2023年11月3日(金・祝)に、大阪のメインストリート「御堂筋」において、エンタメ・日本文化・パフォーマンスなど1日限りの非日常的なオンリーワンコンテンツが楽しめる「御堂筋ランウェイ2023」が実施されます。
例年、2時間の開催で約40万人が来場するこのイベントに、14:30ごろより約10分間、石見神楽が登場します!
今回、出演するのは石見神楽の本場である島根県浜田市の神楽社中(神楽団)のみなさまです。そして、今回は特別バージョンということで、浜田市内の複数の社中(神楽団)が連合体となり派遣して行うという気合の入れようです。
この記事では「石見神楽とは?」という基本的な知識から、御堂筋ランウェイ出演が実現した背景、当日の見どころまで分かりやすく解説します。
目次
石見神楽とは?どんな魅力があるの?
石見神楽は、島根県西部、石見地方を代表する伝統芸能です。現在、石見地方には約140もの神楽団体がありますが、今回社中を派遣する浜田市はその中でも最も多い50以上の団体を有しています。
起源が室町時代後期といわれる石見神楽は、軽快な囃子に合わせ、豪華絢爛な衣裳を纏った舞手の躍動的な舞いが特徴です。神話を基盤にした勧善懲悪の分かりやすいストーリーも子供から老人までを楽しませ、神社での奉納神楽はもとより、お祭りやイベント、定期公演、さらには、結婚式でも上演されるなど地域に住む人々の生活に深く溶け込んでいます。
2019年5月には日本遺産に認定され、2022年7月には、伝統芸能の殿堂である国立劇場において石見神楽の単独公演を行い大蛇50頭が舞台を埋め尽くす圧巻の舞を披露するなど、伝統を守り続けながらも現在進行形で挑戦し続けている伝統芸能です。
豪華絢爛な衣裳、表情豊かな面、巧みに操る蛇胴。透通るような笛の音と軽快な囃子に乗って勇壮に舞われる石見神楽は、見る人全てを魅了します。
御堂筋ランウェイで上演が予定されているのはどんな演舞?3つの注目ポイントをご紹介!
今回の御堂筋ランウェイには、浜田市の石見神楽より「神」「鬼」「須佐之男命(スサノオノミコト)」「大蛇(オロチ)」が登場します!今回の演出についてと、見どころを簡単に紐解いていきましょう。
1.神と鬼が軍団となり大行進!注目すべきは〇〇!
石見神楽といえば、神と鬼が対決するシーンを思い浮かべる方が多いと思いますが、今回は複数の社中が同時出演することにより、総勢10体の神と鬼が戦いを繰り広げます!
激しい動きはもちろんですが、注目していただきたいのは、豪華絢爛な衣裳!浜田市の神楽産業の職人たちが手作りで作る衣裳は、高いもので1着300万円オーバーになるとか?!
最後に神が鬼を退治するために弓矢を放つのですが、もしかすると沿道のお客様も実際に参加できるかも?!
神と鬼が総勢10体登場することにより、全長450mに渡るランウェイのどこにいても、その姿を間近でじっくりと堪能できます。きめの細かい作品にも注目しながら神&鬼軍団をお楽しみください。
2.フロート車両を大蛇がジャック?動きながら大蛇退治!
大蛇は石見神楽の中で最も人気のある演目で、須佐之男命と、頭8つ尾8つの巨大な蛇である大蛇の戦いを描いた物語です。
そんな大蛇が今回、御堂筋の南から北へと走るフロート車両をジャックします!道路を使ったパレードである御堂筋ランウェイだからこその演出で、一般公演などとは違う形で動く大蛇を楽しめる貴重なチャンス!
フロート車両の高さがあるので、観覧場所がランウェイから少し遠くの方でもしっかり見ることができて、楽しめる演出です。
3.交差点での大蛇退治!
須佐之男命が御堂筋で暴れる大蛇を退治するための戦いは大いに盛り上がります。その舞台となるのは、ランウェイ上に位置する3つの交差点です。
大蛇は川の洪水を象徴しているとも言われ、物語は人間と自然災害の争いを描いているとも言われています。奇しくも今回の舞台は「水の都」とも称される大阪。
須佐之男命は、御堂筋のわずか10分間という限られた時間でも大蛇を退治できるのか?ぜひ沿道から応援をお願いします!
今回披露される演目は、御堂筋ランウェイ出演のために、独自に演出を考え、練習されてきたものばかりです。その全てに石見神楽の魅力が詰まっていますので、ご紹介した内容と見どころにぜひ注目してみてくださいね!
「1970年の大阪万博から石見神楽は…」御堂筋ランウェイで石見神楽を上演する理由と今回の意気込みを浜田市の方に聞いてみた
なぜ島根県浜田市の石見神楽が、御堂筋ランウェイ2023で上演されるのでしょうか。この事業を担当する浜田市観光交流課の塚本さんにその背景を伺ってみました。
– 今回どのような背景で御堂筋ランウェイ2023への出演が実現されたのでしょうか?
石見神楽の名が全国に知れ渡ったのは、1970年に大阪万博のメインステージにおける石見神楽の演目「大蛇」の上演がきっかけでした。それ以降、国内外での公演依頼をいただくようになり石見神楽は更なる発展を遂げてきました。そうした経過もあって、2025年の大阪万博においても、世界中の方へ石見神楽の魅力を発信したいと思い、開催500日前に迫った2025年大阪・関西万博のプロモーションも実施される「御堂筋ランウェイ」に石見神楽を出演させたいと考え動いていました。
– 今回は浜田市の1つの社中さんだけではなく、複数の社中さんが連合体になって出演されるとのことですが、どのような準備をされましたか?
御堂筋ランウェイに出演できると決まって、観客参加型の新たな鑑賞スタイルも検討したところ、鬼軍団、大蛇17頭など総勢36名に。通常の神楽上演では、15名~20名程度ですので、ちょっと多いなと。しかも、秋祭りシーズンで各社中も、奉納神楽の予約でいっぱいという状態。社中の皆さんに相談した結果、「なんとかしよう!」と言っていただいて、複数の社中による連合体となりました。社中の皆さんの協力に本当に感謝です。
– 約10分間の演出ですが、観客の皆様に伝えたい・特に見ていただきたいのはどのようなポイントなのでしょうか?
なんといっても17メートルもの蛇胴を操る代表演目「大蛇」は、石見神楽最大の見どころです。また、今回は、特別演出として、鬼軍団が登場し、観客席のすぐ近くまで向かいます。大迫力の鬼と1着数百万する絢爛豪華な衣裳を、間近で見ることができるチャンスです。
– なるほど、最後に、御堂筋ランウェイ出演への意気込みをお願いします。
10分間に全ての思いを込めて、大迫力の石見神楽をお届けします。
開催情報
御堂筋ランウェイ2023
【開催日時】
2023年11月3日(金・祝)
14:00〜16:00 (予定)
【開催場所】
大阪府大阪市
御堂筋(久太郎町3交差点~新橋交差点)