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【亀戸天神社うそ替え神事】幸運招く鳥ウソの木彫り像を交換し祈る新年の吉

2021/1/26
2021/1/26
【亀戸天神社うそ替え神事】幸運招く鳥ウソの木彫り像を交換し祈る新年の吉

菅原道真を御祭神とする亀戸天神社

新しい年を迎えた1月、2月は受験生にとっては勝負のシーズンとなります。学問の神として崇拝される菅原道真を祀る神社には、数多くの受験生が合格祈願に訪れています。東京都江東区に社殿を構える亀戸天神社は菅原道真を御祭神とする下町の天神様で、毎年1月下旬に「うそ替え神事」が開催され、2021年は1月23日~25日に行われました。

2021年の「亀戸天神社うそ替え神事」の幟

幸運を招く鳥ウソの木彫りの像を新しいものと交換する「うそ替え神事」

「うそ替え神事」は、幸運を招く鳥とされるウソの木彫りの像を新しいものと交換することによって、前年の災厄や凶事などを嘘とし、新しい年は吉となることを祈念するのです。うその漢字「鷽」の字が「學」の字に似ていることから、学問の神の天神様と深いつながりがあると考えられています。

亀戸天神社の本殿前に設置された木彫りのうその像を祀る祭壇

亀戸天神社の本殿前に設置された木彫りのうその像を祀る祭壇

亀戸天神社は1646年頃、菅原道真の血を引く九州の太宰府天満宮の神官、菅原大鳥居信祐が江戸の本所亀戸村を訪れたときに、天神の小祠に道真ゆかりの飛梅で彫った天神像を奉祀したことに始まると伝わります。その後、社殿、回廊、心字池、太鼓橋などが整備され、東国天満宮の宗社となったのです。

蔵前橋通りから亀戸天神社に向かう参道

亀戸天神社の鳥居

鳥居から拝殿を繋ぐ3つの橋

鳥居を潜ると鮮やかな赤色の弧を描く太鼓橋が姿を現します。九州の太宰府天満宮に倣って造られたものです。鳥居下の太鼓橋は男橋と呼ばれ、過去をあらわすと言われています。男橋の上からは境内の全景を見渡すことができます。

鳥居下の太鼓橋の男橋

鳥居下の太鼓橋の男橋

男橋の上から眺める境内の全景

男橋を下り平橋、女橋を順に渡ります。平橋は現在、女橋は未来を現し、3つの橋を渡ることで心が清められるといわれています。女橋を下りた正面が菅原道真を祀る拝殿です。

平橋

太鼓橋の女橋

太鼓橋の女橋

太鼓橋の女橋

菅原道真を祀る拝殿

拝殿の東に設置される「うそ替え神事」の特設テント

亀戸天神社に参拝する場合、普段は鳥居の下から3つの橋を渡り拝殿に向かうことが多いのですが、「うそ替え神事」の開催日は鳥居を潜ると東の回廊に向かうことになります。神苑の梅の並木道は、2月中旬からは梅の香りが漂うことでしょう。

鳥居の下の「うそ替え神事」の案内

東回廊の神苑の梅

梅の並木道を歩き終えた拝殿の東の広場に「うそ替え神事」のための特設テントが設置されます。ここで、前年のウソの木彫りの像を返納するのです。例年広場からは行列が鳥居に向かってはみ出すのですが、2021年は新型コロナウイルス感染拡大のため、人波が途絶えることはないものの長い行列が繋がることはありませんでした。

拝殿の東に設置される「うそ替え神事」の特設テント

拝殿の東に設置される「うそ替え神事」の特設テント

「うそ替え神事」の特設テント

返納されたウソの木彫りの像

返納されたウソの木彫りの像

前年のウソの木彫りの像を返納した後に、授与所で新しい年の木像を求めます。形は変わりませんが、10種類前後のサイズが準備されています。

授与所

授与所に並ぶウソの木彫りの像

ウソの木彫りの像の初穂料

時期を変えて開催される「梅まつり」や「藤まつり」

「うそ替え神事」の開催日には間に合わないのですが、2月の中旬になると境内で植栽される約300本の梅が花を咲かせ、「梅まつり」が行われます。1月の下旬にはロウバイや早咲きの冬至梅が開花し、春の訪れが待ち遠しく思えてきます。また境内には、江戸時代から「亀戸の五尺藤」とよばれる藤棚が設けられ、4月下旬には「藤まつり」も実施されます。

神苑の梅の中のロウバイ

平橋の袂に咲く早咲きの冬至梅

「亀戸の五尺藤」とよばれる藤棚

「亀戸の五尺藤」とよばれる藤棚

東京都江東区に社殿を構える亀戸天神社は、菅原道真を祀り毎年1月下旬に「うそ替え神事」を開催しています。幸運を招く鳥とされるウソの木彫りの像を交換し、新しい年の吉を祈念するのです。

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