物館や剣の宝庫 草薙館
草薙神剣を御神体とする熱田神宮には古くより数多くの刀剣が奉納され、宝物館や草薙館で展示公開されています。
参拝の前後に味わえる「きしめん」や「ひつまぶし」などのご当地グルメ
刀体験コーナーを備えた草薙館の周囲は、くさなぎ広場が整備されています。広場の中央の池沿いには、解放感溢れるテラス席があり「宮きしめん」を食べられます。「宮きしめん」は、1923年に熱田神宮の境内で営業を始めました。現在では東海地方に8店舗を展開し、ご当地グルメの「名古屋めし」の味を広めています。
「きしめん」で物足りなければ、「ひつまぶし」の選択肢もあります。第一鳥居の南に、1873年創業の「あつた蓬莱軒」が神宮南店を構えています。人気店であるためランチタイムなどは待ち時間が長くなることもありますが、店頭で受付をすれば掲示より少し細かな待ち時間を確認することができます。神宮に参拝する前に受付をし、参拝後に食事をすることができるのです。
一年を通して開催される多種多様の年中行事
1900年を超える歴史を育む熱田神宮では、一年を通して多種多様の祭典神事や年中行事が開催されています。中でも6月の「例祭」は「熱田まつり」とも呼ばれ、献灯まきわら、花火、武道、献茶、献花などの多彩な催物が行われ、例年25万人前後の人々が訪れています。「例祭」に先立つ5月の「御衣祭」では、「大一御用」の幟を先頭に約300名の行列が東門より第三鳥居を経て本宮に向かいます。
「例祭」や「御衣祭」の他にも、5月の「神輿渡御神事」、「舞楽神事」の斎行日には境内は伝統文化の香りで包まれます。
名古屋市の熱田神宮では、シンプルな御神印が頒布されています。113年に創建されたと伝わり、一年を通して数々の祭典神事や年中行事が開催されるばかりでなく、ご当地グルメの多種多様の楽しみが満ち溢れています。