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激しい表情のお面も!千葉の民俗芸能、その印象的な展示とは?「房総のむら」に行ってきた

更新日:2021/12/5 いなむ
激しい表情のお面も!千葉の民俗芸能、その印象的な展示とは?「房総のむら」に行ってきた

千葉県の民俗芸能というと、何を思い浮かべるだろうか?神楽、獅子舞、つく舞…本当に様々な芸能が思い浮かぶ。2021年10月2日~11月23日の日程で、千葉県印旛郡栄町にある体験型博物館「千葉県立 房総のむら」で、「千葉の民俗芸能」という展示が開催された。神楽や獅子舞などの民俗芸能の祭り道具が展示されており、子供連れの家族をはじめとして、楽しんでいる姿が見られた。

今回紹介されていたのは、「登戸(のぶと)の神楽囃子」「北之幸谷(きたのこうや)の獅子舞」「鶴峯八幡の神楽」という3つの民俗芸能だ。数多くある千葉県の民俗芸能の中で、選ばれたのは3つ。とても手の込んだ内容の演目を地域の人々が伝承していることに感銘を受けた。これらの芸能とその展示の魅力を振り返る。

千葉県の民俗芸能の特徴とは?

ここで、千葉県の民俗芸能の内訳について見ておこう。現在、千葉県の無形文化財に指定されている民俗文化財は56件で、そのうち45件が民俗芸能だ。その内訳が神楽15件、風流15件、歌3件、囃子4件、能狂言5件、つく舞3件となっており、神楽と風流系の踊りが圧倒的に多いことが伺える。今回展示された民俗芸能は大きな括りだと神楽に属する芸能である。それではどのような展示だったのか?振り返っていこう。

房総のむらの展示、民俗芸能を堪能!

「千葉の民俗芸能」の会場は、千葉県立 房総のむらの古い町並みが再現された一角に位置する民家の中で行われた。味のある民家1棟が展示スペースになっている。大きな案内ポスターと開放的な入り口が目印だ。さあ、中に入ってみよう。

展示① 囃子の道具がたくさん!登戸の神楽囃子

中に入ると、芸能に使う道具がずらり。第1章では、千葉市登戸にある登渡(とわたり)神社に明治時代より伝わる神楽囃子が紹介されていた。この神楽囃子は毎年9月4~6日の登渡神社の例祭などで奉納され、「五囃子」のほか、おかめや獅子舞などで演奏される仁羽(にんば)、神輿を担ぐ際に演奏される「投合(なげあい)」など様々な曲目が見られる。

今回の展示では、皮が鋲で留められている「大胴」、縄が周りに通されている「締太鼓」、「笛」、「鉦」などの様々な楽器が展示されており、道具を一つ一つ眺めているだけでもとても賑やかな様子を知ることができた。

登戸の神楽囃子の詳細はこちら

展示② 獅子のデザインに注目!北之幸谷の獅子舞

第2章では、東金市北之幸谷にある稲荷神社で奉納が行われる2人立の獅子舞が紹介されていた。千葉県の獅子舞といえば、獅子神楽と三匹獅子舞の2種類があり、その中でも獅子神楽に属するのが、この北之幸谷の獅子舞である。

この獅子舞の演目には序の舞、平舞、四つ足、玉釣り、蛇狂い、大狂、梯子のぼりなどがあり、とりわけ大きな見せ場となるのが梯子のぼりという演目だ。10mの梯子を登り複数の獅子舞が一斉に舞うという演目があるそうで、これはぜひ拝見してみたいと感じた。展示されていた2体の獅子は大人と子供の獅子で、胴体部のデザインや耳当ての様子がとても可愛らしかった。

北之幸谷の獅子舞の詳細はこちら

展示③ 大迫力の神楽面!鶴峯八幡の神楽

第3章では、市原市中高根にある鶴峯八幡宮で10月の第3日曜日に開催される十二座神楽が紹介されていた。この神楽は12の演目で構成され、「猿田彦の舞」から始まって「山の神の舞」で終わるという流れとなっている。

途中、「浦島の舞」などの私たちがよく絵本などで見たことがあるような昔話にまつわる演目もある。また、展示されている面の数々は、激しく恐ろしいような表情で見るものを圧倒するような魅力がある。

鶴峯八幡の神楽の詳細はこちら

3つの芸能の共通点と地域内外の関わりは?

これらの3つの民俗芸能はどれも演目数が多く、祭り道具も人手も多く必要に思われる。運営はもちろん地域の人々が行なっている。青年団などの年齢制限がある形で運営しているところはなく、芸能好きなら年齢制限なく誰でも関わって良いという方法をとっているのが、ここまで継承されてきた理由の1つかもしれない。

それぞれの運営主体は「登渡神社登戸神楽囃子連」「北之幸谷獅子連」「鶴峯八幡宮十二座神楽保存会」という名前となっている。北之幸谷獅子連に関しては、地域内だけでなく地域外の人もこの芸能の担い手として参加しているようだ。

豊富な映像資料!民俗芸能をわかりやすく

これらの展示では芸能の道具の展示がメインだった一方で、展示で紹介された民俗芸能の映像も流されていた。会場は房総のむらの中にある「ふさや」という場所で、入場受付に併設されたお土産の販売なども行われているところだ。

映像によって実際に演じられている様子を見ると、まさに現在生きている芸能であるという印象を強く持つことができた。民俗芸能の演目を最初から最後まで記録しておくことで、無形文化を後世に繋ぐことができるし、子供に見せることで興味を持ってもらうきっかけにもなる。

展示関係者によれば、今回の展示はオリンピック需要などを見越して民俗芸能を紹介してみては?というアイデアから立ち上がったとのこと。コロナ禍で当初予定していた外国人観光客の見込みは望めなかったそうだが、子供連れの家族が数多く訪れていたのは印象的だった。やはり、映像や写真、祭り道具などの展示をすることで、深くまでは理解できなかったとしても印象には残る。そういう展示が、次の世代に向けて必要なのかもしれない。

これまで、千葉県立 房総のむらでは、民俗芸能に関する様々な展示や公演を開催されてきた。今後の予定に関しては、こちらのホームページからご確認いただきたい。

千葉県立 房総のむらの詳細はこちら

■千葉県立 房総のむら
住所:千葉県印旛郡栄町龍角寺1028
営業時間:午前9時~午後4時30分
休館日:原則として月曜日(祝・休日の場合は開館し、翌日休館), 年末年始
入館料:一般 300円, 高・大学生 150円, 中学生以下及び 65歳以上の方 無料
アクセス:JR成田駅から竜角寺台車庫行きのバスに乗車、「竜角寺台2丁目」で下車して徒歩10分

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この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
獅子舞マニアです。ライターやカメラマンをしています。趣味は、獅子舞の鼻を撮影することです。その他クレイジーな祭りにも潜入します。

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