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「かんべの寝釈迦祭り 」鈴鹿に春を告げる大涅槃図|観光経済新聞

2019/10/5
2019/10/9
「かんべの寝釈迦祭り 」鈴鹿に春を告げる大涅槃図|観光経済新聞

観光経済新聞のコラム記事連載が、2019年9月14号からスタートしました!「お祭り」をフックに旅情あふれる記事を、オマツリジャパンライターの皆さんに書いていただき、毎週掲載して行きます。普段のマツログ記事とは一味違う表現で書いていただいていますので、ぜひお楽しみください。(オマツリジャパン編集部)

鈴鹿に春を告げる大涅槃図

三重県鈴鹿市。三重県北部に位置するこの街は、古くから中部と関西を結ぶ交通の要所にあり、かつては伊勢国の国府が置かれた場所だ。今では名古屋から列車に揺られること40分で来ることができる。

鈴鹿市の入り口、近鉄鈴鹿市駅へ降り立った。この辺りは神戸(かんべ)と呼ばれ、江戸時代には城下町だった所である。駅前をふと見渡すと古い建物や旧伊勢街道が延びており、往時をしのぶことができる。

この神戸の町が沸き立つ日が、今回訪れた「かんべの寝釈迦(しゃか)祭り」が行われるお祭りの日だ。

かんべの寝釈迦祭りは毎年3月の第2土・日・月曜日に天沢山龍光寺で開催される。年に一度、この時期にしか公開されない貴重な絵が見られ、家内安全を願う参拝者が多く訪れるお祭りだ。

また、この時期は冬から春に変わろうと天気が悪くなりやすいため、「釈迦荒れ」という天気の表現が伝わっているそうだ。その言葉の通り荒れていたらどうしようと思いながら訪問したが、ありがたいことに快晴の下お祭りへ行くことができた。

駅から龍光寺へと向かう道には、びっしりと屋台が立ち並んでいる。その数はなんと200軒にも及ぶとか。子どもたちがたくさん出てきていて、活気がすごい。関西に近い土地柄のためか、はしまきや焼きそば、堂島かすてらといった屋台があるのもユニークだ。さて龍光寺へと到着した。境内の中にまで屋台が所狭しと並んだ様子は圧巻だ。

本堂の方からお坊さんの声が聞こえるので行ってみると、ついに対面「寝釈迦様の大涅槃(ねはん)図」があった。とても大きい。その迫力に圧倒されるが、なんと縦7.2メートル、横3.6メートルもあるそうだ。本堂の中では色彩豊かなこの涅槃図についてお坊さんが説明を続けている。

他のお堂へ行くと、こちらは地獄絵図のご開帳をしている。炎に包まれた赤い世界は何を伝えているのだろうか。参道に目をやると、桜が咲いていた。今年は釈迦荒れもなく春を迎えられそうだ。

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