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石取祭が4年ぶり通常開催!太鼓と鉦を響かせ進む祭車。桑名宗社への渡祭が見逃せない

2023/11/28
2024/3/5
石取祭が4年ぶり通常開催!太鼓と鉦を響かせ進む祭車。桑名宗社への渡祭が見逃せない

三重・桑名の夏祭り

三重県北部で愛知県と岐阜県に接する桑名市。江戸時代を通し桑名藩の城下町として発展してきたこの街ですが、東海道唯一の海路「七里の渡し」の出船地だったことでも有名です。その拠点の宿場町としては「桑名宿」が置かれ、その規模は対岸の宮宿(熱田宿)に次ぐ、東海道五十三次二番目の規模を誇っていたと伝わっています。

そんな桑名で毎年8月第一日曜日(本楽)とその前日(試楽)に開催されているお祭りがあるんです。その名は「石取祭(いしどりまつり)」!

石取祭

石取祭は、市内南部を流れる町屋川の栗石を、桑名神社の祭礼に合わせ奉納していた江戸時代の神事が独立して、今の形に発展してきたといわれるお祭りです。まさに「石を取る」ことがお祭り名の由来でもあるのですね。

そして十二張の山形提灯を上部に飾った祭車(さいしゃ)も桑名独特のもの。三輪の台車をベースに提灯を掲げ、後部に付けられた鉦鼓を深夜から一斉にカンカンと叩くことから「日本一やかましい祭」や「天下の奇祭」と呼ばれているのも魅力のお祭りです。その歴史や伝統から、2016年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されました。

それでは、今年は8月6日に開催された石取祭本楽の様子をご紹介します!

夜中に叩き出される鉦と太鼓

本楽当日の夜2時、お祭りの中心地となる桑名宗社(春日神社)へやってきました。本楽の叩き出し開始に向け、各町の方々が神社へと集合しています。

石取祭

代表の方が社殿中央へ出てきて提灯が振られると、桑名宗社の周りに集まった祭車が一斉に太鼓と鉦を叩きはじめました。石取祭囃子が夜空に響き渡ります!

こちらがその祭車です。深夜からこの大盛り上がりで本楽の一日がスタートします。

石取祭

桑名宗社の門を出ると、至る方向に各町の祭車が集いすごい賑わいです。子ども達も元気よく太鼓と鉦を叩いていますね。

石取祭 石取祭

女性だけで叩く祭車もありました。

石取祭

桑名宗社の楼門前へと行ってみましょう。こちらへも祭車が詰めています。

石取祭

石取祭

一斉での叩き出しを終え、自町内へと帰って行く祭車。途中の交差点では、複数の祭車が集まっての叩き合いも楽しめます。

石取祭 石取祭

田町交差点では4台が向き合い叩き合い!

続いて祭歌が歌い上げられる場面も。石取祭では度々、重要な場面等で祭歌が高らかに歌い上げられるんです。

石取祭

他にも祭車が集まっている交差点がありました。

石取祭

深夜の桑名城下町のあちこちで、この雰囲気が味わえるのはたまらないですね!

桑名宗社への渡祭

一夜が明け、お昼も過ぎた頃合いを迎えました。この時間になると、18時半から行われる桑名宗社への渡祭(桑名宗社前での石取囃子奉納)に向けて、祭車が一列に整列をはじめます。

この整列場所は一年ごとに変わるそうで、今年は北市場(八間通)の年でした、来年は南市場(旧東海道)になるそうです。八間通には露店も立ち並び、食べてもお祭りを楽しめますね!

石取祭

整列している間は石取祭の中でもまったりした時間が流れています。子ども達が順番待ちをして、太鼓を叩いている場面もありました。

石取祭

さらに時間が進んだ16時半、祭車が動き出しました!先頭の福江町を筆頭に、西舩馬町(蔵前)、中央通と40町が順番に出発していきます。ここから2時間かけて、桑名宗社を目指していきますよ。

石取祭

今年の行列の起点となるのは、田町交差点。こちらで石取祭囃子を披露してから歩みを進めます。腕を組んで声をあげ、これは盛り上がりますね!

石取祭

ここでは各町の装飾にもご注目。半纏や祭車の天幕の図柄の違いも見応えのあるポイントになります。中央通の場合は男性、女性、子どもで半纏の色が分かれているようでした。

そして天幕には歌舞伎の題材にもなっている「京鹿子娘道成寺」が描かれ、迫力がありますね。

石取祭

子ども達だけで盛り上げるシーンも。

石取祭

今度は全員で。お囃子、掛け声がどんどん大きくなっていきますよ!

石取祭

新型コロナウイルスの影響を受けて、4年ぶりの通常開催となったお祭りの喜びが感じられるようですね!

石取祭

新矢田一丁目の天幕に描かれるのは、虎。迫力があります。

石取祭

西鍋屋町は雲竜です。藤が描かれた紫の半纏もかっこいいですね。

石取祭

流鏑馬が駆ける天幕を持つのは鍛冶町。こちらも半纏に藤が描かれていますが、赤ベースなのが特徴的です。

石取祭

大黒天の前で横一列になり腕を組んで石取囃子を披露しているのは掛樋の皆様。この熱量はすごい!

石取祭

石取祭

鉦、太鼓もこれでもかと打ち鳴らしますよ。

石取祭

この後も40町全てが出発するまで、石取祭囃子の披露が行われていました。

いよいよ桑名宗社へ

桑名宗社への渡祭のため、桑名城下町を練り進む40台の祭車。その間に桑名宗社へは関係者が詰めており、いよいよお祭りの重要な時がやってくるという雰囲気です。

石取祭

渡祭のはじまる18時半を目前に控え、桑名総社の眼前には祭車が並んでいました!

石取祭

下から六、四、二と重ねられた十二張の山形提灯が一列に並び、威風堂々といった風景ですね。

石取祭

さあ、渡祭がスタートです。まずは祭典が行われます。

石取祭

石取祭

各町の代表が、提灯を持ってご挨拶。

石取祭

そして祭車が桑名宗社の正面へと入場してきました。トップバッターは花車(第1番)を務める福江町です。祭歌を高らかに歌い上げながらの登場で、これはテンションが上がります!

鉦と太鼓をどんどん叩いていきますよ。

石取祭

石取祭

お次は蔵前半纏の西舩馬町が入場。テンポの速いお囃子で盛り上げます!

石取祭

ここであいにく雨が強くなってきましたが、お構い無しにお囃子を披露していきます。

石取祭

波のように前へ後ろへ動く皆様。すごいパワーです!

石取祭

約8分間に渡る披露を終えた祭車は、桑名宗社の正面から右方向へと抜けていきます。

石取祭

入れ替わるように続いて入ってきたのは、中央通です。楼門の前には出迎える神職の皆様もいますね。

石取祭

中央通が披露する頃合いには、雨もこの本降りになってしまいました。

石取祭

ですが雨にも負けない素晴らしい石取祭囃子のパフォーマンスを行っていきます。これは感動です!

石取祭

豪雨の時間も続きましたが、まだまだ渡祭は繰り広げられます。40町が参加しているので、単純計算でも最後の第40番上本町が登場するのは0時近くになるという長丁場です。これだけの時間盛り上がり続けるというのは大変ですが、こんなにもお祭りをどっぷりと楽しむことができるのは嬉しい限りといえますよね!

田町交差点での曳き別れ

桑名宗社での渡祭を終えた祭車は再び桑名城下町を練り、出発地点だった田町交差点目指して進んでいきます。

石取祭

途中のルートには、七里の渡し跡も。こちらには伊勢神宮への入口であることを示す、伊勢国一の鳥居が建てられており、鳥居と祭車の共演を見ることもできます。

石取祭

そしてクライマックスは田町交差点です。22時頃から4町ずつが交差点へ入り、最後の叩き合いを行います。

石取祭

名残惜しいですが、最後までこの盛り上がり。本当に最後の最後までたまらないお祭りですね!

桑名宗社へのアクセス

■桑名駅まで

・名古屋駅からJR関西本線快速みえで20分

・近鉄名古屋駅から近鉄名古屋線急行で20分

・津駅から近鉄名古屋線特急で32分

■桑名駅から桑名宗社まで

・徒歩で16分

 

毎年8月第一日曜日に本楽が開催される「石取祭」。ぜひこの伝統あるお祭りの勇姿を味わいに桑名へ来てみてください!

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