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「福野夜高祭」巨大行燈を壊し合うケンカ祭り|観光経済新聞

2020/1/11
2020/6/9
「福野夜高祭」巨大行燈を壊し合うケンカ祭り|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2020年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

巨大行燈を壊し合うケンカ祭り

富山県の西部に位置する南砺市福野、江戸時代に織物業で栄え、歴史情緒あふれる建造物がいまだに残る静かな町が、ゴールデンウイーク真っ只中の5月1~3日の間、にわかに喧騒に包まれる。今回紹介する「福野夜高祭」は、2階建ての建物ほどの大きさの行燈(あんどん)山車(だし)がお囃子(はやし)を奏でながら街を曳行する神事だ。

この祭りは江戸時代に大火に見舞われた福野の町に福野神明社を創建した時、伊勢神宮から天照大神の分霊を迎える際に、村人たちが行燈を持って歓迎したことが起源とされているそうだ。

どこか中国大陸を連想させるデザインの行燈が青田の香りが漂う路地をゆっくりと進み、たくさんの家族連れや若者がそれに笑顔で手を振る様子は、まさに地域に根付く祭りと言える光景である。

しかし5月2日の宵宮の夜、牧歌的な雰囲気の中で行われていた祭りが一変する。午後11時ごろ、行燈山車同士がすれ違うと同時に上に乗った若衆が行燈を壊し合う「引き合い(ケンカ)」が始まるのだ。氏神様を喜ばせるためではあるが、彼らは「いざ見せ場」とばかりに蹴りなどの攻撃を繰り出し、すれ違う行燈に飛び移ってダメージを加える。その景気の良さに観衆は拍手喝采。丹精込めて作ったであろう行燈は一瞬のうちに無残な姿となるが、それもまた祭りの後のわびしさがあって一興である。

ところで富山と言えば、楽しみたいのはやはり新鮮な魚介。福野から北に足を運ぶと、射水市の有名グルメスポット「新湊きっときと市場」がある。地元情緒を味わいたければ、その近くにある「きときと食堂」がおすすめだ。地元の方々も足を運ぶ地元水産業直営の食堂で、1,000円程度でボリューム満点の刺し身定食や丼が楽しめる。すぐ隣の鮮魚店には朝取れのイカや季節の魚が並び、富山湾の豊かさを感じ取ることができるはずだ。

それでも物足りなければ、景勝地として知られる雨晴海岸や、氷見温泉郷まで足を伸ばすことも。ぜいたくを選べるぜいたくが、初夏の富山にはある。

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