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草履、雪駄、草鞋、下駄、足袋。祭りで使われる履物について調べてみた

更新日:2020/6/9 リエコ
草履、雪駄、草鞋、下駄、足袋。祭りで使われる履物について調べてみた

こんにちは。外出自粛の毎日、お祭りも無くなって、うずうずしていませんか?

こんな時期こそ、家で祭りの勉強!以前から知りたかった「祭りで使われる履物」について調べてみました。

1.日本人と鼻緒

日本の伝統的な履物と言えば、草履や下駄など鼻緒があるサンダル式のもの。サンダル式の履物は古代ギリシャなどでも見られますが(語源:ギリシャ語Sandalion)、より脱げにくく、足を安全に守ることができる靴が多くみられるようになりました。

出典:https://www.flickr.com/photos/wonderlane/4258173609

それに対して、日本は鼻緒で履く履物が主流であり続けました。これは履物を脱いで家に入る習慣と関係が深いと思われます。

この伝統が今も色濃くみられるお祭り。どんなお祭りで、どんな履物が使われているのか見てみましょう。

 

2.草履と雪駄の違い

お祭りでよく履く履物と言えば、草履と雪駄ですね。現在は「雪駄=男性の履物」「草履=女性の履物」と認識されることが多いですが、その違いはご存知ですか?

雪駄は草履の一部ですが、畳表で裏は皮などの防水加工がされていること。正式には後金と呼ばれる金具が付いています。これは、江戸時代、町奉行の同心が履き、後金の音をチャラチャラ鳴らすことで存在をアピールしていた名残です(これが現在の「チャラチャラした男」などという表現に繋がります)。

雪駄の面白いのは、そこに使われる素材とそれに合わせた用途。主なものは

・革底:伝統的で改まった場にも使える高級品。水に弱い。

・アメ底:飴のようにテカテカな底。滑りにくく、水に強い。

・スポンジ底:軽くて安価。すり減りやすい。

・タイヤ底:滑りにくく、水に強い。お祭りでよく使用される。

雨が降っても槍が降っても止まないお祭り。雨に濡れたアスファルトやマンホールでヒヤッとした経験のある方も多いのでは?用途に合わせ、こだわりの雪駄が選ばれています。

草履は着物用の高級なものから、あまり耐久性のない簡易的なものまで幅広くあります。激しく動くお祭りでは脚に縛り付けて使いうことも。青森ねぶたの跳人はその典型ですね。

3.草鞋(わらじ)

草鞋は草履と混同されがちですが、鼻緒が長く、脚に括り付けて使います。脱着に手間がかかりますが、脚と一体化するため、長距離の移動に多く利用された歴史があります。

草鞋が登場する祭りは福島県福島市、山形県高畠町、三重県志摩市などで見られます。これらは履くのではなく、巨大草鞋を担ぐもの。旅の安全、健康、天災消除を祈ります。

4.下駄:郡上下駄と利休下駄

「カランコロン」という下駄の音は、日本の夏らしくて素敵ですね。

下駄が主役となる祭りと言えば、岐阜県の郡上踊り。お囃子に加え、踊り手の立てる下駄の音がパーカッションのような役割を果たします。

郡上下駄は歯が高く、幾らかすり減っても大丈夫なようにできています。鼻緒が太く柔らかいので、当たりが柔らかく疲れづらいです。本場で購入すれば鼻緒を調整してくれます。「徹夜で踊る前提」で作られた下駄ですね。

一方、踊り子泣かせなのは阿波踊りの利休下駄。粋であるとして、関西の茶人に愛された形です。これが阿波踊りで使われるようになったのは、阿波踊りがお座敷から発展したことともつながるのかもしれませんが、これで踊り続けるのはかなりハード。痛さを和らげるために、足袋にクッションを入れたり、シリコンの滑り止めをはめたり、いろいろな工夫をして対処します。やっぱり古今東西、ファッションと履きやすさの両立は難しい(笑)!!

 

5.足袋:地下足袋と踊り足袋

そして忘れちゃいけない、地下足袋!神輿には欠かせないアイテムですね。

半纏に地下足袋、というのは昔ながらのワークスタイルですが、現在の祭り用足袋はエア―クッションが入っていて、長距離履いていても疲れない、スニーカーのような履き心地。職人さん用足袋と似ていますが、足先が柔らかく踏ん張りも効かないので、建築現場には向きません。

よさこいやエイサーなどハードな踊りでは、この神輿と同じ足袋が使われますが、

阿波踊りのような柔らかい動きが求められるので、比較的底が薄く、柔らかい足袋を利用。中敷きを入れてクッション性をアップさせる人も。お祭り道具のイノベーションは本当に面白い!

 

履物について調べてみて、文化や伝統、そして良いものを作るための飽くなき探求心を感じることができました。お祭りに行ったときは、周辺のお祭り用品販売店もちょっと覗いてみてください。新たな視点でお祭りを楽しむことができますよ。

リエコ
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
阿波踊りが大好きです。
古いものが好きすぎて、日舞や歌舞伎を見て、味噌やら醤油やら作って、もう自分が何歳かわかりません。

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