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「大仏」はなぜ大きいの?世界一デカい大仏は牛久じゃない!?4月9日「大仏の日」だから巨仏についてもっと知ろう!

2023/4/5
2023/4/5
「大仏」はなぜ大きいの?世界一デカい大仏は牛久じゃない!?4月9日「大仏の日」だから巨仏についてもっと知ろう!

4月9日は「大仏の日」です。752(天平勝宝4)年のこの日、奈良・東大寺において、大仏の目に筆で瞳を描いて魂を迎え入れる儀式「大仏開眼供養会」が行われたことにちなみます。インドから招かれた僧侶・菩提僊那(ぼだいせんな)を導師に、大陸各国の音楽や舞踊などが披露され、東アジアで最大級の国際イベントとなったそうです。日本各地には、これ以後、たくさんの大仏が作られています。

奈良・東大寺の大仏

ところで、そもそも大仏とは何なのでしょう?一体何のために作られたのか、そしてどのくらいの大きさの仏像を大仏と定義しているのか。この記事では、大仏の日に合わせて、巨仏の歴史やトリビアについて解説します。

そもそも大仏とは?

大仏とは、巨大な仏像を表す言葉です。でも一体どのくらいの大きさなら大仏と言っていいのでしょう。

経典によると、仏教の開祖である釈迦(しゃか)の身長は一丈六尺(約4.8m)あったとされます(デカい!)。そのため、立像ならばこれより大きなもの、座像ならば半分の8尺(2.4m)以上のものを「大仏」と呼びます。しかし、いくつか例外もあるようです。例えば、千葉県鎌ヶ谷市の「鎌ヶ谷大仏」は、座像で高さ約1.8m。人間で言うと福山雅治さんくらいですね。地元の方々から「大仏」として愛されています。

 

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なぜ大仏は大きいのか?

では、なぜ人々は仏像を大きくしようと思ったのでしょうか。

それは、大きければ大きいほどご利益も大きくなると考えられたからです。

聖武天皇は、相次いでいた災害や騒乱を仏教の地方でおさめようと考えていました。日本全国から民の力(寄進)を集め、その力を国々に行き渡らせるには、大きな仏像である必要があったのです。

聖武天皇の御陵「佐保山南陵」

世界一古い大仏と日本一古い大仏は?

世界最古の大仏ははっきりとはしていませんが、現存するうち最も古いとされるのが、パキスタンの涅槃仏(ねはんぶつ)といわれています。作られたのは3世紀頃とされており、高さは14m。最初に発見されたのは1929年でしたが、その後88年たってから発掘が再開され出土しました。

飛鳥寺大仏

一方、日本最古の大仏は、鋳造年が絞れる仏像としては、奈良・飛鳥寺にある飛鳥大仏です。609年に一流の仏師であった鞍作鳥(くらつくりのとり)によって造られました。しかし鎌倉時代の1196年の大火災で罹災しており、7世紀初頭に作られた部分は目の周りや指などわずかを残すのみと考えられています。

世界一大きい大仏と日本一大きい大仏は?

世界最大の大仏は、中華人民共和国の河南省にある大日如来の仏像「魯山大仏(ろざんだいぶつ)」です。台座などを含めると全体で208mもあります。

日本最大の大仏は、茨城県にある牛久大仏(うしくだいぶつ)です。全体で120mあります。この大きさは、阿弥陀如来の徳を表す12の光にちなんでいます。1995年に青銅製立像で世界一の高さであるとしてギネスブックに登録されています。

牛久大仏牛久大仏

日本で有名な大仏は?

日本で最も知られた大仏としては、やはり東大寺の大仏と鎌倉の大仏が挙げられます。では皆さんは3番目に有名な大仏はどのようなものなのかご存知でしょうか?

日本三大大仏① 奈良大仏

 

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「大仏の日」の主役である東大寺の大仏は、正式には盧舎那仏(るしゃなぶつ)、もしくは毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)と呼ばれています。名前には、知恵と慈悲の光明で世界をあまねく照らし出している仏という意味が込められています。

日本三大大仏② 鎌倉大仏

神奈川県の高徳院の本尊である鎌倉大仏は、阿弥陀如来坐像といいます。完成当時は金箔で覆われ、金色に光り輝いていました。文献が残っていないため作者や造られた経緯は不明ですが、「慶派」の作風と宋代中国の仏師たちからの影響を受けた、鎌倉期らしい仏像とされています。

日本三大大仏③ 京・方広寺の大仏?

『都名所図会』より方広寺の大仏殿。大仏の顔がのぞいている。(国立国会図書館蔵)

かつては豊臣秀吉が建立した京都・方広寺の大仏が数えられていましたが、1798年に落雷のため焼失してしまいました。

以降、3番目に知られている大仏は明確には定まっていません。岐阜大仏(岐阜県岐阜市/正法寺)や東京大仏(東京都板橋区/乗蓮寺)、高岡大仏(富山県高岡市/大佛寺)などが三大大仏の一つに数えられています。

大佛寺では、毎年秋分の日に、白装束に身を包んで大仏様を拭き清める「お身拭い」を中心とした「高岡大仏まつり」が行われています。

 

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まとめ

この記事では大仏について詳しく解説しました。ここで紹介した仏像以外にも、世界や日本の各地にはさまざまな仏像があります。もともと仏像に興味がある方も、この記事を読んで興味を持った方も、一度大仏を見に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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