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弘法市と天神市。コロナが収束したら必ず行きたい京都の骨董市。

更新日:2020/7/8 狼と踊る男
弘法市と天神市。コロナが収束したら必ず行きたい京都の骨董市。

新型コロナウイルスの感染拡大によって自粛モード一色となった3月の3連休。開催が危ぶまれていた京都東寺の骨董市が決行されることになりました。楽しみにしていので気がかりだったのですが、その開催メッセージに大いに感心したこともあり、フィルムカメラに白黒フィルムを装填し準備を整えていざ出陣。「骨董好きのじじいが骨董品のようなフィルムカメラで骨董市を撮ってきた」レポートです。

骨董ジジイが骨董カメラで骨董市を撮る

割と早くデジカメに乗り換えた私が再びフィルムカメラに戻った理由、それはデジタルカメラが進歩しすぎたからです。カメラに任せておけば自動的に上手に撮影され、電池とメモリー容量のある限り何枚でも取れる、さらに出来上がりはその場で確認できます。便利この上ないのですが、一言で言うと「つまらない」。カメラに支配されている感じがするのです。

一方、撮影枚数に限りがあり一枚一枚丁寧に撮らねばならないフィルムカメラ。デジカメだと一瞬で済ます一連の作業「その日の題材に応じて白黒かカラーか、そしてフィルム感度からフィルムを選びカメラに装填。絞りリング及びシャッター速度ダイヤルを動かし露出を決め、被写体に合わせて焦点を手動で合わせる」を悪戦苦労しながら終えます。ようやく手ブレしないよう息を止めてシャッターを押し、次のシャッターチャンスに備えてフィルム巻き上げレバーを回す。出来上がりは現像のあがる後日。祈りながら確認するとピンボケや露出ミスなど失敗ばかり。でもだからこそ「面白い」。全部自分が操作しているという実感、思い通りの写真が出来上がった時の喜び、これが醍醐味なのです。さらに電子製品の宿命で壊れたら終わりのデジカメに対して、フィルムカメラは壊れても修理すればずっと使えるアナログ製品。自然と愛着が湧くのでいつまでも使いたくなります。

実はこの「大事なことをカメラ側が決めるので失敗しないデジタルカメラ。だからつまらない」に対して「大事なことを自分できめるので失敗が多いフィルムカメラ。だから面白い」という理屈は、私が骨董市にはまった理屈と似ています。

もともと骨董品には全く興味がなく骨董市などに足を運んだことはなかったのですが、京都の北野天満宮に参拝した際、開催されていた骨董市「天神市」に圧倒され、すっかり病みつきになりました。

「欲しいものをAIが探して薦めてくれるので苦労なく買い物ができるネットショッピング」に対して「欲しいものを自分で歩いて探すので中々見つからない骨董市」。骨董市はフィルムカメラと同じく完全に自己責任の世界。いいものを見つけるためには知識を蓄え自分の目を養わなければなりません。かねてよりフィルムカメラ+白黒フィルムで歴史情緒を残す町並みをこつこつと撮影していたので京都で開催される骨董市は格好の被写体になりました。

自粛ムードの中、「弘法市」開催が英断された訳

新型コロナウイルスの感染拡大により全国の学校が3月2日から臨時休校、3月20日からの三連休には大阪・兵庫両府県間の移動制限が要請され、お祭りやイベントの自粛が相次ぎましたが、京都東寺の「弘法市」だけは開催されました。骨董市の起源といわれる京都・東寺の「弘法市」。毎月21日に開催され、地元では「弘法さん」と呼ばれて親しまれているといいます。その公式サイトにこんなお知らせが掲載されていました。

新型肺炎ウィルスの流行に伴い、3月の弘法市に関して、開催のお問い合わせを多数お受けしております。

密教の祖、弘法大師空海の「民衆に開かれた寺院であるべき」との思想にのっとり、京都・東寺の門戸は民衆に開かれつづけ、弘法大師空海様の入定された日にお参りにお越しになる多くの方々に、お茶などをもてなす茶店などが集まり始めたことをきっかけに、江戸時代に自然発生的に始まった縁日が弘法市です。

東寺・弘法市は、過去から受け継がれた京の人々の生活習慣であり、当委員会が一存で中止できるものではありません。

3月21日の東寺弘法市は開催いたします。 (中略)

最後に、感染された方々の早期の回復をお祈りいたします。

古より民衆の生活のリズムに組み込まれてきた「弘法さん」。マツリや縁日と同じく「日常と非日常」「ハレとケ」のメリハリによって民衆の生活を潤いのあるものにしてきたわけです。ですから、決して自粛対象の不要不急の外出などではなく、必要不可欠な営みなのです。これはもう行くしかないとフィルムカメラをカバンに入れて出かけました。

東寺の北大門から入場しましたが、境内まで露店が鈴なりです。人手も予想より多かったのですが、開催が祝日と重なった場合は露店の出店数も人手はもっと多いとのことです。品揃えは他の骨董市とはまた違った趣があり多種多様。好奇心を大いにくすぐられました。

京都二大骨董市として愛される「天神市」

弘法市と並び二大骨董市と称される「天神市」。勉強の神様・菅原道真公を祀る北野天満宮の骨董市で、道真公の誕生日と月命日である毎月25日に行われています。4月25日(土)は残念ながら中止だったので2年ほど前に撮影した写真を紹介します。

開催日が土曜日だったので参道や外側の道路にまで露店がひしめき合い、多くの人で賑わっていました。「弘法さん」がどちらかというと地元の人が中心でしたが、こちらは観光客や外国人が多く、骨董品に加えて古着や土産物などが所狭しと並んでいました。

下鴨神社の糺の森で開催されるフリーマーケット

世界遺産・下鴨神社の糺の森で定期的に開催されているのが「森の手づくり市」。こちらは骨董市というよりもフリーマーケット。アクセサリー、布小物、木工品、革小物、陶器、イラストなどさまざまな手づくりクラフトが中心で、若者や子供連れの家族などで賑わっています。焼き菓子、パンなどの食べ物を扱う移動販売車も並んでいるので、食事やカフェタイムやライヴコンサートを各々が各々のスタイルで楽しんでいました。

いかかでしたか。京都の骨董市はどれも個性があって魅力的です。コロナが収束したら是非足を運んでください。冷やかしだけでも十分楽しめます。

狼と踊る男
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
日本の祭りに山神火神の伝説あるべし。願わくば之を語りて現代人を戦慄せしめよ。

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