東京都足立区の花畑大鷲神社で開催される酉の市
2021年の酉の日は、一の酉が11月9日(火)、二の酉が11月21日(日)です。両日ともに関東の数多くの寺社で酉の市が開催されます。一説には日本武尊(やまとたけるのみこと)が11月の酉の日に、東征の成功を祝して埼玉県久喜市の鷲宮神社前の松の木に熊手をかけたことが、酉の市の起源と伝わります。東京都足立区に社殿を構える花畑大鷲神社でも酉の市が行われています。
日本武尊への感謝祭から発展した酉の市
日本武尊は東征からの帰路で花畑にも立ち寄ったと言われています。夷賊に苦しんでいた人々を救ったのです。花畑大鷲神社ではご祭神として日本武尊を祀り、酉の日に神恩感謝の祭が行われるようになりました。
門前に市が開かれるようになると、「とのまち」、「とりのまち」と呼ばれ、農耕具などが販売されるようになり、これが酉の市に変化していったのです。ご祭神の好物とされる鶏を生きたまま奉納し、翌日に浅草観音に納めていたこともあります。江戸時代の中頃までは花畑の酉の市でのみ博打が認められ、大勢の人々で賑わったようです。
お札所で頒布される熊手、開運扇、かっこめ
花畑大鷲神社の酉の市では、お札所で熊手や開運扇の他に、「かっこめ」が頒布されます。熊手にお札と稲穂がついているのが特徴で、運を掻き込むことができそうです。
本殿を取り囲む多彩なデザインやサイズの熊手
お札所で頒布される熊手は、手のひらサイズです。より大きな幸運を呼び込むためには、熊手のスケールをたよりにしたくなるものかもしれません。花畑大鷲神社では本殿を囲むように10あまりの酉の市が並びます。
各々の市には多彩なデザインやサイズの熊手が溢れています。個性的なものも数多く見ることができアート作品を鑑賞しているようにも感じられます。
露店が隙間なく繋がる参道
本殿の周囲は多種多様の熊手が取り囲んでいますが、鳥居までの100メートル前後の参道の両側には、露店が隙間なく繋がります。
2021年の一の酉は11月9日でした。当日は正午過ぎまで雨模様でしたが夕方には天候が回復しました。夜には花畑大鷲神社の境内や参道は酉の市に訪れた人々で埋め尽くされました。