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「衣替え」はいつがベスト?開運のための年中行事だから毎年きっちりやりましょう!

2023/5/31
2024/3/8
「衣替え」はいつがベスト?開運のための年中行事だから毎年きっちりやりましょう!

みなさんは夏服と冬服を、どのような目安で取り替えていますか。

本格的に梅雨に入る前のこの時期に、夏服への衣替えを済ませる方は多いと思います。クリーニング店のセールも増えますね。しかし、明治時代には「衣替え」は6月1日と10月1日にせよと定められていたのをご存知でしょうか?

この記事では、年中行事としての衣替えの由来と、衣替えにちなんだお祭りを紹介します。

6月1日は衣替えの日

鈴木春信「更衣の美人」(国立国会図書館蔵)

衣替えは季節の変わり目に、衣類を夏物から冬物へ、冬物から夏物へと改めることをいいます。10月1日から冬服、6月1日から夏服というのが衣替えの目安です。

衣替えの歴史とは?

元は湯上がりに着るものだった浴衣は、明治頃から夏の部屋着になった。

中国の宮廷では、旧暦の4月1日と10月1日に夏服と冬服を入れ替える風習がありました。
日本へは、平安時代に中国から伝わったとされており、当初は同じように4月1日と10月1日に、夏装束と冬装束を調度品などを替えていたようですが、気候に合わせて6月1日と10月1日に変わってきたそうです。

江戸時代ごろになると、4月1日から5月4日まで袷小袖、5月5日から8月31日までひとえ帷子麻布、9月1日から8日まで袷小袖、9日から3月31日まで綿入り小袖と、端午の節句と重陽の節句が区分に加えられ、年に4回衣替えをするように決められていました。

袖の小さい「小袖」は現在の着物の源流になっている。(国立国会図書館蔵)

明治維新を期に、明治政府が洋式の制服を取り入れた際に、6月1日と10月1日を衣替えとする習慣が一般的になっていきます。制服のある学校でも、6月1日から夏服への衣替えの日となったのです。

現代では石油ショック時代に紹介された省エネルックに始まり、今では環境省が「クールビズ」を推進しています。「クールビズ」は当初は6月1日からの想定でしたが、昨今の環境を鑑み、1カ月早い5月1日が開始日に定められました。

「着替え」で節目を乗り越え、新たな時間を迎える

衣替えの日になっている6月1日は、もともと氷の朔日・衣脱ぎ朔日、ナゴシなどと呼ばれ、人形などを川に流したり、茅の輪をくぐるなど、「祓え」と「物忌」を行うべき大きな節目としてとらえられていました。

日本人は、通過儀礼や祭礼など新たな時間・状況を迎える時には、必ず衣服を着替える、という行為をしてきましたが、この「衣替え」も季節に合わせた服に着替えるという意味とともに、一年の半分を乗り越え、新たに再生をはかるために着替える、という意味も込められていたと考えられています。

神様のお衣替え「更衣祭」がある!

民間に浸透した「衣替え」の文化ですが、実は神様も衣替えをします。
ここからは、衣替えにまつわるお祭りを紹介します。

神御衣祭(伊勢神宮・三重県)

伊勢神宮で行われる神御衣祭は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)に「和妙(にぎたえ)」と呼ばれる絹と、「荒妙(あらたえ)」と呼ばれる麻を、毎年5月・10月の14日に奉る神事です。

内宮を鎮座した時、五十鈴川のほとりに宇治機殿(うじのはたどの)を建て、天棚機姫神(あめのたなばたひめのかみ)の孫・八千々姫命(やちちひめのみこと)が天上の儀式に倣って「和妙」を織ったという古伝承に基づいたお祭りです。「和妙」と「荒妙」は、祭典に先だって、三重県松阪市の神服織機殿(かんはとりはたどの)神社と同市・神麻続機殿(かんおみはたどの)神社に、それぞれ地元住民の手によって奉織されます。

更衣祭(太宰府天満宮・福岡)

太宰府天満宮で4月と11月の20日に行われる「更衣祭(ころもがえまつり)」。祭神である菅原道真、つまり天神様の衣替えの儀式です。

いつ頃から行われているかははっきりしませんが、江戸期の記録では「幸祭」と呼ばれていたそうです。お祭りは、20日夜の酉の刻(18時ごろ)、夕暮れに奏楽が奏でられる中で厳かに行われる様子は大変美しいものです。純白の御衣が神職の手から手へと送られ、最後に宮司が御内陣へ進んで御祭神に御衣を捧げます。この時、お下がりとなった前の御衣は、後で「飛梅守」として頒布されているそうです。

神衣祭(筑波山神社・茨城)

 

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神衣祭(かんみそのまつり)は、筑波山神社で毎年4月1日と11月1日に行われるお祭りです。この「神衣祭」は、「奉幣祭」「神幸祭」と合わせて「御座替祭(おざがわりさい)」と呼ばれ、筑波山神社の例祭となっています。

「御座替祭」は、親子の神が、夏と冬に、山頂の御本殿と中腹の拝殿で入れ替わるというお祭り。「神衣祭」はその最初に行われる神事で、「筑波男大神(=イザナギノミコト)」を祀る男体山山頂の本殿と、「筑波女大神(=イザナミノミコト)を祀る女体山山頂の本殿で執り行われ、神輿を担いで男体山と女体山を登山するという大変なお祭りです。男体山山頂の本殿と、女体山山頂の本殿の扉を開け、神職が本殿の中に入って衣を交換します。

女体山本殿において神事が終わると、白雲橋コースで下山しますが、登山客とすれ違うこともしばしばだそうです。

まとめ

この記事では、衣替えの歴史と衣替えにまつわるお祭りを紹介しました。
衣替えを古来の伝統行事と捉え直すことで、一年の半分をすぎたこの時期に再び新たな気持ちで仕事や学業などに臨めるのではないでしょうか。

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