東東京、足立区の埼玉にほど近い花畑(はなはた)にある、花畑大鷲(おおとり)神社は、酉の市発祥の社で、知る人ぞ知る神社。11月の酉の市では、参道には所狭しと屋台が並び、大勢の参拝客で賑わいます。
今回レポートする花畑大鷲神社の3匹獅子舞は、何年か前から気になっていて、やっと行く機会に恵まれました!
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2023年7月14日 編集部更新)
江戸時代から続いている獅子舞
2019年7月14日10時半。
降りしきる雨の中、神楽殿で3頭(大獅子、中獅子、かか獅子)の獅子舞が始まりました。例年は境内の舞庭、この日のために作られる四本柱で舞うのですが、雨のため神楽殿で舞うことに。
天下泰平・五穀豊穣・悪疫退散を願う「祈祷獅子舞」。
江戸時代より続いている、歴史のある3匹獅子舞で、足立区の無形民族文化財のひとつです。
昔は、獅子を舞えるのは長男だけで、貴重な獅子頭に触れることのない子ども達は、太鼓はミルク缶、顔にはとうもろこしの髭、風呂敷をまとって舞っていたようです。
今は女子でも舞えるようで、中学生の女子2人も颯爽と舞っていました!
花畑大鷲神社獅子舞保存会では、15人も獅子の踊り手がいて、親子で舞ったり、3世代で舞うこともあると聞きました!素晴らしいですね!!
見ている私達も邪気払いしてもらいました!
太鼓を打ちながら舞う獅子たち
獅子は1人で獅子頭を被り、白い手甲と白い足袋で、お腹に締太鼓を付けて、太鼓を打ち鳴らしながら舞います。獅子頭の毛は腰まで長く、獅子舞保存会の方にとっても自慢の頭。その毛は軍鶏(シャモ)の長い部分の尾羽のみ使用し、今では日本で手に入らない高価なもののようです。舞いと共に黒光りする後ろ姿は心惹かれました。
太鼓のみ鳴らしている時は、黒い布で顔を覆っていて、この姿がまた独特でかっこいい!
舞は、笛に合わせて踊りますが、舞によって曲が変わります。笛吹きは、子どもから大人まで20人近くいました。笛を吹いている方に篠笛の調子と楽譜があるか聞いたところ、篠笛は6本調子※で、口伝ではなく譜面があるとのことでした。
※篠笛は数字が低いほど低い音が出ます。江戸囃子は5本や6本、佐原囃子は3本調子など、地域によって使う調子も変わります。
いくつもの舞
舞は、獅子宿(福寿院)から本殿に着いたと時に舞う「岡崎の舞」に始まり、「幣掛の舞」「綱渡しの舞」「橋渡の舞」「花隠の舞」「口掛け」と6つの種類があります。
神楽殿で次の舞を待つ獅子達(左から大獅子、かか獅子、中獅子)
今回、舞庭より狭い神楽殿では、仕掛けが厳しいようで、「綱渡り」「橋渡り」は中止。綱渡りは事前にチェックしていて、綱を引く気でいたので残念。。。(地元の方にお話を聞いたら、ストーリーがあるので誰でも参加して良いわけではなかったです)
「花隠」は男2人と女1人で大獅子と中獅子でかか獅子を取り合うというストーリー。花笠衆は、小学生くらいの女の子が四方に立っていましたが、この舞だけは、大人の女性が中央に立ち、かか獅子を囲んだところからスタートしました。
かか獅子を探す、大獅子、中獅子。
獅子舞の特徴としてすり足で舞っているが、「花隠」は跳ねる動きがあります。
最後の演目では雨が止み、急遽、本殿前で舞うことに。
「口掛け」の後に掛け声がかかると「出入り」という舞に入り、激しい舞が続きました!
頭は噛んでもらう?!
舞が奉納されると、獅子宿に獅子達が帰っていきました。御幣持を先頭に、花笠衆4人、3匹獅子が鳥居をくぐり、住宅街を通って、福寿院に戻りました。
そこでまた1つ大迫力の舞がありました!
獅子舞というえば、頭を噛んでもらうイメージがありましたが、獅子頭を被る(ガッツリ被る訳ではありません)ことで、邪気を払うのですね!
最後は、私も、獅子頭を被せてもらい、ご利益がありますように。
まとめ
舞の主役によって篠笛の曲が変わったり、獅子の色々なしぐさ、表現があり、奥が深~い獅子舞。今回、見ることが叶わなかった大仕掛けの2つの舞。
まだまだ知らないことばかり?!ぜひまた来年、見たいと思います!
みなさんも来年の7月に、1日かけて3匹獅子舞を楽しませんか?!
花畑大鷲神社 公式HP:http://ootori-jinja.or.jp/index.html
2023年の開催情報!
奉納獅子舞 開催日:2023年7月16日(日)午前10時から午後3時頃まで
※毎年、7月第3日曜日に行われます。
開催場所:花畑大鷲神社
アクセス:〒121-0061東京都足立区花畑7丁目16番8号
東武スカイツリーライン「谷塚駅」より東武バス桑袋団地行「草加記念体育館前」下車 徒歩8分
つくばエクスプレス「六町駅」より東武バス花畑団地循環「花畑六丁目」下車 徒歩8分