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茨城県石岡市は獅子舞が盛んな街!お祭り、獅子頭制作、マンホール...なぜ盛んなのか調べてきた

更新日:2021/4/30 いなむ
茨城県石岡市は獅子舞が盛んな街!お祭り、獅子頭制作、マンホール...なぜ盛んなのか調べてきた

茨城県石岡市は、獅子舞が有名な街。そんな印象を以前から強く感じていた。それを象徴するのが、常陸風土記の丘にある16メートルの巨大な獅子頭。石岡市内を見守るように立つその姿に、獅子舞に対する強い思いを感じた。その獅子頭を見に行ったのが、2021年4月。1週間ほど経ち、この街が獅子舞に対してなぜこれほどまで熱い想いを持っているのかを知りたくて再び石岡を訪れた。

街を歩けば歩くほど見えてくる日常の中に垣間見える獅子の姿。これが祭りを受け継ぐことに繋がっているのではないかと考えさせられた。プロでない人が獅子頭作りに取り組んだり、獅子頭が様々な場所で展示・販売されていたり、獅子頭のマンホールやそれを元にしたカードが売られていたり..。これらを見て、「石岡といえば獅子舞だ」という実感を強く持った。街歩きを通じて感じたことをここでご紹介したい。

獅子舞が一箇所に集まり踊る!石岡のおまつりについて知る

石岡駅に今回再訪して、まず立ち寄ったのが、観光案内所。ここで獅子舞や山車が一堂に会して練り歩く9月の常陸國總社宮例大祭「石岡のおまつり」に関する冊子を配布している。このお祭りの由来や成り立ち、各地区の獅子舞紹介が全部一冊にまとまっており、さらに無料というのが素晴らしい。せっかくなので、「石岡のおまつり」についてここで紹介しておきたい。

常陸國總社宮(ひたちのくにそうじゃぐう)とは、神々を国衙の近くに集める總社宮の1つで、歴代将軍家とも関わりの深い神社だ。その最も重要なお祭りが9月の例大祭。土橋町をはじめとする各地域で受け継がれてきた風流仏としての獅子舞と、富裕な商人が贅を凝らした山車があり、それらが神輿とともに街中を回るという形をとる。例大祭とはいえ地域を挙げたお祭りとなるため「石岡のおまつり」と呼ばれており、全国から数十万人の人が訪れるとても有名なお祭りだ。ここで30以上の獅子舞が順々に舞われる姿は圧巻である。以下の写真は、石岡駅の観光案内所の目の前に飾られている獅子舞。大きくてとても迫力がある。

獅子頭を作る職人がたくさんいる

石岡の獅子舞文化を支えるのは、職人たちの技。常陸獅子彫刻伝修館という場所があり、初心者からでも獅子頭の制作を習うことができる環境が整っている。2021年4月現在、30名以上の会員がいて、地元・石岡市の方はもちろん栃木県の宇都宮市から通う人もいるようだ。その制作風景を拝見させていただいたのだが、丁寧に設計図を書き彫っていく姿がとても印象的だった。

また、原材料となる木材(桐)が地域資源として存在することも大きい。北陸方面では工芸的な価値が高いものとして獅子頭が作られているが、石岡では5万円から購入できる飾り獅子もあるそう。獅子頭の制作と購入がしやすいことが文化を伝承できる環境に結びついている可能性もあると感じた。この常陸獅子彫刻伝修館以外にも、獅子頭を制作するコミュニティは存在するようで、仲間同士切磋琢磨したり師匠から習うという環境があることは非常に重要なことだと感じた。

獅子頭のマンホールカードがある

ところで、石岡市内を歩いていると、獅子舞のマンホールを見かける。とてもいかめしい顔つきの獅子舞に迫力のある幌の広がりが印象的である。足元から日常的に市民を見守っている獅子の存在があるというのはとても素敵だ。市民の精神的な下支えとして、獅子舞の存在があることは特筆すべきである。

この獅子舞のマンホール、実はカード化されている。下水道広報プラットホーム(GKP)が日本全国で下水道への理解・関心を深めるためのコミュニケーションツールとして整備したものだ。2021年4月現在、500以上の自治体で導入されており、石岡市のそれは獅子舞がモチーフなのである。これはまち蔵藍という特産品の販売などをしているお店で無料配布されている。このお店には獅子舞関連グッズがたくさん置いてあり、獅子頭の販売もされているようだ。獅子舞好きなら是非立ち寄りたいお店である。

石岡市中央図書館で獅子舞の歴史を調べる

なぜ盛んになったのかという歴史的な背景を知りたかったので、石岡市の中央図書館も訪れてみた。石岡の獅子舞に関する最も古い資料の一つとして、土橋町の獅子舞が挙げられていることが多い。1854年の『香丸組御用届』によれば、「愛宕祭礼・・土はしは当年より定例大獅子」との記述がある。元々は行道(僧侶がお経を読みながら歩くこと)の獅子として登場し、悪魔祓いのために各民家を回るという意味が強かった。石岡の獅子舞が舞う時に大口を開ける場合もあるのは、悪魔祓いをするという意味を持つ。各地域ごとで行われていた祭りが、近代になってから常陸國總社宮の例大祭を機に一気に集結されるようになり、そこから賑やかさを増したものと思われる。山車は富裕層の商人が後になって取り入れたそうだ。

石岡市で獅子舞文化を知る

このように茨城県石岡市には、日常的に獅子舞やお祭り気分を味わえる場所がたくさんある。コロナ禍でもお祭りを次の世代に受け継いでいく必要があり、その視点においても日常的に街のあちこちで獅子舞の魅力が伝わるような仕掛けがあるというのはとても素晴らしい取り組みだ。これからも石岡市の獅子舞に注目していきたいと感じた。獅子舞に興味がある方やお祭り気分を味わいたい方はぜひ、石岡市を歩いてみると良いだろう。

いなむ
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
獅子舞マニアです。ライターやカメラマンをしています。趣味は、獅子舞の鼻を撮影することです。その他クレイジーな祭りにも潜入します。

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