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蛍が見られるのはいつ?どこ?蛍の基礎知識から全国の蛍イベントスポットまでご紹介!

蛍が見られるのはいつ?どこ?蛍の基礎知識から全国の蛍イベントスポットまでご紹介!

日本では初夏の訪れとともに、蛍の季節がやってきます。蛍が見られる時期の例年の目安は、九州南部で5月中旬から、中国地方や近畿地方で5月下旬から、関東地方が6月上旬、北陸や東海地方などが6月中旬とされています。

夜の水辺を蛍が乱舞する幻想的な光景は、心に癒しを与えてくれますし、お子さんたちの自然とのふれあいや学習にもぴったりです。今回は、蛍はどんな生きものでなぜ光るのか?といった基礎知識から、蛍が見られて蛍まつりやイベントも行われている全国のスポットをご紹介します!

寿命は10日間!?蛍はどんな生きもの?

世界には2,000種類もの蛍の仲間が存在し、日本には約50種類が生息しているといわれます。そのうち清流を好んで棲む水生蛍は10種類ほどで、夜行性で光を放つ代表的な蛍はゲンジボタルとヘイケボタル、ヒメボタルです。

蛍の寿命は約1年ですが、そのほとんどは幼虫期です。成虫の寿命は短く、羽化して地上に出てからは何と10日前後しか生きられないのだとか。

生まれてから10か月間の幼虫期には川や田んぼにいる巻き貝などを食べますが、土の中でサナギになってからの40~50日間は何も食べません。成虫になるとエサは食べず、水だけを飲みます。そして子孫を残すことに集中し、はかない一生を終えるのです。

蛍が光るのは何のため?光る仕組みは?

夜に光りながら飛んでいる蛍はほとんどがオス。メスは葉や草などにとまってオスの光を吟味し、気に入ったオスに向けて発光し居場所を知らせます。

それを見つけたオスは急降下して交尾を促し、見事に成功するとメスは水辺の苔の上などに800~1,000粒以上の卵を産みます。つまり、子孫を残すパートナー探しのために蛍は光を発しているのです。そのほか刺激を受けたときや、敵を驚かせるために光ることもあります。

蛍のお尻に近い部分には「発光器」というものがあり、その中にはルシフェリンという発光物質と、ルシフェラーゼという発光するのを助ける酵素があります。この2つと体の中の酸素が反応して光を出す仕組みです。
お祭りのときによく見かける「光るブレスレット」も、蛍と同様の原理で2つの物質を混ぜた化学反応で光る仕組みになっているんだそうですよ。

ゲンジボタルとヘイケボタルの違いは?語源は何?

源氏と平家という日本史上の宿敵同士の名前が付けられた2種類の蛍ですが、体の大きさや生息範囲、光り方が主な違いです。

ゲンジボタルは体長が10mm~20mmと大きくて光も強く、前胸部に黒い十字の模様があるのが特徴。九州から本州にかけて生息します。
名前の由来は、発光することを「源氏物語」の主人公・光源氏にかけたという説や、平家との戦いに敗れて自刃した武将・源頼政の亡霊が蛍となって戦ったという伝説にちなんだ説などがあります。

一方、ヘイケボタルの大きさは7mm~10mmくらいで、前胸部にはひとすじの黒い線があるのが特徴。九州から本州のみならず北海道やシベリア地方にまで生息しています。
ゲンジボタルより体が小さく光も弱いため、源平合戦で負けた平家にちなんで名付けられたといわれます。

光り方はゲンジボタルの方が点滅間隔が長く、2~4秒に1回長く強く光るため優雅な印象があります。しかも集団で飛ぶときは光るタイミングを合わせる習性があり、一斉に光って一斉に消えます。
ヘイケボタルの方が光は弱いですが点滅間隔が短く、1秒に1回チカチカと光ります。集団で飛んでいてもまちまちのタイミングで光るため、賑やかな雰囲気になります。

蛍が光る時期とよく出現する条件は?

蛍が見られる時期は地域や生息場所の環境によっても異なります。目安としては、5月中旬から九州の南部で見られるようになり、5月下旬には中国地方や近畿地方、6月上旬に関東地方、中旬になると北陸や東海地方などでも見られるようになります。

蛍が出現する場所は、生息している「静かできれいな水辺」というのが大前提です。加えて、夜、暗い場所で活動するため、灯りは蛍の活動の障害になります。極めて暗い場所のほうが乱舞する様子が期待できるでしょう。

また、およそ19時~23時の活動時間のうち、ピークは19時~20時。雨が降る前後の湿気が多くて風のない暑い日によく飛び回り、月明かりのない曇り空や新月の頃が好条件です。

 

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ホタル舟に蛍能も!全国の蛍イベントスポット10選

近年は天然の蛍が住む場所が減ってきてしまっていますが、蛍を保護して増やすために飼育・放流も多くの場所で行われています。そんな蛍スポットでは、蛍が乱舞するこの時期にあわせてお祭りやイベントが行われることも。

ここでは、全国各地の蛍の名所となっているスポットのうち、例年、蛍まつりやイベント、アクティビティなどを開催しているスポットを10か所厳選してご紹介します。蛍を見に行く際には以下の注意点とマナーもお忘れなく!

蛍を見に行くときの注意点とマナー

●水辺の近くを歩くため、歩きやすい靴を選びましょう
●虫刺され対策のため服装は長袖、長ズボンが基本。帽子や手袋、ストールなどで、肌の露出を抑えます
●虫よけスプレーなどは蛍も虫のため最小限に。肌にもやさしいハッカ水など自然由来のものが安心です
●蛍は人工の光が苦手です。弱い明るさのライトで足元だけを照らすようにし、カメラのフラッシュは控え、スマホも暗めにします
●蛍が手などにとまったら、捕まえたり持ち帰ったりせず、自然にかえしてあげましょう。

①久我山ホタル祭り(東京)

京王井の頭線「久我山」駅周辺では、例年6月初旬の土日にホタル祭りを開催。梅雨入り前の恒例行事となっています。ホタル観賞のほか、模擬店が出たりミニライブやワークショップが行われたりする場合も。詳しくは久我山商店会の案内ページなどでご確認ください。

②ほたるの宴(神奈川)

湯河原町の湯河原万葉公園では、例年5月下旬~6月中旬にかけて「ほたるの宴」が開催されます。公園内の「ほたる小屋」で幼虫まで飼育されたゲンジボタルが、3月中旬に湯河原小学校の生徒さんたちの手によって放流され、成虫となって飛び交う蛍が観賞できます。

会場では、縁結びの神様として知られる狸福(りふく)神社に奉納する絵馬や、夜の散策がより楽しくなる手持ち提灯も販売。詳しくは湯河原温泉公式観光サイトの案内ページなどでご確認ください。

 

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③東伊豆まち温泉郷 ほたる観賞の夕べ(静岡)

東伊豆町の大川温泉竹ヶ沢公園では、例年6月上旬の10日間ほど「ほたる観賞の夕べ」が開かれます。「静岡県の水辺100選」に選ばれる美しい水辺に舞う蛍を観賞でき、例年、約10分間の「ちょうちんウォーク」を楽しめるほか、「ほたる夜市」と呼ばれる夜店やお楽しみ抽選会も実施されます。詳しくは東伊豆まち温泉郷のホームページなどでご確認ください。

④なばなの里ホタルまつり(三重)

桑名市にある自然豊かな植物園「なばなの里」では、例年、蛍が飛び始める5月下旬~7月上旬までホタルまつりを開催。園内の水辺の歩道を歩きながら5月下旬から6月下旬まではゲンジボタルが、6月下旬から7月上旬までヘイケボタルが舞い飛ぶ様子を観察できます。
ナガシマスパーランドとの間に直通バスも出ているため、朝から夜まで楽しめます。詳しくはなばなの里公式サイトの案内ページなどでご確認ください。

 

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⑤冬妻ほたる祭り(新潟)

新潟市の岩室温泉街では、例年6月下旬~7月初めまで「冬妻ほたる祭り」を開催。付近の川や清水で育った「冬妻蛍」と呼ばれる、あたたかい光を放つ蛍を観賞できます。「岩室温泉ほたるの会」が中心になって、沢の整備やほたるの餌のカワニナの放流を行い、蛍の保護育成に努めています。詳しくはにいがた観光ナビなどでご確認ください。

⑥信州辰野ほたる祭り(長野)

辰野町の松尾峡は日本随一の蛍の名所として明治時代から有名です。中でもゲンジボタルが生息しやすいようにと水路を張り巡らせた「ほたる童謡公園」では、無数のホタルの乱舞がまるで天の川のようなきらめきを見せ、幻想的な光景を楽しめます。

例年6月上旬~中旬にかけて開催されます。最新情報と詳細は、辰野町のほたる祭り案内ページなどでご確認ください。

⑦あきの蛍能(奈良)

奈良県宇陀市の阿紀神社境内には屋外能舞台があり、毎年6月に献能「あきの蛍能」が行われます。この能ではクライマックスの場面で会場の全ての明かりが消え、数百のホタルが一斉に夜空に放たれます。
深淵の闇の中に無数の光の筋が描かれる光景は圧巻の一言で、その光はやがて鎮守の森に吸い込まれ溶け込んでいきます。世界中に能の舞台は数あれど、この地でしか味わえない幽玄の世界です。

毎年開催日が変わりますので、開催日や最新情報、チケット購入については、あきの蛍能公式サイトからご確認ください。

⑧湯郷温泉ホタル祭り(岡山)

美作市の湯郷温泉近くの大谷川をゲンジボタルなどが乱舞するのは、毎年5月下旬~6月中旬にかけて。この時期は足元を照らす明かりが灯された川沿いの遊歩道を、浴衣姿でのんびりと蛍観賞が楽しめます。詳しくは湯郷温泉ナビの案内ページなどでご確認ください。

⑨ホタル舟(山口)

下関市豊田町は、蛍の展示や観察会が行われる「豊田ホタルの里ミュージアム」もある「蛍といで湯の町」。町を流れる木屋川は、ゲンジボタルの発生地として国の天然記念物に指定されています。

例年6月には、蛍の乱舞を両岸に眺めながら木屋川の川下りが楽しめる「ホタル舟」が登場します。詳細は豊田町の観光協会ホームページなどでご確認ください。

⑩ほたるのふるさと相河川(長崎)

満天の星空も美しい上五島。五島列島の蛍は全国でも最も速いリズムで明滅するとされていて、豊かな自然が色濃く残る相河川(あいこがわ)ではゲンジボタルとヒメボタルが乱舞する光の競演が楽しめます。

例年、5月末から6月初旬まで「ほたるのふるさと相河川」と題して鑑賞期間が設けられています。イベントは実施されませんが、観賞場所付近が整備され、駐車場が開放されます。詳しくは長崎旅ネットの案内ページなどでご確認ください。

まとめ

今回は、蛍の基礎知識から蛍スポットとお祭りまで紹介しました。いつまでも美しい蛍を見られるように、蛍が住む環境を守っていきたいですね。

まずは蛍の幻想的な光に包まれながら、思い出に残るような夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
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