2023年8月11日(金・祝)、岐阜県の長良川に夏の大規模花火大会が帰ってきました。2019年までは「全国選抜長良川中日花火大会」「長良川全国花火大会」が同じ長良川河畔にて2週連続で開催されていましたが、2023年から、この2つの花火大会を統合し「ぎふ長良川花火大会」として再始動! その第1回目をレポートします!
なぜ2つの花火大会を1つに?
2週続けて同じ場所で規模の大きな花火大会が開催されるというのは、全国でも珍しいことだったと思います。なぜ2つの花火大会を1つにしたのか? それは、近年の花火大会の運営費用の増大にあると報道されています。もともとは中日新聞社が「全国選抜長良川中日花火大会」を、岐阜新聞社が「長良川全国花火大会」主催していました。しかし1社での開催は年々負担が大きくなり、コロナ禍での3年にわたる中止を経て、今後も花火大会を継続するなら統合して一本化を、という方向性が決まったそうです。
迎えた8月11日当日。私は事情により岐阜到着が遅くなってしまい、会場に着いたのは19時前でした。
金華橋~長良橋間の河原の北側が有料観覧エリアとなっており、約2万席が設置されていたとこのこと。下の写真は19時過ぎの観覧会場中央近くの様子です。平面部分がパイプ椅子席に、堤防部分が三脚持込可能席になっていました。
私は三脚持込可能席(エリア内自由席)でした。遅くに着いたにもかかわらず、三脚持込可能席のエリアはかなり広く、スペースにゆとりがありました。
そしてすっかり日の落ちた19:30、いよいよ開始時間を迎えました。
「第1回ぎふ長良川花火大会」がスタート!
報道などでご存じの方もおられると思いますが、実はこのとき、開始が約25分遅れました。花火打ち上げのための配線の断線により花火に点火しなかったとのことです。
花火の打ち上げはもともと19:30~20:30と1時間程度の予定で、夏の花火大会としては終了予定時刻が早めでした。また岐阜市の中心部という街なかでの開催で、少々遅くなっても帰宅難民になる心配が少なかったこともあってか、客席での混乱などは見られなかったように思います。
予定より遅れたものの、無事に花火が始まりました! 第1章の担当は長野の信州煙火工業。なんと、約70年にわたってここ長良川で開催される花火大会に携わっていたそうです。第1章と第5章(フィナーレ)を任されていました。
約600mという、画面に収まりきらないワイドなスターマイン。この幅での打ち上げは県内初だそう。
緑黄色社会「Mela!」の軽快なリズムにのって上がる花火に場内から大歓声!
楽曲のイメージにピッタリなビタミンカラーの花火が鮮やか!
4年と25分、待ったかいがありましたね!
花火の表現力は無限!大玉がなくてもここまで魅せる!
今回の「ぎふ長良川花火大会」は、尺玉などの大玉は上がらず、最大4号玉(直径約12cmの花火玉。打ち上げ高・上空で開いたときの直径ともに約140m)と聞きました。街中での打ち上げの場合、4号玉・5号玉が最大、というのは珍しくありません(有名な東京都の「隅田川花火大会」は最大5号玉、「足立の花火」は最大4号玉)。
だけど打ち上げ場所との距離が近いので、有料観覧席からの見え方は迫力満点! 大玉がない分高さはなんとか画面に収まっても、横幅は収まりきらないほどワイドです。
プログラムは全部で5章、すべて音楽付きのスターマインです。音楽とシンクロして、様々な形や色の花火玉が上がり、地上から吹き上げる「トラの尾」や「ザラ星」などがまるで踊るように飛び交います。
どのプログラムも下から吹き上げる花火の演出がバラエティに富んでいます。ぜひ会場で全体を見ていただきたい!
第3章では長良橋から流れ落ちるナイアガラ花火も見られました。長良川が金色に染まります。
さらに花火は第4章へ。
あっという間に第5章、グランドフィナーレへ。最初はDAOKO✕米津玄師「打上花火」で静かに始まりました。
最後はMISIA「希望のうた」の壮大なメロディーとパワフルな歌声に乗せて花火が広がります。
以前の2つの花火大会ではそれぞれ約3万発を打ち上げていたそう。2023年の再始動にあたり、規模が小さくなるのではと危惧する声もあったようです。
2023年は打ち上げ発数は非公開ですし、私は以前の花火大会を見ていないので比較はできません。ですが、約1時間に凝縮しての5つの音楽つきスターマイン、4社の煙火店の個性を活かした演出など、見ごたえあるプログラムでとても楽しめました。
次は見に行きたい!と思うあなたへアドバイス
岐阜駅から会場までのアクセス
岐阜駅から会場に向かう手段としては、路線バス・タクシー・シャトルバス・徒歩となります。
今回、私は徒歩で向かいました。三脚持込可能席の入場ゲートは長良橋を渡った先の鵜川町ゲートに指定されており、遠回りだったこともあって少々時間がかかりました。17:30頃、岐阜駅前から歩き始め、途中、コンビニでドリンクを購入したり(所要5分程度)、道を確認したりというロスがありましたが、観覧エリアに到着したのは19時頃でした。ほぼ90分かかったことになります。道を熟知していればもう少し早く着くことは可能だと思いますが、それでも徒歩だと1時間以上かかるものとみておいたほうがよいと思います。
帰りは、金華橋を渡り(こちらの方が近道)、寄り道なしでスムーズに歩きましたが、やはり1時間ちょっとかかりました。いずれにしても、岐阜駅から会場までは徒歩だと1時間程度はかかりそうです。
またシャトルバスですが、駅から金華橋ゲート方面へのシャトルバスに乗った人の話では、バスの降車場から会場まで20分ほど歩いたとのこと。
都市部の花火大会では、会場間近にバス乗降場を設けることが難しく(たくさんのバスをプールさせたりUターンさせたり、大勢の乗客を安全に乗降させるのに適切な場所の確保が難しいため)、シャトルバスを利用しても少し長い距離を歩くことがよくあります。
乗車待ちの列ができることを考えると、徒歩で向かった方が早いこともありそうです。
2024年以降は状況が変わる可能性もありますが、もし2023年と同様だった場合、どのアクセス方法を選ぶにしても、ある程度歩く心づもりをしておいたほうがよいと思います。歩きやすい靴や、時期的に猛暑が予想されるので、汗をかいても気にならない服装をおすすめします。浴衣の場合でも、慣れない下駄や草履を履くより、歩きやすいサンダルなどをチョイスした方がよいかもしれません。
また、花火大会終了後も会場付近を路線バスが走ってはいるのですが、帰路に路線バスを利用した人によると、渋滞のため30分ほどはほとんど動かず、岐阜駅到着まで1時間ほどかかったとのこと。もちろん、ちょっとした時間帯やバスのルートの違いで差があったものと思いますが、場合によっては路線バスも歩くより時間がかかるので、注意してください。
いずれの手段をとるにしても、ぜひ時間には余裕をもって会場に向かいましょう。
宿泊施設について
花火大会会場に近いのは長良川温泉エリアで、徒歩数分~十数分のところに旅館やホテルがあります。ただし予約が埋まるのは早く、おそらく価格も高くなると思います。岐阜駅周辺にもたくさんの宿泊施設があり、タイプや価格も様々で、長良川温泉エリアよりは押さえやすいのではないかと思います。楽さ優先なら長良川温泉エリアですが、リーズナブルかつ利便性優先なら岐阜駅周辺を狙うのがおすすめです。