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花火大会のルーツを徹底解説!「たまや~!」「かぎや~!」の意味とは?花火師たちの本気が観られる花火競技大会をご紹介!

花火大会のルーツを徹底解説!「たまや~!」「かぎや~!」の意味とは?花火師たちの本気が観られる花火競技大会をご紹介!

真夏のお祭りと聞いたときに花火を思い浮かべる方は多いと思います。浴衣を着て花火大会に参加した思い出が一度ぐらいはあるのではないでしょうか?

花火の技術は年々上がっており、花火大会では一般的な球体の花火から、色が時間差で変化する時差式花火まで様々な種類の花火を見ることができます。中でも花火競技大会と言われる“花火師たちの技術を競い合う大会”では研究を重ねた本気の芸術花火を見ることができます。

今回は一般的な花火大会は知っているけれど、花火競技大会については詳しくないという方に向けて、「花火のルーツ」から「日本三大花火競技大会」についてご紹介します!

花火大会のルーツを知ろう

日本では、古来より花火大会が開催されていますが、花火が初めて打ち上げられるようになってから花火大会が開催されるまで、どの様な過程をたどったのでしょうか?そこで、ここでは花火の起源から「たまや~、かぎや~」の掛け声の由来までご紹介します。

花火の起源は?どこからきたの?

花火に必要なものは火薬ですが、火薬は今から2000年程前に中国で発明されたと言われています。不老不死の薬を作る錬丹術の研究中に様々な物質を混ぜ合わせる事で、火薬の基本となる硝石(しょうせき)を発見しました。この硝石は火にくべる事で通常よりも勢いよく燃える性質があり、古くから狼煙(のろし)の原料としても使われてきました。

日本人が火薬として初めて使用する様になったのは、1543年種子島にポルトガル人が台風で漂着し鉄砲が伝来される様になった事がはじまりです。当初は猟銃として使われていたのですが、すぐに九州全土での戦場で使われる様になりました。

その後は中国・近畿地方を通って尾張にも伝わり織田信長が有効活用し、1575年長篠の戦いで甲斐の武田軍を打ち破る事になります。現代でも九州地方や尾張国(愛知県)、甲斐国(山梨県)では火薬を扱う花火が盛んな地域であるのはこう言った理由から来ています。

日本で最初に花火を観たのは誰?

諸説ありますが、日本で最初に花火を見たのは徳川家康と言われています。家康がイギリスより国書を受け取る為に駿府国(静岡県)に赴いた際に、余興として長崎に商館を作ったジョン=セーリスより立花火を披露された事が記録に残っています。

その後、家康は砲術士(大砲などを扱う職人)に命じてこの観賞用の花火を作らせ、全国各地に広がっていきました。しかし、当時作られた花火は現在のように華やかな打ち上げ花火ではなく、火薬を入れた筒状のものから火花を吹き出す手筒花火の原型とも言われています。

日本初の花火大会はどこ?

東京都墨田区の隅田川花火大会が日本初の花火大会と言われています。その前身である「両国の川開き」は、8代目将軍である徳川吉宗の時代に、疫病による死者の慰霊と悪病退散祈願のため、墨田川の水神祭で花火を上げられたのが始まりとされています。それ以降、川開きの時期に合わせて花火大会が行われるのが恒例となったそうです。その後、「両国の花火」と名前を変え戦争や環境悪化による中止を経て、昭和53年に現在の隅田川花火大会として復活を遂げました。

「たまや~!」「かぎや~!」って何?

花火大会に行くと、どこからともなく「たまや~」とか「かぎや~」と掛け声が聞こえてきますよね?「玉屋」と「鍵屋」は、どちらも花火師の屋号です。鍵屋は初代の鍵屋弥兵衛が大和国篠原村(奈良県吉野郡)から江戸に出てきたのが始まりと言われています。葦(あし)の管から火の玉が飛び出す、おもちゃ花火の制作で有名になり、4代目の頃になると幕府御用達にまで成長したそうです。

その後、鍵屋で優秀な番頭が現れた事により、のれん分けを許されたのが玉屋市朗兵衛です。当時行われていた両国の川開きでは、上流を玉屋、下流を鍵屋が担当することになり、良かった方の屋号を叫んだ事が掛け声のはじまりとなったそうです。

とは言っても玉屋はのれん分けされる程、腕の良い花火師であった為、実際には「たまや~」の声ばかりだったそうで、現代でもその名残により「かぎや~」については、あまり叫ばれません。

花火大会で打ち上がる花火の種類は?

私達が何気なく観ている打ち上げ花火ですが、その種類は大きく分けて「割物」「ポカ物」「半割物」と3種類あります。細かく分けると無数に存在する花火の種類も、それぞれの特徴を理解する事がはじめの一歩です。

★割物

まず割物ですが、これは日本の代表的な打ち上げ花火と言って良いでしょう。夜空に上がった打ち上げ花火が、まん丸の花を咲かせる光景は花火大会の定番です。割物花火では、二重、三重など沢山の芯を入れるなどの工夫も施されています。花火競技大会では何と六重円の花火も見られます。

・菊花火

菊花火は燃焼速度が遅いので光跡を残す様に見える花火です。日本の花火が球体なのは最初からだと思っている人も多いですが、実際には明治時代に入ってからになります。

・牡丹花火

菊花火は火の粉が線を引くのが特徴ですが、牡丹花火は燃焼速度が速いので点に見える事が特徴です。スターマインなどテンポが速い花火に使われる事が多いです。

・型物花火

「ハート型」や「スマイルマーク」の花火が「型物花火」と呼ばれる花火です。わかりやすい花火の為、子供達にも人気の花火です。

球体の花火玉の中に平面で星(光を出す火薬)が込められているので、向きが横になってしまうと直線にしか見えず、何が描かれているかわかりません。しかし、近年では花火の技術が向上し、3Dの立体でわかりやすい立体型物花火を打ち上げることもできるようになりました。

★ポカ物

ポカ物には割薬(飛び散らせる火薬)が少なく、上空で2つに割れるのが特徴的です。ポカ物は花火が広がる範囲は狭いですが、柳花火の様に光の筋が垂れ下がって落ちてくる光景は上品さを感じられます。

★半割物

割物とポカ物の中間の花火をそう呼びます。一度、「失敗したかな?」と思ったら突然開く、彩色千輪菊の様な一斉に沢山のカラフルな花火がポンポン咲くのはどこの花火大会でも人気です。

花火の打ち上げ方式とは?

花火大会では打ち上げの演出によっても花火の魅力が引き出されます。ここでは、花火の打ち上げ方式についても簡単に紹介します。

★スターマイン

打ち上げ方式の種類の代表的なものとして、スターマインが挙げられます。スターマインを花火の種類だと思っている人も多いのですが、それは間違いです。別名“速射連発花火”であり、現代ではコンピューター制御による花火と音楽を合わせるミュージックスターマインが主流です。トップクラスの花火会社になると0.01秒のズレも許されない正確さで音楽と花火をシンクロさせています。

★水上花火・水中花火

あらかじめ濡れない様に水面に仕掛けておいて点火する花火が水上花火。モーターボートなどに乗って点火した花火玉を水中に投げ込みながら開花させる花火を水中花火と呼びます。点火した後にグズグズしてしていたり、ボートの速度が遅かったりすると爆発に巻き込まれるので花火師も必死です。

★仕掛け花火

仕掛け花火は、花火大会のクライマックスに登場する「ナイアガラ」や文字が浮かびあがる「枠仕掛け花火」のことを指します。ナイアガラで富士山を表現したり、枠仕掛け花火でスポンサー名を告知したりします。

花火師の腕を競い合う「日本三大花火競技大会」

花火大会で鑑賞している花火には様々な種類があることがわかったと思います。一般の観客にとって花火大会は「花火の美しさを楽しんで、夏の終わりを噛みしめる風物詩」です。

しかし、どの業界にも技術の向上は必要です。花火業界にも技術の向上を目指して毎年多くの花火師達が競技大会に挑戦します。決まった一部の地域でしか行われていない花火競技大会ですが、ここでは、日本三大花火競技大会についてご紹介します。

全国花火競技大会 大曲の花火

今年で93回を迎える「全国花火競技大会 大曲の花火」は毎年、秋田県大仙市で開催されます。大曲の花火は日本三大花火競技大会の中で最も古い歴史を持ち、全国各地から選りすぐりの花火師のみが参加を許される権威ある大会です。

大会は、コンクール形式で行われ、「昼花火」「10号玉(芯入割物)」「10合玉(自由玉)」「創造花火」の4部で構成されます。参加する28社の花火師が、デザインや創造性を重視して花火を作り、会場で打ち上げます。各部門の勝者には経済産業大臣賞などが贈られ、総合優勝者には内閣総理大臣賞が与えられます。2019年は8月31日(土)に開催される予定です。

土浦全国花火競技大会

大正14年に神龍寺24代住職・秋元梅峯(あきもと ばいほう)が航空戦死者を悼み、霞ヶ浦湖畔で花火を打ち上げたことをきっかけとして、以後90年以上続いている伝統ある花火競技大会です。土浦全国花火競技大会には、約55社の煙火業者が集結し、1年間研鑽した成果を競い合います。

コンクールの構成は「スターマイン」「10号玉」「創造花火」の3部門です。各部門の優勝者の中から「内閣総理大臣賞」が授与されます。2019年は10月26日(土)に開催される予定です。

伊勢神宮奉納全国花火大会

今年で67回を迎える伊勢神宮奉納全国花火大会は、昭和28年に神宮式年遷宮を記念して新たに競技大会として開催されたのが始まりと言われています。式年遷宮を奉祝する花火大会自体は明治時代より繰り返し行われていたそうです。

大会には約42組の花火師が参加し、「打ち上げ花火」と「スターマイン」の2部門で花火師たちが技を競い合います。各部門の優勝者には、「国土交通大臣賞」や「観光庁長官賞」という名誉ある賞が贈られます。2019年は7月13日(土)に開催される予定です。

「内閣総理大臣賞」とは?受賞者は誰?

内閣総理大臣賞とはその名の通り、国内最高峰の花火競技大会の賞です。先程、紹介した日本三大花火大会の中で「全国花火競技大会 大曲の花火」と「土浦全国花火競技大会」のみ受賞が可能です。ここでは、優秀な成績を残している2社をご紹介します。

茨城県・野村花火工業株式会社

「全国花火競技大会 大曲の花火」「土浦全国花火競技大会」において、18回も内閣総理大臣賞の受賞歴があります。国内トップクラスの実力は政府からも認められ、代表取締役である野村 陽一(のむら よういち)氏は紫綬褒章も授与されております。

野村花火工業 担当スターマイン

長野県・株式会社紅屋青木煙火店

紅屋青木煙火店は、野村花火工業に勝るとも劣らない競争相手です。内閣総理大臣賞は合計4回受賞するに至っています。紅屋青木煙火店は花火の歴史的に非常に優秀な家系であり、代表取締役である青木 昭夫(あおき あきお)氏は六重の花火である五重芯の花火を発表した人物になります。

紅屋青木煙火店 担当花火

花火競技大会を体験してみてください

花火競技大会は正直な所、エンターテイメントではなく玄人向けの花火大会です。花火の知識がないと「珍しい花火だな」で終わってしまいます。もちろんオープニング花火やフィナーレ花火などにも力を入れているので、その辺では見られない豪華な花火を見ることはできます。

しかし、真の意味で競技大会を楽しむのであれば、きちんとした花火の知識を得て、自分が審査員になった気持ちで「どんな花火が良い花火なのか」を見る目を養う必要があります。

花火師達の日々の研究により現在の花火技術は凄い事になっています。なぜ日本の花火は世界一と言われているのか、一度ぐらいは世界最先端の技術を体験してみるのも良いと思います。

written by
オマツリジャパン編集部

オマツリジャパン編集部

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