皆様いかがお過ごしでしょうか?オマツリジャパンライターの細山麻実です。
皆様は、三重県の伊勢神宮の「朔日(ついたち)参り」をご存じでしょうか?江戸時代より、誰もが憧れたお伊勢参り。人生に一度はお参りしたい!と思う庶民の方が多くいたように、現在でも多くの方が伊勢神宮を目指します。なかでも月の最初の日に神様にお参りするのが朔日参りです。
参拝はもちろん、鳥居前町のおはらい町・おかげ横丁も早朝から参拝客でにぎわいます。この日限定の赤福の「朔日餅(ついたちもち)」も販売されていて、こちらは入手困難、行列必至と噂されているグルメです。今回は、朔日参りに行き朔日餅も味わってきましたので、伊勢神宮よりレポートしたいと思います。
目次
伊勢神宮の朔日参りとは?
ひと月の最初の日である「ついたち」は、月の満ち欠けに関する言葉「月立ち(つきたち)」が変化したものとのこと。月の初めの早朝に、ひと月無事に過ごせたことに感謝し、新しい月の無事をお祈りするのが「朔日参り」なのだそうです。
朔日の早朝8時には、神に仕える馬「神馬(しんめ)」が、菊の紋章のついた馬着を身にまとい神前に牽参します。神聖でなんともいえない空気感を感じられるのも朔日参りの良さだと感じました。
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6年間、毎月欠かさず朔日参りをされているという方に、お話しを伺いました。毎月朔日参りをされて、気持ちの変化や感想はありますか?と質問してみましたが、「前の一か月を無事に過ごせたこと、新しい月の初めに無事お参りができることを感謝できる。また、今月も頑張ろう!と思えることが朔日参りの醍醐味だと思います」とおっしゃっていました。
一年に一日だけ!赤福の「朔日餅」の入手方法
神聖な気持ちで新しい月をスタートさせられる朔日参り。伊勢の朝はとても早いです。
多くの参拝者の皆さんはお参りのほか、鳥居前町のおはらい町・おかげ横丁で朔日のみ数量限定で販売される赤福の「朔日餅」を目当てに訪れます。
朔日餅は1月1日以外の毎月1日のみ販売される激レアな和菓子です。筆者は7月1日限定の「竹流し」という、竹筒に入った水ようかんの朔日餅を購入するため、現地に行ってみました。
朔日餅の購入方法はいくつかありますが、筆者は特に予約せず、現地の赤福本店にて当日の時間指定の整理券をいただきました。4時に現地に到着して、7:30~8:00に購入できるという券でした。
整理券は前日午後5時から配布が開始され、受付の早い方から順番に早い時間の整理券が配られます。早い時間に購入されたい方は前日に受付したほうがよいでしょう。
また、販売月の前月10日より購入予約も可能です。こちらは、予約専用電話にて予約となります。詳しくは、赤福公式サイトをご覧ください!
あたりが朝焼けで赤く染まるころ、お店はまだ開店していませんが、指定時間の早い方が並び始めます。まだ朝の4時半ですが、通りは多くの方が行き交い早朝とは思えない賑わいです。
7月の朔日餅「竹流し」の看板が掲げられ、赤福本店が開店。
開店と同時にたくさんの方が購入されていきます。朔日餅は、店内でも食べることができます。
7月1日限定!美しい「竹流し」のお味は?
7月の朔日餅は「竹流し」。小箱5本入900円、大箱10本入1,800円、特大1本1,100円、化粧箱5本1,800円(全て税込み)です。みなさん、用途に合わせて購入されていました。
筆者は、7:45に購入しましたが、大箱以外売切れとなっており、大箱10本入りを購入しました。
包装紙は伊勢千代紙が使用されており、7月は小川に笹舟を流した涼しげなデザイン。裏には解説も書かれていて、毎月この千代紙を楽しみにされている方も多いそうです。
朔日餅と書かれた箱を開けると、七月一日限定の「竹流し」が!七夕の短冊も入っており、箱を開けただけで季節を感じられます。
竹流しの食べ方は、とても風情があります。竹筒に入っているので、専用のキリで竹筒の底に2~3か所穴をあけて食べます。
笹の葉のふたを外して、トントンと底をたたくと、ツルッと中から水ようかんが出てきます。ここまでの工程や竹筒に入ったビジュアルから、7月限定の「竹流し」は1年でも特に人気の朔日餅なんだそうですよ!
中身が出てきたので、さっそく実食です!赤福自慢のあんこを使用しているので、甘さ控えめの上品な口当たりが楽しめます。ツルッとしたのど越しが蒸し暑いこの時期にピッタリ!女性の筆者でも23本ペロリと食べてしまいました。
8月1日は「八朔粟餅」。「八朔参宮」にも注目!
「朔日餅が食べてみたい!」そう思われた方も多いのではないでしょうか?残念ながら「竹流し」は来年の7月1日まで購入できません。朔日餅は、一年で一日だけしか購入できないのが醍醐味です。
しかし、ご安心ください!来月8月の朔日餅「八朔(はっさく)粟餅」も大変オススメです。伊勢神宮では、8月1日という意味の「八朔(はっさく)」に、五穀豊穣や無病息災を祈願しに参拝する「八朔参宮」という習わしがあるそうです。
今年は「外宮さん ゆかたでお参り」と題して夕方から催しも行われます。太鼓の演奏や神話の紙芝居、参拝記念品の進呈や八朔はらわた餅のお振る舞いもあるそうです。暑気払いの意味も込めて、ゆかた姿で外宮に参拝し、夏の宵の風情にひたってみてはいかがでしょう(詳細はこちら)。
そして、八朔参宮とあわせて「八朔粟餅」の購入も。その他の月の「朔日餅」は赤福公式サイトをご覧ください。
朔日餅だけじゃない!「朔日粥」も忘れずに
朔日参りと一緒に楽しんでいただきたいのは、朔日餅だけではありません。伊勢の朝はこれを食べなくては始まりません!それは、「朔日粥」です。
こちらも朔日餅と同じくらい人気で、行列ができています。朔日粥を提供しているお店は数店。今回、筆者は「すし久」さんの朔日粥(700円・税込み)をいただきました。
朔日粥も毎月メニューが変わり、この日しか食べられない数量限定の朝ごはん。7月は、もち麦粥でした。
旬の素材をふんだんに使用していて、思った以上にボリュームがあります。時間を見るとまだ朝の5時過ぎ。日常とは違う朝ごはんがいただけるので、ぜひ、一度味わってみてください!
最近では、「朔日うどん」も人気だそうです。受付整理券がないので、皆さんお店の前で並んで待っていました。
おかげ横丁は七夕飾りが出ていて、歩いているだけでも風情があります。
夏季限定の「赤福氷」も絶品!
朔日粥をいただき、無事に朔日参りも済ませ、お目当ての朔日餅をゲットしたころには、すっかり日も高くなっています。空気も蒸し暑くなって、冷たいデザートが食べたくなる頃!そう思ったら夏季限定の「赤福氷」(600円・税込み)もおすすめです。
抹茶蜜のかかったかき氷の中に、餡とお餅が入っています。お餅が氷でしめられていて冷たく、なんともいえない食感がたまらない一品!ぜひ、召し上がってみてくださいね。
まとめ
いかがだったでしょうか?伊勢神宮の朔日参りと、毎月の初日だけ、しかも月ごとに変わるため1年に1日しか購入できない「朔日餅」を現地よりお伝えしました。朝早く、普段なかなか日常では見られない朝日を見ながら、伊勢神宮をお参り。そして、朔日粥や朔日餅をいただくことで「今月も、新たな気持ちで過ごしていこう!」と心身ともにリフレッシュできました。
なかなかハードルが高い!そう思われる方も多いかもしれません。しかし、実際に行ってみると、横丁の活気や内宮の神秘的な雰囲気、神馬や神々しい朝日の光の柱、目にするものが新鮮で伊勢ならではの体験ができました。ぜひ、伊勢神宮の朔日参りに行ってみてくださいね!