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【今週末開催】深川八幡祭りで石見神楽!?石見神楽富岡八幡宮上演を見逃すな!

2023/8/9
2023/8/9
【今週末開催】深川八幡祭りで石見神楽!?石見神楽富岡八幡宮上演を見逃すな!

2023年8月11日(金・祝)〜15日(火)に行われる、江戸三大祭りの一つ「深川八幡祭り」。今年は3年に一度の本祭りの年。本祭りでは、氏子各町会の神輿、五十数基が深川の氏子各町を一周する約8キロのコースを練り歩きますが、真夏に行われるため、沿道の観客が盛大に水を掛けて神輿を清めたり、担ぎ手の体を冷やすことから、「水掛けまつり」とも言われています。

担ぎ手・観客合わせて50万人の人出があると言われるこの祭りで、8月13日(日)18:00より富岡八幡宮の境内にて、石見神楽が舞われます。しかも、石見神楽の本場である島根県浜田市より社中(神楽団)を派遣して行うという気合の入れようです。

この記事では「石見神楽とは?」という基本的な知識から、この上演が実現した背景、当日の楽しみ方まで分かりやすく解説します。

石見神楽とは?どんな魅力があるの?

石見神楽は、島根県西部、石見地方を代表する伝統芸能です。現在、石見地方には約140もの神楽団体がありますが、今回社中を派遣する浜田市はその中でも最も多い50以上の団体を有しています。

岩戸浜田市で毎週土曜日に行われている「夜神楽週末公演」より 提供:浜田市観光交流課

起源が室町時代後期といわれる石見神楽は、軽快な囃子に合わせ、豪華絢爛な衣裳を纏った舞手の躍動的な舞いが特徴です。神話を基盤にした勧善懲悪の分かりやすいストーリーも子供から老人までを楽しませ、神社での奉納神楽はもとより、お祭りやイベント、定期公演、さらには、結婚式でも上演されるなど地域に住む人々の生活に深く溶け込んでいます。

大蛇石見神楽上演の際には子供の姿も多く見られる 提供:浜田市観光交流課

2019年5月には日本遺産に認定され、2022年7月には、伝統芸能の殿堂である国立劇場において石見神楽の単独公演を行い大蛇50頭が舞台を埋め尽くす圧巻の舞を披露するなど、伝統を守り続けながらも現在進行形で挑戦し続けている伝統芸能です。
豪華絢爛な衣裳、表情豊かな面、巧みに操る蛇胴。透通るような笛の音と軽快な囃子に乘って勇壮に舞われる石見神楽は、見る人全てを魅了します。

上演が予定されているのはどんな演舞?注目ポイントをご紹介!

今回の上演で予定されている演目は「神迎」「八幡」「塵輪」「恵比須」「大蛇」の5演目です。それぞれの内容と見どころを簡単に紐解いていきましょう。

神迎(かんむかえ)

神迎提供:浜田市観光交流課

烏帽子、狩衣を着た4人で舞う儀式舞です。手には小さい幣と輪鈴、扇を持って舞います。東西南北、四方を清め神様を迎えます。

八幡(はちまん)

八幡提供:浜田市観光交流課

弓と武勇の神、八幡麻呂が悪魔王を退治する物語です。
ある日、八幡麻呂は、欲望の世界の悪魔王が海外から飛来し、次々と人を殺していると聞きました。そこで八幡麻呂は神聖な弓と矢で悪魔王を滅ぼそうとします。神々に代表される正義と悪魔に代表される悪との対立は、石見神楽の代表的な展開の神楽です。八幡麻呂は九州の宇佐八幡宮に祀られています。
恐れを知らずに戦い、回転し、舞う登場人物たちの戦いは大いに盛り上がります。

塵輪(じんりん)

塵輪提供:浜田市観光交流課

神と鬼が対決する、鬼舞の代表的な神楽です。
第14代天皇・仲哀天皇が、異国より日本に攻め来る数万騎の軍勢を迎え撃ちます。その中に身に翼があり黒雲で飛びまわる「塵輪」という悪鬼が、人々を害していると聞き、天皇自ら天の鹿児弓、天の羽々矢をもってこれを退治しに行く物語です。見どころは、悪鬼の素早い動きと、神々と悪鬼の間の激しい戦闘シーンです。塵輪の精巧な衣裳の裏に翼が見られることもあります。

恵比須(えびす)

恵比須提供:浜田市観光交流課

恵比須は、漁業、幸運、商売の神として有名です。この物語は、幸運の象徴である鯛を海岸で釣り上げる様子を描いています。この演目は、結婚式やお祝いなど、縁起の良い機会に行われることがよくあります。
笑顔の恵比須とコミカルな演技は、観客をリラックスさせて楽しませてくれます。また、釣り餌に見立てた飴を観客に撒く演出があり、子供たちにも人気があります。

大蛇(おろち)

大蛇提供:浜田市観光交流課

石見神楽の最も人気のある演目で、須佐之男命と、頭と尾8つの巨大な蛇である大蛇の戦いを描いた物語です。須佐之男命は悲しみに暮れる老夫婦とその娘に出会います。理由を尋ねると、八岐の大蛇が毎年現れ、既に7人の娘が攫われ、残ったこの稲田姫もやがてその大蛇に攫われてしまうと須佐之男命に言いました。彼女を救うために、須佐之男命は大蛇をだまして毒酒を飲ませ、激しい戦いの後で大蛇を打ち負かします。その後、須佐之男命と稲田姫は結婚しました。大蛇は川の洪水を象徴しているとも言われ、物語は人間と自然災害の争いを描いているとも言われています。
長さ17メートルの大蛇の胴体は竹と石州和紙でできており、複雑な形の蛇頭も石州和紙で作られています。
 
今回上演される演目は石見神楽の魅力が詰まった人気の高いものばかり。ご紹介した内容とみどころにぜひ注目してみてくださいね!

「本場の石見神楽を知ってもらいたい!」浜田市の方に意気込みを聞いてみた

ところで、なぜ島根県浜田市の石見神楽が、東京・深川の富岡八幡宮で上演されるのでしょうか。この事業を担当する浜田市観光交流課の塚本さんにその背景を伺ってみました。

– 今回どのような背景で東京上演が実現されたのでしょうか?

石見神楽は2022年に国立劇場公演を行いましたが、まだまだ東京を中心とした首都圏、全国の皆さん、延いては世界中の皆さんに魅力を発信していきたいと考えています。今回、多くの方々が訪れ、石見神楽の雰囲気を表現できる神社で開催される祭りでの上演を検討したところ、富岡八幡宮様にご快諾いただいたことでこの東京上演が実現しました。

– なるほど、東京のみならず、世界の人々に知ってもらうことが目標なのですね。

浜田市には、50を超える神楽団体があり、年に何百回も神楽上演があります。地元民は、これまでに何十回、何百回と石見神楽を見ているにも関わらず、何度でも楽しめる魅力が石見神楽にはあります。祭りやイベントには必ず石見神楽の上演があって、式典や記念事業のオープニング、結婚式などの個人の祝い事でも石見神楽が上演されたりします。さらに、地元の金融機関のキャラクターになっていたり、結構な確率で家の玄関に石見神楽面が飾ってあったり、学校に石見神楽部があったり、保育園や幼稚園の学習発表会に石見神楽があったり、市役所に石見神楽係があったりと、浜田市には、石見神楽が溢れ生活に溶け込んでいます。こんなにも地元に愛されている伝統文化は他にはないし、浜田市の誇り石見神楽を世界中の方に知ってもらいたいです。必ず、「すごい」と言ってもらえると思います。

– 塚本さんの言葉から、地元に愛される素晴らしい伝統文化であることが伝わりますね。特に見ていただきたいのはどのようなポイントなのでしょうか?

軽快な囃子に合わせた舞手の躍動的な舞いや絢爛豪華な衣裳、表情豊かな神楽面、花火を使った演出など見どころはたくさんありますが、なんといっても17メートルもの蛇胴を操る代表演目「大蛇」は、石見神楽最大の見どころです。

– なるほど、大蛇には特に注目ですね。最後に、意気込みをお願いします。

石見神楽を創り出したまち浜田の渾身の舞いを披露しますので、ぜひ観に来てほしいです。必ず、期待を超え感動になる自信があります。
 
塚本さんがたっぷり熱を入れて語ってくれた、島根県浜田市の石見神楽。今回の上演は、現地まで行かずに東京で本場の石見神楽を観れる千載一遇の機会です。8月13日(日)は富岡八幡宮に足を運び、その目・その耳に焼き付けてみてはいかがしょうか。

アクセス情報

深川八幡宮

東京メトロ東西線「門前仲町」駅より徒歩3分
都営地下鉄大江戸線「門前仲町」駅より徒歩6分
JR京葉線「越中島」駅より徒歩15分

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